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2010年7月24日 (土)

【訃報】村崎百郎 凶刃に倒れる。

作家の村崎百郎さん殺害される 練馬区の自宅で http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100723/crm1007232352036-n1.htm
 2010年7月23日 産経ニュース

 

※ショックで文章がむちゃくちゃですが、ご了承ください。

 信じられないけど、本当らしい。

 記事を見ながら、何度も「うそやろ・・・」とつぶやいた。

 

 彼の著作はまったく読んでいなかったが、毎月アスペクトで連載されていた唐沢俊一さんとの鬼畜対談「社会派くんがゆく!」は、毎回更新を楽しみにしていたし、出版されたものも全部持っている。いま、社会派くんのサイトに行ってみたけど、繋がらなかった。アクセスが殺到しているからか、事件を受けて停止したのかはわからないけど、多分前者だと思う。だって、後者は村崎さんの意にそぐわないと思うから。(重いけど、なんとかアクセスは出来るようです)
 最近は書いていないが、このブログの『放談』シリーズを読んだら、私がいかに彼らの影響を受けたかがわかると思う。

 結果的に犯罪をネタにして飯を食ってたようなものだし、最後に自分がそのネタになってしまった(しかも、ホントにガイキチに殺されてしまうとは!!)のも、半ば覚悟の上だとは思うが、まだまだ生きて「毒電波」を放って欲しかった。

 正直、すごいショックで、何も考えられない状態だけど、これだけは書いておきたい。

 さんさん犯罪をネタにして他人の不幸をネタにして、時に毒ついたりしてたけど、対談の端々から本当は優しい人なんだなという人柄を感じさせられていた。しかも、その実かなりのインテリで読書量も半端ではなく、対談の中にも時折キラリと知性が光ったものだ。
 建前やキレイゴト、上っ面の正義が溢れる現代において、あの対談は貴重なものであったと思う。もちろん時には賛同できない内容もあったが、多くは納得させられるものであった。

 この死を天罰という人が居るかもしれない。
 しかし、私はそうは思わない。

 確かに自分の著作(や自らが作り上げた鬼畜キャラ)が原因で刺されたかもしれない。だけど、やはり、たまたま運悪く殺されてしまった被害者なのだ(そもそも殺害理由が「実践本にだまされた」ということだが、もしそれが殺される理由であるならおそらく年にかなりの数のモノカキが殺れてしまっているだろう)。

 「社会派くんがゆく!」は、本当に貴重な対談だった。しかも、犯罪の記録としても貴重な本だったと思う。今年も年末には本が出て・・・、と、なんの疑いもなかった。来月から読めないと思うと、寂しいし悲しい。

 しかし、あの対談は、村崎百郎と唐沢俊一のコンビ以外は出来ないものだと思う。10年にわたって続いた対談が、突然途切れてしまった。

 これについては、当の村崎さんが一番残念に思っていることだろう。奥さんが不在で、彼女にまで累が及ばなかっただけでも幸いであったが。

 刺された瞬間、今まで自分が語ってきた犯罪の多くが脳裏をよぎったことだろう。はたして、いったいどんな気持ちだったか・・・。

 社会派くんがゆく!で、彼らが言っていたこと。誰でも犯罪被害者になり得るということ、理不尽な死は、誰の元にも訪れうることを、自らが身を以って示す結果になってしまった。

 しかし、やっぱり信じられない。

 まあ、今はあっちに志水さんも居ることだし、他にも彼の尊敬する多くの人が行っているので寂しくはないと思う。

 ひょっとしたら、あっちの世界で自らが殺害された事件をネタにして、語っているかもしれない。

 村崎さん、少なくともあなたの死に、尋常ならないほどショックを受けている人間がここに居ることを忘れないで下さい。

 さらば、鬼畜を装いながら、だれよりも心優しかった人。合掌。

********

 (対談の)相方の唐沢さんがメッセージを書かれています。私の駄文よりはるかに村崎さんの人柄を知ることが出来ると思います。ぜひお読みください。

http://www.tobunken.com/news/index.html

 サブカル界のジョン・レノンかあ。某掲示板でもそういう意見を見かけたけど、確かに似ていると思う。

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コメント

本当に驚いたというか、嫌な時代になったもんだとつくづく思います。昨日メールしたように、このニュースは偶然飛び込んできて、読んだ瞬間「うそやろ」とつぶやいていました。本に書いてあることと、現実に差があることくらいは「常識の範囲」で判断がつきそうなものですが…。

「キチガイに刃物」って言葉は埋もれさせてはいかんなと考える今日この頃です。話は変わりますが、つかこうへいの訃報に対して「バンザイ、在○が死んだ」などと平気で書く連中がそこらにうようよしています。はぁああ。

