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2007年8月27日 (月)

サマーソニック07+インストア・ライヴ

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 ※ほとんど文字ばっかりですが、しばし、お付き合いを・・・。(報告者:R.I.B)

2007年8月11日 東京編

 万全を期して前日から東京入りしていた私は、ホテルをチェックアウトすると東京駅で荷物を預け、京葉線改札口に向かった。そこでYukaさんと合流し、一気に海浜幕張駅まで行った。駅を出ると、明らかにサマーソニック会場に向かう人たちが大勢いた。それで、迷うことなく会場に向かう。
 駅の出口から、あちこちでダフ屋たちが「チケットあるよ。余ったチケットは買うよ」と道行く人に声をかけ、券を買いそびれた人たちは『チケット売ってください』と書いた紙を高々と上げている。それを尻目に、炎天下の道を黙々と会場まで歩いた。しかし、なんて暑いのだろう。夏の薄い青空に浮かぶように点々と立ち並んだ無機質な高いビルが、時折日光を反射してますます暑苦しい。

 ようやく目的地の幕張メッセにたどり着き、入場許可のリストバンドを左手首に巻いてもらい晴れて会場入りした。メッセの通路部分は冷房もさして効いておらず、外よりはマシな程度。会場はさすがに若い人たちが多く、その中で自分が浮いているように思えた。気を取り直して、さっそく我等がストラングラーズの出演する「ソニックステージ」に向かおうとするが、なにぶん始めての場所で、もらった会場案内図を見てもさっぱりわからない。さらに両手と頭部以外はきっちり黒に身を包んでいる私は、すでにすっかり全身茹で上がり、思考力はほぼ喪失、結果、会場までの道筋を全面的にYukaさんに頼ると言う体たらくであった。
 各ステージに向かう階段を下りていく。かなり暗い。降りたところはまだステージではなく休憩所のようなところで、屋台のような出店がたくさん出ており、良く見ると休憩したり座り込んで食事をしている人たちが大勢いる。彼らを避けながらそこを通過し、いったん屋外に出てようやく「ソニックステージ」の位置を確認した。そこで私達は、1時にステージの前方で待ち合わせをすることにしていったん別行動をすることにした。私はこのままだと限界なので炎天下に並んでスポーツ飲料と念のため水を買う。「500円です」と売り子さんがのたまった。ななな・なんですと~~~!!! 500mlの水が1本250円となァ!? ここは砂漠か? ぼったくりやがるぜ。
 気を取り直して「ソニックステージ」の建物内に入ると、かなり涼しくて心地よい。そのせいだろう、サマソニ終日参加組があちこちでごろごろ寝転がっている。待ち合わせまでまだ時間はあるが、ステージの前方へ行ってみる。暗いので、転がった大量の人間を踏まないように気をつけて歩かねばならなかった。ステージに近づくと、まだ前のバンドである「ホラーズ」の演奏準備段階だったが、客はすでにひと塊を作りつつあった。舞台はまだ暗くむしろ客席の方が明るく照らされている。私は最初舞台の右手側に立っていたが、しばらくしてJJの立ち位置に近い左手に移動した。そうこうしていると、Yukaさんの姿が見えた。手を振ったらこちらに気がついた。彼女と一緒に男性が歩いている。無事連絡が取れたらしい。
「中年パンクさんですよ」
Yukaさんが紹介してくれた。掲示板等ではお馴染みだが、リアルでは初対面だ。
「始めまして~」と二人ともなんだか照れくさそうにご挨拶。と、ホラーズの演奏が始まり、客は曲に合わせて上下にはね始めた。それにあわせて床が上下に揺れる。まさか、床は抜けまいと思うが・・・。
 彼らの曲は聴くのは初めてだが、ヴォーカルの声質と曲調はバウハウスを彷彿とさせた。それ以上に、ステージを走り回る細身のヴォーカルを見ていると、なんだかポールを思い出して懐かしく思われた。元気でやっているかな? 件のヴォーカルだが、マイクスタンドを振り回したり、左手のスピーカーだか何だかに上ったり、着ていたシャツを振り回したりと大活躍していたが、演奏最後には客席まで入り込み、客たちに神輿のように担がれながら歌っていた。当然、ファン達は大喜び。いいねえ、若いねえ。
 大盛り上がりでホラーズの演奏は終わった。演奏時間はきっちりと決められているので、アンコールも何もなし。すっぱりと気持ちよく終わった。それと同時に客の移動が始まった。私達もそれに合わせてステージ前方を目指して突進する。すると、私のすぐ傍を小さい女の子が「ユカ~ッ!」と叫びながら走り抜け、Yukaさんに飛びついた。その後ろを小柄な女性が追ってくる。通称「イタリアの奥さん」とその娘さんだった。イタリアツアーの時、一度Yukaさんと会ったことのあるお嬢さんはYukaさんにとても懐いているが、中年パンクさんと私は彼女らとは初対面である。それで、再び初対面の挨拶をした後彼女らとも合流し、ひたすらステージ中心やや左手最前線を目指した。さすがに最前列を取っている人たちはなかなかその「かぶりつき」から離れない。我々は前から2番目にとりあえず落ち着くことにした。今回は最前列で見るのは無理かな? そう思っていたら1人分空いたので、「イタリアのお嬢さん」をそのスペースに入れた。思いもよらず、目前にハーフの可愛い少女が現れ、観客監視係のお兄さん達の顔がちょっと和んだのを、私は見逃さなかった。あ、もう1人忘れてはならない人がいた。本国イギリスから駆けつけてくれたファンのロブさんだ。ちょうど仕事で日本に来るのにうまく重なったということだが、なかなか1万5千円という大枚をはたいてまで、1バンドのライブを見るなんて出来ないことだ。第一無理しなくても、イギリスではストラングラーズのライヴはけっこう頻繁に行われているのだから。
 さて、というわけで、私たちSISは、ステージ前方やや左寄りにこじんまりと固まって、演奏が始まるのをひたすら待った。

