平成28年熊本・大分地震のこと
【注意 】
地震に関連するデマに惑わされないようにしてください。
日にちや場所指定で地震が起きる・マグニチュードや震度が妙にでかい地震が起きる・地震雲が出ていたから○○地方は危ない等は、デマと考えて間違いないです。気象庁震度階級は7が最大です。マグニチュードは記録にある限りチリ地震の9.5が最大です。それ以上の地震が起きる可能性はありますがM11とか12などはまず起きないし、万一起きた場合おそらく小惑星落下などの天変地異レベルです。(関連記事準備中)ただし今回の熊本地震もそうでしたが、大地震発生確率が低い場所であろうがお構いなく大地震が起きる可能性があります。万一に備え、万全の備えは怠らない方が良いでしょう。
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今回の地震により亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、被災された方へ心よりお見舞い申し上げます。
■前震と本震
発生時刻
気象庁発表
21時26分34..4秒(JST)
震源の深さ 11km
地震の規模 M 6.5(最大震度7)
震央 熊本県熊本地方
発生時刻
気象庁発表
1時25分5.4秒(JST)
震源の深さ 12km
地震の規模 M 7.3(最大震度7)
震央 熊本県熊本地方
持続時間:約20秒
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
4月14日夜、夕飯の支度をしていたら、テレビを見ていた妹が何か騒いでいる。
「地震、,地震、地震が来るって‼︎」
ほぼ同時に私の部屋の方でも何かが鳴り始めた。
さては鳴っているのはスマホの緊急地震速報か(余談だが、この警告音はタイガーマスクに出てくる覆面レスラー、ミスター・ノーの発する怪音に似ていると思う)。急いで部屋に帰って猫たちの様子を見に行き、様子を伺った。すると、すぐにグラグラ揺れはじめた。この辺りにしては揺れが大きく長い。ふと、福岡西方沖地震のことが頭をよぎった。まさか、とうとう警固断層が動いたのか? 猫たちもさすがに不安そうな表情をしている。「だいじょうぶ、大丈夫だからね」と、半ば自分を落ち着かせるように猫たちに向かって言った。もちろん確証はない。ウチは築50年以上で、普段でも床がギィギィいうような借家(もちろん耐震補強などしていない)だから、震度5強で倒れかねない。これ以上揺れが激しくならないようにと祈っていたら、地震は治まってきた。
(やっぱり警固断層だろうか?)
しかし、テレビの速報を見に妹の部屋に行ったら、どうやら震源は熊本らしい。マグニチュードは6.5、震度は…最大で7。
ななァ???
それは阪神淡路大震災や東日本大震災レベルの震度ではないか。
九州の真ん中でなにかとてつもないことが起こっていた。しかし、地震学者でさえこの後さらに激しい地震が彼の地を襲うことなど思ってもいなかった。(因みに太宰府市の震度は3。それにしては揺れが大きかった気がするが)
(4月14日の震央分布図)
4月16日、私はなんとなくだるかったので、休み前にも関わらず日の変わる前(15日)からベッドでうたた寝していた。しかし、いきなり揺れ始めたのに驚いて飛び起きた。すると、遅れてスマートフォンの緊急地震速報も鳴り始めた。警報より揺れが早い? ある可能性が頭に浮かんでぞっとしながら、ロフトベッドから急ぎながらも慎重に降りた。揺れも木曜夜より激しい。私はまた猫たちに「大丈夫だからね」と言いながら、万一はこいつらをどうしようか、先ずケージの戸を開けて窓を開けて…。
そうこうする間に地震は治まった。時間を見ると日は変わり16日の1時半近かった。妹はまだ起きていて既にテレビの地震速報を見ていた。
「震源は?」
「また熊本だって」
「え?」
テレビの画面を見ると、既にマグニチュードが表示されていた。
最大震度6強。マグニチュード7。
震度じゃなくて、マグニチュードが7? って、この前よりでかいじゃん。ひょっとしてこっちが本震か? それで最大震度6強って何? 震度計壊れてんじゃないの?(後に最大震度7、マグニチュード7.3に訂正された)
その後、太宰府でも何度か余震が来て、その度に家がミシミシいった。古いのにきっと頑張ってくれているんだなと思った。震度2や3が数度来たくらいで怖くて眠れなかったんで、ひっきりなしに余震に襲われている被災地の人たちはどんなにか恐ろしいかっただろう。不安だっただろう。(16日の震度3以上の地震は実に108回を記録していた! 平均すると約13分に1回震度3以上の揺れが襲ったことになる)
(4月16日の震央分布図。なんかすごい)
今回の熊本地震は奇妙で不気味な地震だ。幸い人的被害は阪神淡路や東日本などの震災には及ばなかったが、インフラや家屋の破壊はそれに匹敵する。ふと、東日本大震災も津波が無かったらあれほどの死者は出なかったのかもしれない、と思った(実際、地震動による直接の建物倒壊や死者は少なかったようだ)。
