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2014年4月17日 (木)

子猫譲渡失敗記

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 【私のこの失敗談が、これから猫の譲渡をされる方のお役に立てれば幸いです。】

 ウチの界隈に住み着いた黒猫が、3回目の出産をした。その数3匹。黒白タキシードタイプ2匹と、黒白の長毛だ。

 彼女はウチを子育ての場所と決めているらしく、出産前から2か月ほど姿を消した後、子猫を引き連れて戻って来る。何度か保護をしようとしたが、失敗し、これで3度目である。この前に2回彼女が産んだ子も、結局ウチが引き取って、2匹里子に出した。しかし、2度目に保護した4匹はFIV陽性のこともあって、里親が現れず、この3匹と親を足すと13匹の大所帯である。今はいいが、もし身体でも壊せば多頭飼い崩壊の危機である。

 2月に入って母猫クロミ(仮名)がまた発情した模様。今保護しないと悪夢を見る!! そう思った私は意を決して彼女を捕まえた。今ならおなかに子供はいないだろうから、避妊する時の胸の痛みも少ない。

 しかし、こいつが曲者で、在住猫どころかかつて生んだ自分の子供にすらフーフー威嚇して、ケージを一緒に出来ない。最初、子供と一緒にしてみたが、あまりに威嚇されて子供たちがしょげてしまった。仕方がないので、また保護した時のソフトケージに入れた。 私の部屋にはケージを4つ置くスペースがもうないのだ(金もない)。

 そして、黒白3匹福ちゃんズは外猫のまま、理由を書いて里親を募集した。
(くるねこ里親にお願いしたら、3連ちゃん でアップしてくださった。感謝!)
 母猫の避妊手術の時、彼女のFIV感染が確定し、福ちゃんズの陽性がほぼ決まり、里親が決まることは難しいと思われたが、可能性に賭けることにしたのだ。

 そんな時、スマホに一つのメールが入った。

(※以下、メールの内容は「」でくくられているもの以外は私が要約したものです)

 メールは、里親掲示板を見てオスの子猫が欲しいという内容だった。何か違和感を持ったのは、件名に用件がすべて書いてあって、本文が空白だったからだった。さらにアドレスもケータイ用で****.love.****@ドメイン(****部には名前)というもので、アドレスのみを見た時は一瞬spamを疑った。しかし、内容はどうやらspamではないようだ。
 それで、具体的なことをメールで質問することにした。希望する猫、姉妹猫も飼うことができるか、大まかな住所、名前(本名)猫飼いの経験と現在のペットの有無、FIVのことは理解しているか。
 返事は割とすぐに来た。住所はフル、本名(女性。以下、仮にAさんとする)、猫飼い経験あり、姉妹猫可、現在猫1匹、FIVについては理解している、以上のような内容だった。今回はちゃんと本文に書いてあったが、これらは句読点も区切りもなく一気に書かれていた。これでは大昔の英文である。しかも、住所は1か所「ヶ」が「ノ」になっているというミスがあった。しかし、日本語に漢字があって本当に良かった。音標文字だけだったら読みにくくてかなわん。
 この時点で、Aさんのものぐさ度を類推するべきだったかもしれない。
 Aさんが住所と名前を教えてくれ、1文字時間違っていたとはいえ住所は存在するようだったので、まず大丈夫だと思い、外の3匹の保護を決行することにした。とりあえず彼らを保護する口実が欲しかったのかもしれない。
 長毛の子以外は割と簡単に捕まった。母にはほとんど慣れていたし、私も何度か撫でることに成功していたからだが、長毛の子は母すら触ることが出来ず雌雄の確認もできない状態だった。それでも、自分だけ取り残されたせいだろう、短毛2匹を捕まえてから数時間後、母が長毛を捕まえてくれた。そこでようやくメスだと判明。3匹はめでたくケージに収まった。
 ケージはすでに満杯だったが、仕方がないので「超法規処置」をとった。
 フサ王子とルー子姫をチー太郎・とらお・銀太の3バカ大将と同じケージに入れ、開いたケージに入れたのだ。FIVリスクもあるが、喧嘩や交尾をしない限り感染のリスクは低いと言うので、穏やかな2匹なら大丈夫だと思ったからだ。それと、ウイルスキットの反応もかなり薄かったので(よっく見ないとわからない程度)、ひょっとしたらという理由もあった。