 体格のいいクルーのオッサン達が現れ、演奏準備が始まった。幾人か見たことのある顔があった。ドラムセットが運ばれてきた。ジェットのドラムだ。この春突然倒れてしばらく静養中だったジェットだが、無事来日は出来たようだ。だが、この猛暑の日本で演奏は出来るのだろうか。心配していると、なんとジェットがクルーに紛れてステージに登場した。彼はしばらく自分のドラムセットに座っていた。なにか気になることでもあるのだろうか。観客もジェットに気づいたらしく、あちこちで彼の名を呼ぶ声がした。しばらくすると、いつの間にかジェットはいなくなっていた。あれれと思っていたらふっと会場の灯りが消え、ステージをライトが照らした。始まった! 彼らのステージを見るのは11年ぶりだ。ああ、やっと、やっと・・・。

Thestranglersss07_071s_2 1曲目は、最初の一音で曲名がわかった。その後に聞きなれたベースのフレーズが流れ、会場に歓声が上がった。『5ミニッツ』だ! JJは、まったく変っていない。ジェットは髪が白くなってディヴは髪が無くなり、両名とも以前よりもさらに太ってしまったが、演奏はまったく衰えていない。そして、今回初めて見るバズのプレイにも、まったくの違和感が無い。彼はもう何十年もバンドにいたんじゃないかと錯覚するくらい溶け込んでいた。想像以上に観客の受けも良かったが、最前列にいるのでどれくらいの観客が集まっているのかさっぱりわからない。せめて、さっきのホラーズくらいいればいいのだけれども(ロブさんによれば、それくらいの観客はいたようだ)。しかし、前方に集中しているのは、間違いなくコアなファンだ。”Five minutes and you're almost there, Five minutes and you're almost dead”のところで確かにみんなが合唱していた。私は泣きそうになってしまった。
 次の曲は、いきなり新譜からの曲『スペクター・オヴ・ラヴ』だ。位置的にディヴの炎のキーボードの音が良好に聞こえ難かったのは残念だが、やはりこの曲は良い。続いて『ストレイトゥン・アウト』『ナイスン・スリージー』とおなじみの曲が続いた。JJはもうノリノリで、いつものウロウロやハイジャンプや蹴りを入れながら元気にベースを弾いている。しっかし相変わらずすごいジャンプ力だ。よく考えたらとっくに50歳過ぎてんだぜ? バズも楽しそうに歌いながらガスガスとギターを弾いている。Baz_2 ごつくてスキンヘッドの一見強面だが、時折すごく可愛い表情をする。そして新譜からの『アンブロークン』。このヴォーカルはJJとバズが分業しているが、やっぱりライブで聴いても実にいい。特に間奏の盛り上がりは、ストラングラーズを知らない人を惹き付けるには充分だと思う。JJは時折観客に向けて簡単な日本語を話した。何せ、のっけから「ワタシタチハthe stranglersデス! ゲンキデスカ?!」と言ったのだから、面食らった人も多いだろう。日本でプレイできるのが嬉しくてしかたがないのだ。「アツイね!」「アリガト!」「押忍!」と、まあ後はこういう簡単な言葉だったが、「アツイね!」は、今回の来日での一番の印象だろう。それでもこの国の言葉を話してくれるのは、ファンとしては嬉しいものだ。そして『ピーチズ』!!! おお、これをやってくれるか! ヒュー脱退後ヴォーカルを担当していたポールは長い間この曲を「ヒューの歌うべきもの」として封印していた。最近(ポールが辞める少し前くらい)解禁されたようだが、このサマーソニックでやってくれるとは嬉しい。まったく例年に増してクソ暑い今年の夏にピッタリの曲だ。この曲の少し前から、「イタリアのお嬢さん」が私に最前列を譲ってくれた。私が10年以上ストラングラーズのライヴを見ていないということで、気を利かせてくれたのだ。子どもから最前列を奪うような気がして気が引けたが、ありがたく移動させていただいた。それで、彼らの演奏をつぶさに見ることが出来たのだが、この「ピーチズ」の終盤でヴォーカル(バズ)が”mmmmm!”とハミングと言うかうなるところでの腰の動きがやたらとエロかった。