投稿: drac-ob | 2010年7月24日 (土) 20:18

どうコメをしていいやら、呆れて物が言えない。納得できない。理解できない。

燐さん、自分に言ってる言葉ですが、「世の中、悪い人ばかりじゃないから」。無理にでもそう思わんと、やりきれない。

投稿: GPZ | 2010年7月25日 (日) 15:20

drac-obさん

まさに青天の霹靂でした。
つい10日ほど前にアップされた社会派くんでは、いつもの通りに対談していたのに、まさか、こんな終わり方をするとは・・・!
来月の対談では、金元工作員の来日について、なんと言ってくれるか楽しみにしていたのに。
唐沢さんも流石にこれを続けるのは精神的にも無理でしょうから、相方を変えて続行はないでしょう。この犯罪アーカイブがなくなるのは残念ですが。
 
まさに「基地外に刃物」ですね。
しかし、住所を調べて凶器を買って標的の家まで行って、凶行を犯すという、計画的にやっている殺人。訳のわからんガイキチのいきあたりばったりの事件とは違い、責任能力も十分にあるのではないでしょうか。
なんで犯人が保護されているのかさっぱりわかりません。

ネットには匿名をカンチガイした者や、常識のない者、リアルではある程度常識人でもネットでは何を書いてもいいと思っている人等、魑魅魍魎が闊歩しています。ガチガチに規制するのも問題ですが、ネット内パトロールのような役割も必要ではないかと思います。

投稿: 黒木 燐 | 2010年7月27日 (火) 01:37

GPZさん

理不尽で納得できない。
これが凶悪犯罪で、村崎さんたちはそれについて10年にわたって語らってきました。

第3者として、不謹慎を承知であえて野放図な放談をしてきた、それゆえに因縁めいた死に様と思えてしまいます。
もちろん私はそうは思わないけど、今までネタにされてきた様々な犯罪犠牲者の家族や知人には、やはり、因果応報と思われているかもしれません。
しかし、ファンに惨殺されるなんて、ものすごいドラマチックで小説以上に出来すぎた最後だったとも言えます。

この犯人の責任能力が認められて、しっかりと裁かれることを願ってやみません。
もし、そうでないなら、一生病院から出さないでもらいたい。一度こういう犯罪を犯しているんです。いつかまたやるのは目に見えています。

投稿: 黒木 燐 | 2010年7月27日 (火) 02:18

え〜、後だしじゃんけんなのですがw

私も『社会派くんがゆく!』とか読んでますけど、う〜んまじ困るわ。コメントするのに躊躇します。昨日のサンケイEXの一面とか、もう頭抱える記事でてまして、今の若い子ほんまに頭大丈夫かという阿呆たれぶりですわ。あの原田ウィルス作成して実刑受けるわ、執行猶予中にスパム広告入りのウイルスばらまいて再違逮捕されたという、もう驚くばかりの狂いっぷりでして。こいつ電通大の大学院で何勉強しよるんじゃという阿呆さ加減。

頼むからもうおまえ設備会社でまじめに仕事してねとみんなが思うのに、不景気の折自宅待機させられて…。あきらかに、大学院でプログラミング学んだといいながら、こいつハック•ツールに頼ったスクリプト•キディあがりの仕事してるから、自宅待機させられたのだろうと推察しますわ。

ああ、大多数の若い子が、今この時期に機会伺って地道に雌伏しているのに、おまえほんまに何しよるんじゃといいたいですわ。

あ、飴風呂であそんでますから、どうぞご自由にコメントどうぞ。

投稿: B. H. | 2010年8月 6日 (金) 05:03

B.H.さん

お久しぶりです。
この事件のショックが未だ覚めやらず、自分でも驚いています。
この犯人は真性のキチ○イみたいですが、何度も書きますが、ターゲットの家まで調べて行き着くことが出来て、明確な殺意を持って、凶器まで購入して行ったということは、しっかりとした判断が出来、責任能力があるということにならないのかと。

村崎さんは、体も大きく武道もやってらしたそうですが、不意打ちで腹を刺されてはどうしようもなかったでしょう。何で家の中に入れてしまったのかと悔やまれます。
B.H.さんも古武道をやってらしてガタイも大きいそうですが、それでも気をつけてくださいね。

最近の若い人の非常識さやあほたれぶりは、昔のあほたれとは別種の何か不気味なものがありますね。だいたいの人が(生命維持レベルにおいて)何の不自由もないし衣食住足りてますし、字も読めるし、それなりの教育は受けている。したがって、不自由さのないぬるま湯育ちゆえの脆弱さといったところでしょうか。人間多少不便なくらいがいいってのも、あの対談でよく言ってたことでありました。

とにかく、洒落にならない、に尽きる事件でした。

投稿: 黒木 燐 | 2010年8月 7日 (土) 04:23

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