参考
猫エイズなんて怖くない。
http://love-peace-pray.jp/fiv/index.html
(それでも、出来るだけ一緒のケージに入れっぱなし状態はやめたほうがいいと思います。)

 子猫たちは、驚くほど大人しく、一番プープー言っていた長毛もすぐになついた。もちろんケージから出せばすぐに隠れてしまう可能性はあるが、子猫の方は譲渡しても大丈夫だろうと思った。保護した翌日、かかりつけの太宰府犬猫病院に行って、「外猫の貰い手が見つかったのでやっと保護できました」と伝え、とりあえずノミ取と虫下しを処方してもらった。保護してすぐなので、病院に連れて行って怖がらせるのはまずいかなと思ったからだ。先生も、「本当ですか! 良かったですね」とよろこんでくれた。FIV陽性の確立がバリ高だったので、心配してくれていたのだ。
 
 その後のメールのやりとりで、里親候補者の方も大丈夫だという確信を強め、福ちゃん1号2号の里親はAさんに決定し、とりあえず里親募集から2匹を外した。先方は既に2匹の名前まで決めて(柑橘系の名まえでした)待ってくれていた。若干の不安は残っていたが、譲渡には里親さん宅に向かうし、もし、問題がありそうなら、そのまま譲渡せずにつれて帰ればいいだろう。そう思っていた。私は里親詐欺を重点的に考え、飼い主としての適性を何も考慮していなかった。もっとも、私自身、未だに飼い主としての適性があるかどうか疑わしいのであるが。

3

 そして、譲渡当日を迎えた。
 引き渡しは土曜の夕方6時。その前に、最後の記念撮影をする。これで、福ちゃんズ短毛2匹とフサ毛のきょうだいは、永遠にお別れなのだ。そう思うと心は傷んだが、うちでケージ生活するよりも何倍も幸せになるのだ。許してな、と何度も言った。
 里親さん宅には妹が車で運んでくれた。母も付き添いでついてきてくれた。道路は混んでいたが、なんとか6時前には近くに着くことが出来た。ナビ、有難し。
 しかし、近くには着いたものの、家まではナビも教えてくれないので、電話して場所を聞いたら、走って迎えに来てくれた。Aさんはキャリーバッグの中の福ちゃんズを見てすぐに「かわいい!」と言ってくれた。そして、ここで引き取っていきましょうか、と言ったので、私は焦って「家まで連れて行って譲渡するのが基本ですから、と言って、Aさんのお宅に向かった。母は妹と車に残ったので、譲渡は私一人で行うことになった。
 Aさん宅について、彼女が玄関を開けると、先住猫がお迎えに来たようだった。Aさんは「出たらだめ」と猫をいなして部屋に入った。私も後に続いた。
 部屋に入ってキャリーバックを置いた時、家の中を見て、その荒れように一瞬固まった。私の部屋もけっこう荒れているが、これは想像を絶している。しかし、部屋で人を判断してはいけない、可愛がってくれるならそれが一番と思い直し、とにかく譲渡について話をしなければと誓約書を出そうとした。しかしなんか騒々しいので、ぎょっとして見ると、Aさんがキャリーバッグを持って左右に揺れている。猫がキャリーから出てる? 
「すみません。猫を出そうとしたらパニックになっちゃって…」
うそだろーーーっ!!! 
いきなりやらかしてくれた。猫は念のためにつけていたリードのおかげでなんとかキャリーからは離れていないが、キャリーを挟んで2匹が綱引きをしている状態になっていた。私はとっさに近くにいるオスの福ちゃん2号を捕まえた。しかし、パニックになった彼はいつもの大人しさは微塵もない別ねこになっていて、ひっかくわ噛みつくわと抵抗する。私は手を血だらけにしながらようやく福ちゃん2号(これより「フクオ(=うちで仮につけていた名前)」)をキャリーバッグに戻した。そして、1号(これより「フクミ」)を捕まえようと思ったが時すでに遅し。暴れたせいでリードが外れ、彼女は室内逃走してしまっていた。私は一瞬唖然としたが、こうなった猫は絶対に出てこないし、室内なら大丈夫だろうと気を取り直して、とにかくフクオだけでもと思い「ケージはどこですか?」と聞いた。しかし、ケージはないという。しまった! ケージの用意をしてもらっておくべきだった。と後悔したが仕方がない。当然ケージが用意されているものと思い込んでしまっていたが、考えがあまかった。しかし、フクオまで室内行方不明になると厄介だと思い、ソフトケージを飼いに行くことにした。
 例によって妹がぶつくさ言ったが、Aさんが言った量販店に向かった。まあ、パニクッてたんで、「大通りに出て少し走ったら」という漠然とした場所しか聞いてこなかった私が悪いのだが。
 件の店は思ったより簡単に見つかった。しかし、量販店に着いた私は焦ったあまり足元の車止めに気づかす、つまずいて転倒した。しかも、この前自転車にぶつかった時に痛めた右ひざ下をまた強打してしまった。医者から絶対にぶつけてはいけないと言われていたところだ。私は一瞬血の気が引いたが、なんとか立てたので、大丈夫と言って店に向かった。