そして、私の大好きな『オールウエィズ・ザ・サン』。前曲までとは雰囲気がちがうが、これもストラングラーズのライヴでは定番になっている名曲だ。イギリス本国では大合唱となるのだが、さすがにここで歌っているのは少数だろう。そして、'82年に大ヒットした『ゴールデンブラウン』。これThestranglersss07_120s またライヴの定番だが「パンク」とは180度雰囲気の違うワルツ曲だ。後半のギターソロを終えた後、バズがちょっとおどけて「どんなもんだい」というポーズをした。次はいきなり閑話休題といった感じで、全アルバム中でも特に過激な新譜の『サムマット・アウタナウト』。歌うは齢50を過ぎてますます元気なJJ師範である。『ロンドン・レディ』は一緒に歌えるが、これは早すぎてとても無理だ。 そして軽快なテンポの『ダッチェス』と続く。これも比較的最近ライヴで演奏復活した曲だ。『ダッチェス』が終わるといきなり照明が暗くなった。一瞬これで終わったのかとドキドキしたが、それは照明の色が赤く変化したからだった。そして始まったのが『リレントレス』、新譜のトリを勤めた曲で、ストラングラーズ楽曲の集大成ともいえる名曲だ。これは絶対にライヴで聴きたかったので心の中でガッツポーズをした。次の演奏はJJの定番ヴォーカル曲である『ロンドン・レディ』。『ピーチズ』と同様にファーストアルバムからの曲である。次回は是非、同じ路線で「マダム・スシ」という歌を作って欲しいものだという冗談は置いといて、これはアップテンポの実に愉快な曲だ。そして、ついに最後の曲であろう『ノーモア・ヒーローズ』。ベーーーーン!というベースでもうファンには何の曲かわかり、歓声が上がる。そして曲が始まると共に、後ろから人が突進してきたらしく、体が前の柵にドンと押し付けられた。そして大合唱が始まった。やはりストラングラーズと言えば『ノーモア・ヒーローズ』なのだ。そして、この歌こそ、今の世界情勢にピッタリの歌であり、あのカウボーイ好きなアメリカの愚かな指導者に突きつけてやりたい曲ナンバーワンである。大合唱のうちにとうとうストラングラーズのライブは終わった。やはりわずか50分では短すぎる。しかし、最後まで演奏したものの、人に支えられて退場したジェットの体調を考えれば、ちょうどよい時間だったかも知れないとも思った。

 演奏がすっぱりと終わったため、速やかに次のバンド目当ての人たちと交代する。せっかくだからとソニックステージの後方に行き、ロブさんを囲んで記念撮影をする。その後、私たちは階段を上り、冷房のあまり効いていない通路の椅子に腰掛けてしばし休んだ。みんな興奮まだ冷めやらずという感じだった。しばらく雑談した後、解散、私はしばらく会場に残ったが、翌日の会場である大阪に新幹線で移動するため、飛行機で移動するYukaさんとも分かれ一人東京駅に向かった。
 海浜幕張駅までの道すがら、リストバンド目当てのダフ屋に何度も声をかけられた。せからしい(うるさい)ので外して隠そう思ったが外れない。で、むかついた私はリストバンドをブチ切ってしまった。せっかくの記念なのに・・・。
 ようやく東京駅に着いたが、京葉線から新幹線口の八重洲側に行くまでがまた10分以上歩かねばならない。途中荷物を忘れずにロッカーから出し、疲れてよろよろしながら目的地までひたすら歩いた。そして窓口で指定席を取り、ようやく新幹線に乗り込んだ。
 大阪駅に着くと、ホテルのある難波まで地下鉄で行き、フロントに電話をかけ場所を聞く。地下鉄よりもJRで行ったほうが近かったことに気づき、がっくり。怪しい場所をうろつきながら、ようやくホテルに到着。いかにも安ホテルという感じだが、一泊約5000円なので文句は言えない。カギを貰って部屋の前にいく。これでやっとシャワーを浴びてゆっくり休める、と、思ったらカギが開かない。カギがきっちり差し込めず回らないのだ。カギと部屋の番号を良く確認するが、間違っていない。単にドアがボロイだけだ。「カンベンしてくれ~」とつぶやきながら、数分間格闘してようやく室内に入った。クーラーをつけ、ブーツを脱いでほっとしてベッドに寝転がると、そのまま意識を失った。

