学校の怪異(残暑に怪談はいかが?その2)
前話「社宅の怪異」に引き続き第2弾をお楽しみください。
小・中と特に「学校の怪談」とやらのない学校にいたが、高校になると少し違った。
それは、その学校にデザイン科があり、写真の授業があったため、本格的な暗室があったからかも知れない。ときたま、そこに出るらしい。もちろんユウレイが。
私はそこで見たことはない。それどころか、鼻をつままれても犯人のわからないくらいの真の闇で、手探り作業しかできないフィルム現像室で、たった一人で作業してもたいして怖くない(もちろん、いらんことは考えないようにしていたが)くらいなにも感じなかった。
ここで少し脱線するが、簡易フィルム現像器を買って家でもフィルム現像くらいはしていた。流石にプリントする設備にまで手は回らなかったが。で、その現像器は、フィルムを装填するまでは暗いところでしなければならないかった。それで、部屋の電気を消した上で、押入れに潜り込み、念のため布団をかぶっての作業だった。もちろん怖いことは頭から排除した。フィルムを現像器に巻き付けセットすれば、あとは明るいところで作業できる。今は写真屋に持って行けばカラー写真が現像・プリントまで30分くらいで出来る。いい時代になったもんである。因みに私がやっていたのはモノクロ写真である。
私は高校の頃は写真部に入っていた。だから、簡易フィルム現像器を持っていたのだが、そこの部長が、一人で写真を焼きつけしている時、何回か部屋の隅に人が座っていたことがあるそうだ。写真室は、人が出入りしたらすぐにわかるのだが、そういう物音もせずに人が座っていていつの間にかいなくなる。特に悪さをする様子もなかったので、知らん顔をしていたということだ。豪傑である。
その高校は偏差値はけっして高くないが、のびのびと出来て、生徒と先生も仲がよく良い学校だったので、母が惚れこみ、妹もそこに行くことになった。妹は私以上にのびのびとした3年間を過ごしたようだ。未だに一生で一番楽しかった場所だと言っている。
で、妹が写真の授業をしていた時も一回、暗室にいた連中が血相を変えて飛び出してきたらしい。「○○さんが、誰かに足をつかまれた!」と青い顔をして言っている。暗室といっても印画紙焼付けのほうだから、赤い安全灯がついていて、誰かがいたずらしようとしたらすぐにわかる。ただでさえ暗くて怖い暗室なので、軽い集団ヒステリーかも知れないが、やっぱり誰か「住人」がいたのかも知れない。私だったらあんな現像液くさいところには住みたくないが。
その高校で怖かったのは写真室よりもトイレだった。当時まだぼっとんトイレで(因みに中学は水洗だった。立地的に水洗に出来ない状況だったらしい)、かなり臭い。一階であろうが3階であろうがぼっとんトイレだった。また、ぼっとんトイレ特有の陰気臭さも漂っていた。その上、何を考えてそうしたのか、ドアが真っ黒だったのだ。それも光沢のある黒なので、はっきりではないがなんとなく自分の姿や背景が映るのだ。自分以外のモノが映りそうで、あまり見ないようにしていた。また、そのせいかトイレ自体が薄暗く、雰囲気からとても怖かった。
とはいえ、特に怪談話があったわけではない。ただ、トイレに閉じ込められた女生徒はいるらしい。鍵もかかってないのに開かなくなり大騒ぎになったそうだ。しばらくしたらドアは自然に開き、生徒は無事に出れたそうだ。
それからこれは直接学校であった話ではなく、妹の修学旅行の宿泊先であった、妹の部屋グループの人たちが遭遇した怖い体験だ。妹はちゃっかり他の部屋に出張していて免れたのだが、自分の部屋あたりが騒がしいので見に行ったら、女子生徒が数人襖戸の出入り口に完全充填していた。完全充填とは、例えばペットボトルに入れた乾燥スパゲティを逆さにして出そうとすると、ぎしっと口に麺が詰まって出なくなる、あの状態である。どうやら集団で我先に逃げようとして詰まったらしい。担任がびっくりして駆けつけたが、その姿に唖然として言った。「おまえら、何しとうとや?」
話を聞くと、みんなで雑談(ゲームだったかもしれない)していとき、窓の外に小さい光がふわふわと漂っていたらしい。ソレは時々窓ガラスにぶつかりながら飛んでいる。時は11月。ホタルの出る時期ではない。ソレを窓のほうを向いていた人たちが目撃した。「何あれ?」みんなでいっせいに窓のほうを見る。一人がぎゃあと叫んで部屋を飛び出そうとし、その様子に驚いた残りの生徒もいっせいに出口に駆け出した。で、例の惨状が出来上がったわけである。何とか落着かせて部屋に戻されたのだが、真っ先に逃げた生徒が言ったそうだ。
「声が聞こえたっちゃん。『入れて~、入れてよ~・・・」って。」
で、部屋を変えてもらってなんとかその場を凌いだが、妹は仲居さんの独り言を聞き逃さなかった。「あそこは、もう出ない筈なんですがねえ・・・。」
出てたのかよ!