 その後、大きめのソフトケージと子猫用猫トイレと寝床を買ってまたAさんの住居に行った。やはりフクミは出てきていない。仕方がないのでフクオだけケージに入れた。その後Aさんに、猫はいったんこうなったら2・3日人前に出てこないこともあるから、焦らないで様子を見るようにと、何があっても外にだけは出さないようにと言い含めると、必ず近況を伝えてくれるようお願いして、譲渡誓約書にサインをもらい、後ろ髪をひかれまくりながらAさん宅を後にした。母と妹を待たせているからだけでなく、とても長居の出来る状態のお宅ではなかったからだ。コートの右そでには、フクオを捕まえた時に怯えた猫が出す臭い汁がついたらしく、香りのよい衣類用除菌消臭剤を買って振り掛けても、洗っても、しばらく臭いままだった。
 この後、私はフクオだけでも連れて帰るべきだったと後悔することになる。

 その日からしばらく、Aさんからの連絡がぱったりと途切れた。私はああいう状態で猫を置いてきたので、気が気ではない。何度も近況報告をしてほしいというメールを送ったが梨の礫(つぶて)。電話にも出ない。これはひょっとして逃げたんじゃなかろうか? ああ、連れて行く前に、譲渡先の様子を見に行くべきだった。せめて前もってケージを用意してもらうようお願いしておくべきだった。私は後悔したが、過ぎたことはどうしようもない。
 心配が募りに募った4日後、ようやくメールが入った。報告の遅れのお詫びと、二匹とも元気だという報告だった。とりあえずホッとしたが、なんとなく引っかかるものを感じて、土曜日に様子を見に行くことにした。

 当日は友人のYさんについてきてもらい、Aさん宅に向かった。今回は車ではなく電車とバスを利用した。
 最寄りのバス停に降りて電話をかけ、再び迎えに来てもらった。バスなので道順が全く違うからだ。ところがAさん宅に向かう途中、Aさんが言った。
「あの、ひょっとしたらフクオ君逃げたかもしれません」
「あら?」
 と、友人が言った。私はやっぱり、と思いながら聞いた。頭がクラクラしていた。
「フクミじゃなくてフクオがですか?」
「あの、ソフトケージを自分で開けたみたいで。気付かずに窓を開けてたのでそこから出たのではないかと?」
「いつ?」
「先週だったかな」
「連れてきたのが先週の土曜ですよ」
「えっと、週初めだったかも」
 答えが曖昧すぎる。私はそれ以上質問する気持ちにならなかった。ソフトケージの出入り口はジッパーなので、隙間があれば猫が開けることは不可能ではない。しかし、だいぶ大きくなったとはいえまだ子猫なのに、それが出来るだろうか? それにしても、あれほど逃がさないでって言ったのに…。落胆を通り越して怒る気にもなれない。