◆サマーソニック07 公式ページ ライブ写真→東京編

2007年8月12日 大阪編

 さて、今日は大阪会場である。昨日の東京会場でだいたい要領はわかったので大阪は楽勝だなと思ってたが、とんでもなく甘かった。
 今日は、SIS JapanのIさんと一緒である。今日は彼女のところへお泊りするのだ♪ 桜島駅で下車するまでは順調だったが、それからが大変だった。まず、駅が小さすぎてロッカーがない。仕方がないので大荷物のままシャトルバスを目指す。その前に、昨日馬鹿高い水を買わされたので、駅で飲み物を買って行くことにした。
 普通、シャトルバスが出るっていったら、駅のすぐそばか、せいぜい2・3分歩くところにあるって思うよね。ところがサマーソニックに向かう人の列に加わり、延々と行進させられる。この炎天下に、大行列でこれがまたちょっと歩くと止まり、また歩いて止まりの繰り返し。暑さでどれくらい時間がかかったか全く覚えていないが、相当長い間をかけて歩いたのは確かだ。で、ようやくシャトルバス乗り場が見えてきた・・・。うそだろう・・・・・・。乗り場は道路の向こうにあり、あの止ったり歩いたりは横断歩道を渡るためだったのだが、乗り場の駐車場にさらにまた大量の人間がひしめいているのが見えた。バスは途切れることなく何台も来ているが、人の多さに履けきれないでいるのだ。さらに強烈な暑さで乾燥した地面から時折大量の土埃が舞っている・・・。ようやくその駐車場にたどり着いたら、順番待ちの行列がまるで小腸のようにくねくねと出来上がっていた。ここは本当に日本か? 昨日の東京会場が、せいぜい5~10分歩く程度だったことを考えると雲泥の差であった。
 例によって水とスポーツ飲料を1本ずつ買っていてよかった。それがなければ間違いなく熱中症で倒れていただろう。死ぬ思いでようやくバスに乗る。冷房が効いていて地獄から天国の気分である。そして、やっとこさ会場に着くが、この段階ですでに半分体力を消費してしまった。

 新たに12日用のリストバンドをつけて会場へ。荷物を預けるのにまたあちこち駆け回り、ようやくソニックステージの通路でYukaさん・「イタリアの奥さん」(今日は1人)と合流した。SIS組は今日は4人である。Yukaさんが「ストラングラーズのTシャツを着て、ずいぶんと気合いの入った男の人がいたよ」と、面白そうに言った。他の3人も興味津々だったが、そいつが実はちょっぴり困ったちゃんだったことに後で気がつくことになる。

 前のバンド「ホラーズ」の演奏時間になったので、ソニックステージまで降りていく。要領は昨日と一緒でいいだろうということで人垣の外で待っていると、例の「気合の入った」兄さんが我々の横を通り過ぎてさっさと人垣に入り込んでいった。私たちは全員彼に気がついて目で少し追跡したが、まだ群れの中に入るのは早いと思い場所は動かなかった。ホラーズの最終曲だが、今回ヴォーカルは観客の中に入らずステージ前方にガムテープを張り巡らす意味不明のパフォーマンスを始めた。ひょっとしたら昨日厳重注意をされたのかもしれないが、歌詞を知っていれば納得のいくパフォーマンスなのかもしれない。しかし、前のバンドがホラーズで良かった。バウハウスが好きなので、曲をすんなり受け入れられて退屈しなかったからだ。
 ホラーズの演奏が終わるちょっと前からじわじわと前方に進み、終わると足早に中央やや左より最前列を目指して突き進んだ。しかし、最前列は動く様子はない。ふと右側を見ると、例の兄さん(とはいえ、多分3・40代)がしっかりと最前列を押さえていた。彼の傍には彼を「アニキ」と呼ぶ「弟分」が数人、いっしょに子どものようにはしゃいでいた。きっとこの「アニキ」はものすごいストラングラーズのファンなのだろう。このようなテンションの高い団体が傍にいることに一抹の不安を感じたが、反面、こんなに盛り上がったファンがいることが予想外で、ちょっと嬉しかった。
 演奏を待っている間に、ストラングラーズの後に演奏する「インターポール」目当てで最前列にいた女性たちが、「インターポールの時にちゃんと交代してくれるなら」ということで、最前列を譲ってくれた。彼女らを抱きしめてキスしたいくらい(あくまでも例えです)嬉しかった。こういう見ず知らずの人との交流も、こういうイベントならではのことだろう。これで私たちSISは晴れて全員が最前列でストラングラーズのライヴを見ることが出来たのだった。(譲ってくれたお姉さんたち、改めて感謝をいたします。ほんとうにありがとう)