大学では、これまた特に怖いウワサは聞かなかった。前も言ったように、私は二回生まで「怪奇現象研究会」なるサークルに所属していた。そこが特に学内を調査しなかったことでもわかる。ただ、学生寮であるT寮のトイレに鏡がないのは有名だった。死んだ学生の姿が映るからというのがもっぱらのウワサではあったが、ひょっとしたら、酔っ払った学生が割ってまわるせいかもしれない。
最後に、卒業アルバムで心霊写真ではないかと話題になった写真をUPして終わろう。
ボーリング部の卒業アルバム用集合写真である。場所は見ての通りボーリング場。
これは、謎の女性のいる場所が不自然とはいえ、あまりにもはっきり写っている。実際そこに従業員の女性がいてたまたま写ってしまったのか、ポスターが貼ってあったのか、たまたま何かが女性の顔に見えるのか、それともホンモノなのかは、読者の皆さんの判断にお任せする。
写真はクリックで拡大、プライバシー保護のため顔にぼかしをいれています。
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コメント
今日は無事、昼間に読むことができました。ホッ・・。(^^)
でもこの写真、見た瞬間ゾクッとしましたね~。非常口の前
なので、従業員の可能性もあるけど、カメラ目線だし・・。
なんとなく大きさが不自然に感じます。
ポスターだとしたら、等身大以上の巨大ポスターになるので、
その線はなさそうですね。あ~、怖・・。
そう言えば、私の通った学校も学生寮には鏡がなかったなぁ。
ウチではお下げの女の子が鏡に映ると言われてました。多分
作り話ですが。
それから、ウチの学校の写真部は心霊写真の撮影に成功して
文化祭で展示していましたが、学校側が即座に展示をやめる
よう圧力をかけ、展示を断念したという逸話があります。
投稿: wanwanmaru | 2006年8月27日 (日) 16:12
wanwanmaruさん
気持ち悪いですね、あの写真は。
もし心霊写真でなくても気持ち悪いです。
実はこの写真をUPした後、PCが妙な音を出したので、PCに取り込んだ写真はすぐに破棄しました。ヘタレです。ま、偶然なんだろうけど。
ポスターにしては確かに不自然で、妙に立体的です。一番考えられることは、やはり従業員のおねえさんがうっかり写っちゃったってところですね。
しかし、この人、位置的にレーンに立ってる感じですね。まあ、従業員ならレーンの中にいても不自然じゃないですが。それに確かにカメラ目線です。また、卒業写真ですから素人ではなくプロのカメラマン(たとえそこらの写真屋のオヤジでも、プロはプロ)が撮っているはずです。無関係の人が入ってたら、注意してどいてもらうはずですよね。
では、何かが顔のように見えるのか・・・。
すみません。どう見ても女性の顔にしか見えません...orz。
てか、夜中にこんな写真をまじまじと見ちゃったよ(汗)。
>そう言えば、私の通った学校も学生寮には鏡がなかったなぁ。
学生寮のトイレには鏡を設置しないというのがデフォなんでしょうか(笑)。
>それから、ウチの学校の写真部は心霊写真の撮影に成功して
文化祭で展示していましたが、
え~~~、すごいですね。
でも何で学校側は無理やり展示をやめさせたんでしょうか。
ひょっとしてその「心霊写真」には、学校側の恐ろしい秘密が写っていたとか。
投稿: 黒木 燐 | 2006年8月28日 (月) 00:04