 Aさん宅に行くと、フクミと先住猫さんのウメちゃんを確認した。フクミは怖がって私にすらフーッと威嚇した。こんなことになっているとは思わず、連れて帰る用意をしてなかったので、「1週間経っても慣れないようなら連れて帰りますから」と告げ、帰ることにした。YさんはAさんに逃げた状況などいろいろ質問をしてくれ、落胆する私に帰り道も何度か「1匹だけでも連れて帰る? 引き返してもいいよ」と言ってくれたが、下手に連れて帰った場合の途中逃走が怖くて、それは出来なかった。Yさんは、「きっと居たっていう連絡がくるよ」と何度も慰めてくれた。

 その後…。
 日曜も24時を過ぎ日付が月曜になった2時ごろ、寝る前にメールチェックをすると、Aさんからのメールが届いていた。フクオが居たと言う内容だった。なんとYさんの言ったとおりになった。思わずほっとすると、もう一通。確認すると、先住猫と折り合いがどうしても良くないので、返すと言う内容だった。今週中に来て欲しいという。私は心底ほっとした。これでまた13匹に戻るが、「とんでもないところに里子に出してしまった」という、今の後悔を抱えているよりもずっといい。私はすぐに引き取りOKのメールを入れ、仕事の関係で日にちはわからないけど、必ず今週中には行くのでそれまで頑張ってほしいと伝えた。
 翌日、Yさんにフクオがいたことを知らせた。後で彼女に聞いた話だが、Aさんのところで状況を聞いてなんとなく室内にいるような気がしたということだった。

 しかし、その後、またAさんとの連絡が途絶えた。何度メールをしても返事が来ない。電話も出ない。私はとにかく近況が知りたいので、もしまた逃走していても、万一病気でもいいから正しい状況を伝えてほしいとメールしたが、梨の礫である。私の不安は募り、心配で夜もよく眠れない(一応眠ってたけど)日が続いた。あの家の暗い押入れで2匹が怯えて潜んでいるのではないか、ひょっとして逃げ出して慣れないところで震えているのではないか、まさか、路上や竹林で骸を晒しているのではないか。どうしよう。幸せにするから、大丈夫だからと言って保護したのに。母猫にもそう約束したのに。
 何でメールに返信してくれない? どうして近況を知らせてくれない? 私のイライラと不安は日に日につのっていった。

 なんで、たかが元野良猫のためにこんな辛い思いをせにゃならんのか・・・。私は思ったが、そういう性格なんでしかたがない。一度ウチの敷居を跨いだもん(者)はウチのもんである。

 私は引き取り道具一式を持って会社に行き、連絡さえつけば引き取りに行けるよう準備をしたが、一向に返事は来ない。これは、ひょっとしたらAさんに何かあったのかもしれない。それで、自治会長さんに頼んでみたらどうかと思い、町役場に連絡してみたら、その住所はペット不可の市営住宅なので、その要望にはちょっと添え兼ねるという返事。げっ、これはまずかったかなと思って「すみません、この事はなかったことに」と言って急いで電話を切った。市営住宅であの惨状かよ(何度も書くけど、私の部屋もけっこうひどいがそれ以上なのだ)。

 八方ふさがりになった私は、友人のKちゃんに教えてもらった「博多ねこ」という保護団体に相談しようと思い入会依頼を出した。しかし、入会を待つ余裕のない私は、フライングで博多ねこに相談メールを出した。すると、快くメールの返信が来た。

 内容は労いの言葉と、解決法。しかし、解決法に関しては、取り返すまで地道に現地に通うしかないだろうと言うことだった。あと、やはり訳を話して自治会の人や警察に立ち会ってもらう方法。どちらにしても、犯罪ではないので無理に屋内に入るわけにはいかないだろう。とにもかくにも行くしかない。他には、今後同じ失敗を繰り返さないためのアドヴァイスもしてくださった(これに関しては文末に書くことにする)。

 それで、とうとう返事なしで強行突破することにした。決行は土曜夕方。すでに定番である。今回Yさんは県外に出張中なので、友人のKちゃんについて来てもらうことにした。一人では何かあった時に怖かったし、方向音痴で迷う可能性もあったし、この前にこけた時の足の故障がまだ治らず、右ひざがつけない状況だったからだ(今もつけないが)。妹には状況を見て連絡することにした。タクシーを使うという考えもあった。