Thestranglersss07_154s_2 そして、客席のライトダウンと共に、ステージが明るくなりバンドのメンバーが登場した。横の「アニキ」たちものっけからハイテンションで跳ね回っている。野郎ってのはいつまで経ってもガキなのかね。早速監視役の眼光鋭く体格のいいお兄さんが彼をピンポイントでマークしていた。 
 曲目はもちろん昨日と同じ。そのせいか、昨日より少し時間が短く感じられた。
 1曲目の『5ミニッツ』が始まった。隣の「アニキ」たちのテンションが今までの最高値になった。前の柵を掴みはね回る「アニキ」。ポゴダンスというより動物園のお猿さんを連想し、やはり人間も霊長類なんだなと改めて納得した。でもまあ、こういう盛り上げ役の人はきっと居たほうがいいんだろう。彼はイギリス本国でライヴを見ているような雰囲気にしてくれた。あっちには必ずいるんだ。こういう風にトランス状態になりやすいファンが。それにしても、時折激しく柵を揺さぶられ、ライヴに集中できなくなるのには閉口した。
 JJは今日も日本語でご挨拶。演奏の合間にタオルで汗を拭きながら、横を向いて「アリガト!」と言ってしまったのはご愛敬。ひょっとして「あついネ!」を言い間違えたのかも知れない。その後JJは、演奏の合間にそのタオルをカメラマンのお兄さんの頭とカメラにかぶせていた。JJはイタズラっ子っぽい顔で嬉しそうだったが、お兄さん迷惑やっただろうな。オヤジの汗まみれタオルなんか出来たら被りたくなかっただろう。ファンだったら凄く嬉しいことだろうけど。
 しかし、昨日で少しバテたのか、ちょっぴり演奏が荒れる時があった。『ナイスン・スリージィ』他数曲で、若干のミスがあった。ほとんどが、曲を聞き込んでいないと判らない程度だったけれど、ちょっともったいなかった。しかしそれ以外は文句なしの演奏で、たった50分間しかないのが本当に残念だった。しかし、本当になれない酷暑の中をよく熱演してくれた。JJやバズから何度も汗がしたたり落ちるのが見えたもの。ジェットもディヴも、楽器や基材でよく見えない場所にいるけど相当汗をかいているだろう。ジェットはちゃんと水分を補給しているだろうか。
Thestranglersss07_157s 曲はどんどん進んだ。昨日は明日もあるという思いがあったが、今日が終わると後はいつ彼等のライヴを見れるかどうかわからない。1曲1曲を噛みしめながら聴いていたい。聴いていたいのに・・・こら、クソアニキ! 無駄に柵を揺らすんじゃねーよ! 気が散るだろーが!!
 歌えるところはとにかく一緒に歌った歌った。楽しかった。
 と、また照明が暗くなって『リレントレス』が始まった。昨日は斜め後ろにいたから伝えられなかったけど、今日は横に並んでいるYukaさんに、(やったね!)と親指を立てて合図を送ると彼女も(うんやったね!)と親指を立てる。彼女もこの曲は絶対にやるべきだと言っていたのだ。アルバム収録曲もいいけど、ライヴもすごく良い。
 『ロンドンレディ』そして、ついに最後の1曲『ノーモア・ヒーローズ』に突入した。またまた大合唱。と、私の右側に若干の衝撃が・・・件の暴走アニキが興奮して、弾みで隣の「イタリアの奥さん」に激しくぶつかったらしい。彼はとうとう監視のお兄さんから注意されてしまった。ご苦労様。あなたのおかげで盛り上がったヨ。

「ドモ、アリガト!!」
熱い演奏を残して彼らはステージから去っていった。こちらこそ、来てくれてありがとう、すばらしい演奏をありがとう、ザ・ストラングラーズ! 必ずまた来いよ~~~! 待っているからね!!!

