クロロ、一体なにを食べてたんだ?
クロロは相変わらず食べなくて、とうとう下痢をし始めた。しかもミルクが消化されずに出ている。かかりつけの先生には土曜に診てもらったが、休日の今日も午前中は病院にいるから、何かあったらつれてきてくださいと言ってくださったので、お言葉に甘えて電話して妹と一緒に連れて行った。本当に心強い。
体重が400グラムから350グラムに減っていた。たった2日の間である。しかも、舌の淵が炎症を起こしていて、壊死しかかっていた。どう考えても悪化している。先生も頭を抱えてしまった。
注射をしてもらって、消化を助ける薬をもらって、さて清算という時になって、何となくキャリーバッグを見たら、クロロが座っていた。まあ、それならどうってことはないが何となくドアを開けて様子を見ると、1時間ほど前に飲んだミルクをほとんど吐いていた。吐き始めたらお手上げだと思っていたので愕然としたが、先生からティッシュをもらったので吐いたものを拭った。先生が見せてくださいと言われたので、塊のところを渡した。
「何ですか、これは?」
見るなり先生が言った。確かにミルクしかやっていないのだから、塊がある筈がない。しかも、人工物の青緑にコーティングされた紙の様なものがくっついている。色紙は乗っかっていただけで、その塊と関係あるものかは断定できなかったが、可能性としては、カラー布テープくらいか。最初、ティッシュか脱脂綿と思ったが、先生に否定された。
その白い塊を広げてみると、妙にごわごわした生成りの布だった。一番近いものが、サポーターに使われるような頑丈な布だった。或いは軍手の手首のところの収縮部分。しかも、2cmかける1.5cm程の、けっこう大きなものだった。
「え? 何でしょう? 第一この子のケージの横傍には一切食べたらマズイものは置いてない筈だし・・・」
第一ろくに動くことも出来ず、自分で食べようともしなかったのだから、そもそも考えられない話だった。とは言うものの、実際に吐いたものから出てきたのだから、食べたことには間違いない。
「こんなモノが腸に行ってたら腸閉塞を起こして確実に死んでましたよ」
「ウチにないものだし、ひょっとしてウチに来る前から食べてたのが、今出てきたということは・・・?」
「可能性はありますよ」
そう言われたので、一応ウチのケージの周囲と拾い主の弟の部屋を捜索して、ひょっとして食べたものの本体が残っていたら残りを見て、まだおなかに残っているかを確認することにした。それで見つからなければ、拾う前から食べていたことになる。最も、それがわかったところでどうにかなることではないが。
しかし、病院で吐いてよかった。ひょっとして家だったらそこまで確認せずに、吐いたものを片付けただけで終わってしまったかもしれない。妙なものは食べるはずないと思っていたし、ぱっと見た目はミルクの塊にしか見えなかったのだ。
結果はやはり、家も弟のところもシロだった。
可愛そうに、捨てられた後、放浪した挙句あまりのひもじさに、目の前にあった何かを食べてしまったのだろう。たった生後ひと月の子猫だ。餌を得る術など持とう筈がない。それを思うとあまりにも不憫で泣けてきた。だいたいコイツは、ミルクは自力で飲めないくせに、敷いた布を母猫と想定して布をくわえて両手をもみもみしながらおっぱいを飲むしぐさをしょっちゅうしている。それだけで不憫だと思っていたが、こうなると、超弩級の不憫さである。あのまま野垂れ死にしないで、弟に拾われて良かったと思う。あまりにもかわいそう過ぎるじゃないか。
しかし、10日は経っているが、何とか異物が出てきてくれて良かったとおもう。もうお腹に残ってないことを祈るばかりだ。
いずれにしろ、クロロは今、かなり状態がよくない。なんとか頑張って生きて欲しいと思う。
生きることが、救いの手を差し伸べてくれた人たちへの恩返しなんだよ、クロロ。
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コメント
ウワ~ン!!クロロ、死なないでえ!!
投稿: | 2009年7月21日 (火) 13:39
えっ?
クロロちゃん
そんなものまで食べなきゃならない状況だったと考えただけで・・もう 涙腺崩壊・・・
クロロちゃん がんばれ!!!
エールを送ります!!
<<<<<<<<<
投稿: mimi | 2009年7月21日 (火) 18:51
クロロちゃん、頑張ろう!
我が家で保護した子猫も、ガリガリにやせて、何でも食べようとしていました。一ヶ月たってようやっと落ち着き体重も増えましたが、推定月齢にくらべると、とっても小さい体です。
何とか生き延びたけど大きくなれなかったらしいとお医者様が・・・このままあまり大きな体にはなれないようです。
今は先住のお姉ちゃん猫たちに遊んでもらって、元気一杯!甘やかされてお姫様状態!物音一つにもおびえて、ケージの隅っこで震えていた面影はありません。
クロロちゃんも、早く元気になって遊ぼうね。
投稿: Lin | 2009年7月21日 (火) 23:59
名無しさん
クロロは頑張ってますよ。
万一のことがないように、祈っていてくださいね。
投稿: 黒木 燐 | 2009年7月23日 (木) 01:32
mimiさん
応援ありがとうございます。
私も、それを考えたらもう、可愛そうでたまりません。
ただ、弟が言うには、クロロがいた辺りは何もないところで、クロロのお腹から出てきたようなものもなかったそうです。ひょっとして、虐待されてたんじゃないかと心配しておりました。
もし、そうだとしたら、まだおなかの中に異物が入っている可能性があります。そうではないことを祈るばかりです。
投稿: 黒木 燐 | 2009年7月23日 (木) 01:43
Linさん、こんばんは。
同じ名前ですね。
応援ありがとうございます。
クロロも食欲さえ出れば、何とか乗り切るんじゃないかと思います。
からだは小さいままでもいいし、顔も今のまま怖いままでいいから、なんとか生き延びて欲しいと思います。
投稿: 黒木 燐 | 2009年7月23日 (木) 02:29