 前日にメールで行くことを知らせ、OKなら返信無用とした。おそらくどちらでも返事はないだろうと思ったが、これは自分へのストレス対策でもあった。
 決行の日、不安ながらバスに乗って現地に行く。電話するという手もあったが、もし出なかった時に不安が増すし、電話した時の呼び出し音がソフトバンクのテーマなので原曲のチャイコフスキー作曲:くるみ割り人形より「あし笛の踊り」)に、いやなイメージがつくのも避けたかった(既に例の衣類用消臭剤には嫌なイメージがついてしまった)。どうせ連絡がつこうがつくまいが、現地に向かうのだし。
 バスを降り、道順に若干不安を持ちながら、なんとか見覚えのあつ道を通っていった。近くで電話を入れると、出てくれた。それで、引き取りに来た旨をようやく告げることができた。なんとか最悪の事態は免れそうだ。そんな風にホッとしてたら、目的地を目前とした市営住宅内で迷った。幸い、Kちゃんがいたので、なんとか目的地に着くことが出来た。一人だったらまた迎えに来てもらうところだった。

 それからがまた大変だった。
 押入れの中に潜んでいた2匹は確認したものの、そっと保護しようとしたのにこっちの気持ちも知らず、まず、フクオが飛び出して今まで居た部屋の外に駆け出し屋内のどこかに姿をくらました。屋内から出ていないのを確認してフクミの捕獲に移ったが、またこいつも押入れから飛び出した。部屋の襖を閉めていたので部屋から出ることはなかった、が、部屋の中を逃げ回って本棚や机の裏などに隠れ、確保にかなりの時間がかかった。机の裏に3度目隠れた時に、ようやく捕まえて洗濯ネットに入れ、さらにキャリーバッグに入れた。軍手を忘れたので手が傷だらけだ。
 残るはフクオだが、全然気配がない。Kちゃんが冷蔵庫の方に行ったと主張し、確認させてもらうと、やはり居た。手が届かないので箒の棒の部分で突っついて追い出した。すると、再び例の部屋に逃げ込み押入れに隠れた。そこを隠れ家に決めているらしい。仕方がないので中に入って最初に居た場所を探ったがそこはもぬけの殻だった。それで、Aさんに許可をもらってKちゃんと二人で、押入れの中身を出しながら探したが、姿どころか気配もない。しかし、出て行ってはいない筈なので、必ずどこかにいるはずである。襖が穴だらけとはいえいくらなんでも、押入れの壁や床に穴が開いているわけはないだろう。
 それで、もう一度下段を探すと、ふと壊れかけたキャリーバッグが埋まっているのが目に留まった。ひょっとしたらと思って手を入れると、暖かいものが手に触れた。いた。そのまま襟首を掴んで引っ張り出し、ネットに入れてフクミの待つキャリーバッグへ。2匹無事に保護完了。

 結局タクシーで帰ることにしたが、電話すると来るのに20分くらいかかるという。待つ間にAさんからそこに居た間の子猫たちの様子を聞くと、フクオは人には懐かなかったが先住猫とわりと上手くやっていたらしい。しかし、フクミは猫にも人にもなつかずに、ほとんど姿を見せない状態だったそうだ。
 話してみると、そんな悪い人ではなかったし、猫好きなのも間違いないようだった。

 それにしても、何故、音信不通になっていたのだろうか。その件に関しては聞く気も起らなかったので聞かなかったが、ものぐさのなせる業だったのかもしれない。猫を返してきたのも、いろいろ面倒だと思ったからだろう。しかし、私だって不安がなければあんなにしつこくしなかった。猫を渡して「めでたしめでたし」で終わりたかったよ、ほんと。
 時間が来たので、御礼とお詫びを言い、お暇(いとま)して外でタクシーを待つ。タクシーはさらに10分ほど経ってようやく来た。

Photo

 そんなこんなで何とか連れて帰ることが出来、ほっとした。しかし、結局いくら使ったかわからない。骨折り損のくたびれもうけ。大山鳴動して猫2匹。Aさんにも悪いことをしてしまったと思う。フクオと仲良くなっていたウメちゃんは、寂しがらなかっただろうか? 