 彼らの演奏が終わって帰ろうとステージに背を向けると、席を代わってくれたお姉さん達が待っていた。再度丁寧にお礼を言って場所を交代。ほんとうにありがとう。おかげで一番前で見ることが出来ました。

 その後、みんなと別れ私とIさんは少し会場に残った。しかし、頭の中がストラングラーズモードになっているので、どうも他のバンドを見ても気が向かない。名残惜しいが結局、会場を後にすることにした。

 会場の外に出ると、またリストバンド目当てに声をかけてくる連中が数人。今日は「あのォ、そのリストバンド・・・」と言い終わるまでにソッコーで「ダメ!」と断った。それから、シャトルバスに乗って朝大行列だった駅よりの駐車場で降りる。そこは、朝の混み具合が想像できないほど閑散としていた。それから朝来た道を逆に歩いたが。だいぶ日も傾いていたし人も少ないので、歩くことは歩いたが思ったより短時間で駅にたどりついた。それからJRを乗り継ぎ、Iさん宅に向かった。

 祭りは終わった・・・。車窓から夕空を見ながらしみじみと思った。

 ◆サマーソニック07 公式ページ ライブ写真→大阪編(こっちの方が写真が多いです)

■演奏曲目■
5 Minutes, Spectre Of Love, Nice'n Sleazy, Straighten Out, Unbroken, Peaches, Always The Sun, Golden Brown, Summat Outanawt, Duchess, Relentless, London Lady, No More Heroes

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2007年8月13日 タワーレコード新宿店 JJインストアライヴ

 さて、今日は夜7時からJJのインストアライヴである。祭りの後夜祭みたいなものであろうか。

 Iさんが仕事なので、一緒に出ることにする。駅まで送ってもらい、彼女と別れて一人東京に向かう。ホテルのチェックインは3時からなので、1時ごろ着いた私はホテルに荷物だけを預けて時間つぶしに出かけた。この炎天下に出かけるのもどうかと思うが、特にどこも観光していないので1箇所くらいは行って見ようと思ったのだ。それで少しでも涼しいかなと上野公園に向かった。確かに公園の木陰は若干涼しかったので、上野公園を選んだのは正解だと思う。弁天池まで行って帰るとちょうどよい時間にホテルに戻ることが出来た。

 ホテルでしばらく休んで、夕方、ライヴ会場のタワーレコードを目指して新宿駅へ。地下鉄線で向かったが、電話で場所を聞くと、JR東南口方面だという。東南口というと、去年待ち合わせをした場所である。しかし、お上りさんである私に地理感はない。JR新宿駅にはたどり着いたが、それからどう行っていいのかさっぱりわからず、人に聞きまくってやっとタワーレコードまでたどり着いた。
 予定より大幅に遅れて会場に着くと、思ったより人が並んでいた。私も行列に加わって並ぶ。係りの人が「整理券100番以降の方はこちらにお並びください」と言っているのを聴いて、百人以上は集まっているようだと一安心。さすがに年齢層は高いが、意外と若い人も並んでいたのでびっくり。
 時間が来て、整理券番号の若い順から呼ばれ、ライヴのある一角に並ばされた。私は70番台だったので中ほどよりさらに後ろだったが、背が低いのでほとんど前が見えない。まあ、小さい利点を生かして前にもぐりこめないこともなかったが、どれだけ人が集まるか、またお客さんの反応も見たかったので良しとした。周りを見回すと、後ろの方にARBのキースさんが居られた。見ようと思えば前の方に行けただろうに、本当に謙虚な方だ。Yukaさんは、仕事でこっちにはこれないらしい。一緒に見たかったので残念だがしかたがない。
 まもなく会場(と言ってもタワーレコードの一角だったが)は、「Suite XVI」を買って整理券を持って集まった人でいっぱいになった。その後整理券無しで集まった人が「入場」を許され後方にならんだ。整理券を持った人だけで100人を越えていたので、予想以上に人が集まったようだ。最初、新たにCDを買ってまで人が集まるのだろうかと心配したが、杞憂であった。

 そして、ほぼ予定通りの7時にトークライヴが始まった。司会はブライアン・バートンルイスさん。日本語がかなり達者なかたで、話の進行も盛り上げ方も上手い。良い方に司会をしていただいたとほっとする。トークの内容は、メモを取っていなかったので万全ではないが、いくつか書いてみよう。