死者が地震の規模に比べて少なかったのは、やはり耐震基準と地震速報が功を奏したのかもしれない。また、前震があり避難をしていた人が多かったのも理由の一つかもしれない。それにしても28時間の時間差攻撃で震度7が2回もあり、さらに震度1以上の余震が短期間で1000回を超えたというのも今回の地震の特異なところだろう。気象庁が予測不能と白旗を上げたのも頷ける。初期、14日の地震を本震とみて、さらなる強大な地震が来ることを予測できず、そのために避難先から家に戻り被災し亡くなった方が出てしまったが、それで気象庁を責めるのは気の毒だと思う。これを教訓にして、大地震の後は油断せずに辛くてもしばらくは避難生活を続けるよう国や自治体等で指導すべきだろう。火事場泥棒にも腹が立つが、先ず、生きることが大事だと思う。
まだまだ余震が続いており、強い余震が起きる可能性もある熊本・大分の被災地の方々は、まだ不安な日々を過ごしておられることと思う。私は募金や熊本・大分のものを買うくらいしか出来ないが、出来るだけ復興援助に協力したい。
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本震後、2016年4月18日から25日までの一週間の地震分布。九州を二分するように地震が群発しており、現在(5月下旬)も数を減らしてはいるものの依然地震活動は続いている。
熊本地震後、5月に入ってから薩摩半島西方沖でもM3~5レベルの地震が群発しているが、これは同海域で去年(2015年)11月14日早朝に起きたM7の地震の余震ではないかと思われる。
2015年11月西日本の地震分布図。この時、現在群発地震の起きている熊本~大分あたりでM3レベルの地震が数度おきているので、この二つの群発地震に何がしかの関連がある可能性はあるかもしれない。
この海域では2004年12月にも活発な地震活動があった。あるいは2005年3月20日に起きた福岡西方沖地震もこれと関連があるのかもしれない。
また上記リンクサイトによると、このあたりでは1928年と1958年にもM6クラス以上の地震が起きているということなので、もともと地震の多いところなのだろう。
それからもうひとつ去年起きた特徴ある地震について。
深さ60km以下で起きる地震を深発地震という(一般に60m~200mを稍深発地震、それ以下を深発地震)。2015年5月30日に起きた地震がそれだった。マグニチュードは8.1、深さは682km(1900年以降のM8クラスの地震では最深)。
プレート型地震だが震源の深い深発地震だったため、M8クラスではあったが津波は起きなかった。しかし、北は北海道から南は沖縄県まで日本全国で有感地震が観測され、神奈川県二宮町では震度5強の強震を観測。九州でも福岡県柳川市で震度3を観測した。
http://www.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20150530202422.html
発生時刻:2015年5月30日 20時23分頃
震源地:小笠原諸島西方沖
最大震度:震度5強
位置
緯度:北緯 27.9度
経度:東経 140.8度
震源
マグニチュード:M8.5
深さ:約590km
(M8.1,深さ682kmに修正)
参考:深発地震
:深発地震のメカニズム
*+*+*+**+**+*+***++**++**+**+*++*
そもそも、4つのプレートが重なる位置にある日本列島(というか、それで出来た陸地というべきか)なので、何がどう影響し合うかはわからない。これまでもある程度地震の起きる可能性を示しつつも確率が低いと考えられノーマークだったところで大地震が起きている。今回の熊本~大分地震もそうだし、東日本大震災もそうだった。甚大な被害こそ少なかったが(玄海島を除く)2005年の福岡西方沖地震に至っては専門家すら驚いたほどのノーマーク地域だった。
反面、起きると想定されもっとも警戒されている東南海地震は未だ不気味な静けさを保っているし、首都直下型地震も鳴りを潜めており予断は許されない(地球レベルでは100年などは誤差の内だろうから、これらの地震は来る来る詐欺ではないと思う)。
しかし、これらの資料や巷にあふれる情報で素人判断し無駄に恐れるべきではない。とにかく私たちは出来るだけの備えと覚悟を以てこの地震国を生きていかねばならない。
地震国で思い出したが、昔、おフランスはパリにペンパルが出来て、遊びに行ったことがある。
滞在最後の夜に友人たちと日本人経営のヤキトリレストランに行った時のことだ。私は子供向けの日本紹介の絵本を買っていたので、それを友人たちに見せた。良くある、多少事実とは違った紹介がしてある類の本だった。すると、地震の絵を見て彼らが言った。
「日本って、地震でしょっちゅう揺れているんだよね」
「いや、そんなにしょっちゅう地震はないと思うよ。東京はともかく、福岡とかほとんど地震はないから。ですよね?」
と、私は笑いながら言うと、同じ福岡県出身という店員さんに同意を求めた。彼も「ええ、九州は地震が少ないですね」と笑って答えてくれた。まだ阪神淡路大震災の起きる数年前の話だ。
しかし、現在はどうだろう。21世紀に突入してからというもの震度5強を超える大きな地震が日本中あちこちで起きている。特に東日本大震災後にそれが顕著になった。「日本はしょっちゅう地震でグラグラ揺れているんだよね」と言われても、もはや笑って否定できないどころか、「そうなんだよねえ」と言って肩をすくめるしかないようである。
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