 次回、里親希望者が現れたら、ちゃんと先方の環境を確認したうえで、ケージを用意してもらって、ケージに入れるまでは自分の手でやろう。
 今回のケースは里親希望者にちょっと難ありだっただけだったので良かったが、万一里親詐欺だった場合、後悔しても取り返しのつかないことになってしまう。このことは苦いとともに良い経験になったのは間違いない。

 なお、これから犬や猫の里親になろうと思っておられる方にお願いしたい。譲渡後は、保護主さんも里子に出したこの様子が気になるのだから、必ずマメに報告して欲しい。何の連絡もないことほど不安なことはないのだ。

 現在、猫は1匹も減っておらず、なにかと大変である。しかも、3きょうだいとも猫インフルに罹ってしまった。フクオが重症で、せっかく可愛く産んでもらったのが目が炎症をおこして腫れてすごい顔になっている。
 この子らの風邪が治ったら、再度里親探しにトライしてみようと思う。 

追記:親猫クロさんは、なんとか落ち着いて猫に威嚇することはなくなり、今は福ちゃんズと同じケージで暮らしています。猫インフルには野良時代罹っていたのか、移ることなく元気にしています。
 因みに、負傷した膝下には血が3.5㏄ほど溜まっていました。完治にはかなり時間がかかりそうです。

  【参考】
  博多ねこさんからのアドヴァイスより。 

  人暮らしの方には実家の連絡先を教えていただけるかどうか、何かあった時に代わりに猫のお世話をしていただける方がいるか、いるなら面会の時にその方も同席していただけるか確認してください。
 断られたり難色を示す場合は「こちらの趣旨に合わないようなので」と丁寧にお断りしてください。
 借家か持ち家かの確認を最初にし、借家の場合はガス、電気の請求書か領収書のコピーをもらってください。実際にそこで生活しているのかどうかの確認です。
 そしてペット可と書かれている賃貸契約書のコピーも提出していただけるかも確認してください。

 また、持ち家であっても、これまでに猫を飼っていたことがあるか確認し、飼っていた事があるなら、その子が今いない理由も聞いてください。
 先住の猫や犬がいるかどうかも確認して、ワクチンやウイルスチェック、不妊及び去勢が済んでいるかも確認した方が良いと思います。

***************

 最低限、譲渡先の環境の確認と、一人暮らしの方には実家等緊急時の連絡先を聞くことはすべきだと思います。

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 福ちゃんズ再び。

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 風邪ひき3きょうだい。

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コメント

燐さん、年度末の忙しい時に 
大変な思いをされましたね。
残念ですが、今回はご縁が無かったのでしょう。
何も出来ませんが、遠くから
いい飼い主さんが見つかるよう、祈っています。

投稿: MM21 | 2014年4月18日 (金) 22:52

MM21さん
ほんと大変でした。今いる13匹、ずっとうちにいるような気がきてきました。
私がこれから先15年無病息災で失業無しならなんとかなるでしょうけど、若いころに比べて不安要素が多すぎますね。
てか、妹や母が元気な時にストラ来てほしい・・・。

投稿: 黒木 燐 | 2014年4月27日 (日) 11:52

猫に対して何の感情もないので、良く分かりませんが共感したのは一点。駐車場のパーキングブロックで転ぶと危ない。ワタクシは昨年左肩を骨折し、今もきちんと肩をぐるぐる回せません。ていうか、整形外科は昨年末で完治って言ったけど、その後も痛くて困って、そうだ、前に通っていた整骨院に行ってみようと思い、結果オーライでした。
とにかく、もう体が硬くなっているのでくれぐれも気をつけましょう。

投稿: drac-ob | 2014年5月11日 (日) 00:57

drac-obさん
大事な身内を預けた先での安否がわからない状態を想像してください。猫に限らず、動物を飼っている人にとって、彼らは家族、往々にして子供同様なのです。病気になればおろおろするし、死ねば悲しいし、安否不明だと心配になります。
道にあるでっぱりは、パーキングブロックに限らず時にして点字ブロックですら障害物になります。
私も今整骨院通いです。腰が曲がってしまわないよう、注意したいと思います。

投稿: 黒木 燐 | 2014年6月 1日 (日) 02:38

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