 後ろの大きいモニターに、かつてのパンク時代の映像が流れており、ちょうどJJの演奏している場面でブライアンから感想を聞かれて、「細いね~」。で、会場がまず爆笑。確かに昔はかなりスリムだった。ただし、昨今の日本のアイドルみたいに細いだけじゃなく、必要な筋肉はしっかりついていたぞ。話はジェットの体調にも及んだ。JJ曰く、ライヴの度に毎回ジェットの生死を賭けているんだという。「今回は暑い中の演奏だったので期待したけど、彼は無事に完奏してしまった」と言う。イギリスらしいブラックジョークだが(JJはフランス人だが)、反面、バンドのメンバーの腹蔵のなさが良くわかるエピソードだ。逆を言えば、それだけジェットの体調に気を遣っているということだもんね。もちろん会場は大笑いだ。あと、順番は良く覚えていないけど、クラッシュのポール・シムノンと大喧嘩した話やかつてマスコミから総スカンを食らったいた話等、昔からのファンには馴染み深い話や、新譜の「Suite XVI」の意味についてのような公式サイトの読者にはお馴染みの話がけっこうあった。ファンからの質問にもいくつか答えていた。「女性に関して今はどうだ?」という質問には「お母さんが大好きだよ!」と答えた。これも古いファンには堪えられない回答だ(3rdアルバム「ブラックアンドホワイト」の中の「Threatened」という曲で”Bring me a piece of my mummy, She was quite close to me”という近親相姦を連想させる歌詞がある)。彼によれば、いつまでも母親を大好き(Love)でいられるからこそ、、他の女性に対してもいつまでも優しく接することが出来るということらしい。「どの曲が一番好きか」という質問に対しては「どんなに子どもがいても、その中で誰が一番好きかと決められるものではないので、ノーコメントとさせてください」と答えていた。「『I Hate You』で歌っているのは誰のことか」という質問に対して、今までのインタビューでははっきりと明言しなかった人物名を公言した。やはり、ジョージ・W・ブッシュと彼の「プードル」についてのことだった。JJは大義なきイラク戦争に関して、かなり怒りを持っていた。さらに自分の住む国がそれに最も関与していることに怒りと悲しみを持っていた。さらに彼は日本がその戦争に深く関与していることについても憂えていた。日本が派遣している自衛隊は人殺しこそしていないが、日本人は自分の国が人殺しの手伝いをしているということは自覚するべきであると、言葉は荒げていないがかつてない真面目な顔をしてかなり手厳しく言った。確かに日本はイギリスの次にイラク戦争に「貢献」している。イギリスで政権が替われば下手すればお鉢が全部こっちに回って来るだろう。しかし、未だに日本ではイラクへの自衛隊派遣は正しかったと考える人が多数を占めているのが現実である。
 そして、もうひとつ特筆すべきは、「空手で好きな型を教えてください」という質問に対して、型を実演してくれたことだ。もっとも私の位置からはまったく見えず、呼吸の音しか聞こえなかった。同じものは多分1992年に参加したコンヴェンションで拝見していると思うが、あれからもっと完成された形になっているだろう。これに関しては非常に残念だった。
 そして、待望のソロライヴが始まった。ここでも、演奏する曲に関してたっぷりと説明をしてくださった。話が面白いので長くても飽きが来ない。「曲を作るに当たって、他の曲からインスピレーションを受けたり、フレーズをちょっとパクッたりすることは多分誰でもあることだけど・・・、この曲ははっきり言って盗作です」と、いきなりJJは言い始めた。「これは150年前の曲を盗作して作ったものです」。これで何の曲かすぐにわかった。確かにあれは盗作かも知れないが、原曲と同じくらい良い出来だと思うので、オマージュと言っても十分通用すると思うが、はっきり盗作と言ってしまうのが、あっけらかんとしてJJらしい。これは、もともと『フレッド アンド ジョージ』という曲で、ショパンと作家のジョルジュ・サンドのために作ったもので、ストラングラーズとしては甘すぎて使えず、やむなくボツにしていた。しかし、アニメの「巌窟王」のサントラを依頼された時、曲調や雰囲気が内容にピッタリだったので、それ用に練り直したのが『We Were Lovers』という曲であるということだ(これも このインタビューで語ってくれたので、未読の方は読んでね)。『フレッド&ジョージ(ジョルジュ)』と男同士みたいなタイトルだけど、それは当時のフランスはかなり保守的で女性が小説なんて書けなかった。だからサンドは男性名をペン・ネームにしていたんだよ、という豆知識つきだった。
 日本の気温と湿気で上手くチューニングが出来ないんだ、とか言いながらギターの調整に若干手間取りながら、演奏が始まった。おお、この曲が生で聴けるとは思わなかったよ~~~と感涙しかけたら、途中で演奏が途切れた。失敗したらしい。これもご愛嬌ということで、気を取り直して失敗したあたりから演奏続行。私も目をつぶって曲に集中する。サビの部分はやはり感動もので、さっき止まった涙がまた復活してきた。いや、名曲だ。アコースティックギターの弾き語りでもジーンとする。ショパンとJJ・バーネルのコラボだね。これなら天国のショパンも許してくれるよと、勝手に納得する。(因みに素材の曲は、日本では「別れの曲」というタイトルで有名なピアノ曲だ)
「1曲だけのつもりだったけど、もう1曲やってくれるということです!」ブライアンが言った。
「これは、昔ストラングラーズのファンだった少年について歌った曲なんだ。彼は僕たちがまだ有名でなかった頃からのファンだった。彼はもともと友達の一人だった。どんなバンドも最初は友達がファンになってくれるものだからね。しかし、彼は僕たちが有名になるにつれ、僕らがフィンチェリー・ボーイズ(当時、ストラングラーズの信奉者が集まって出来た少年たちの集団)と親しくなっていくのを快く思わなかった。そして、ある夜、酔っ払った彼はとうとう彼らに喧嘩を吹っかけてしまったんだ。結果、彼は当然ボコボコにされたんだけど、それにショックを受けた彼は、その夜、テムズ川に投身自殺してしまった・・・。これは明るい曲調だけど、実はこういう悲しい歌なんだよ」
『ディゲナム・ディヴ』・・・! まさか、これこそまさかアコギのJJソロライブで聴けるとは夢にも思わなかった曲だった。彼はストラングラーズのディヴ・グリーンフィルドと区別するためにディゲナム・ディヴと呼ばれていた。彼は読書家で、サドからマルクスまで読みこなしていた。彼は黒人で、上の前歯を2本失っていたが、屈託のない笑みを浮かべた彼の写真は見たことがある。歯のせいか写真ではそんなに若いとは思えなかった。彼はほんとうにストラングラーズが好きだったんだろう。自分らがもっと気をつけていたら、彼を死なせることはなかっただろうと、きっとJJもずいぶん悲しみ苦しんだに違いない。しかし、JJはその悲しみを昇華させてこの歌を作った。そしてそれは、彼の死から30余年経った今もこうして演奏されている。彼は歌の中に今も生きている。
 JJはこの曲を切々として歌った。明るい曲調が余計に悲しい。途中で客席から手拍子が聞こえ始めた。それは自然な流れなのか、JJが指示したのかは私の位置からは判らなかった。最後のキーボードで演奏される部分をJJは口笛で奏したが、これがまた哀愁があってよかった。もう、この2曲が聴けただけで、大阪から東京にまた引き返し1泊予定を延ばした価値があると思った。
 大盛況のうちに、インストア・ライブが終わった。あとはCDを買った人へのサイン会だ。またまた階段まで埋める列がずらりと出来た。わたしも「イタリアの奥さん」とともに列に加わる。彼女はライヴを前列で見れたらしい。JJが一人ひとりに話しかけながらサインをしていた。さすがに100人以上は疲れただろう。私の前にいた男性が一所懸命JJに話していたのが微笑ましかった。私の番になった。さすがに私の名前は覚えてくれていたので、名前を提示せずにサインをもらえた。Iさんからメッセージカードを預かっていたのも無事に渡すことが出来た。その後振り返ると、会場の後方にYukaさんが立っていた。いつの間にかこっちに来ていたらしい。彼女と少し話してから、さすがに疲れたのでホテルに撤収することにした。

Samasonizenya002s_2  ・・・終わった――――――。

 これで、ほんとうに祭りが終わった。明日は福岡に帰るだけだ。振り返ると今日まで怒涛の4日間だったが、実に有意義で凝縮された4日間だった。

 疲れてホテルに帰ると9時を過ぎていた。コンビニで買った簡単な夕食を食べ、少し休息し、ようやくホテルにある温泉に浸かった。これで4日間の疲れが落ちているのかさっぱり判らないが、気持ちは良い。

 床に就くと、今までのことが色々頭に浮かんだ。楽しかったな。やっぱストラングラーズは演奏している時が一番カッコイイや。また来てくれたらいいな・・・。そう思いながら、私はいつしか深い眠りに落ちていた。(了)

                         (文責:R.I.B,内容補填:Yuka Takahashi)

 

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コメント

ご応募ありがとうございました。
サマーソニック特集に掲載させていただきました。
http://hmc.nifty.com/ss07/

投稿: 大泉 繁 | 2007年8月27日 (月) 19時06分

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