Rat Chat #4
Rat Chat 第4弾です。今年(2021年)1月26日公開分です。いつも遅くなってすみません(管理人)
今回はファンからの質問は含まず、Daveに関する彼らの話をじっと聞きましょう、ということです。
Rat Chatは聞き取れない箇所もあり、その度に何度も聞き直して訳していますが、今回ばかりは耳で聞くもので良かったと思いました。目で読む文字だったら、きっとかすんで読めなくてなかなか進まなかったでしょう。今回、ポイントとなる箇所でOwenさん(ストラングラーズオフィシャルを運営されてます)に助けてもらいました。Thanks Owen for your help! x
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Bazのいる所は1週間ぶりの晴れ、JJのいる所は前日からずっと雨でひどい天気。木々や草花にはいい、ということで、JJのいるあたりはフランス内でも第二に森林が多い地方。JJは少し前にロゼと共にサラダを食べたとのこと。Bazはコーヒーを飲んでいて、この後でスーパーマーケット買い物に行く予定。
春のツアーは正式に延期となり、みんなには申し訳ないと思っている。この間ずっと、4月にできるチャンスはほとんどなかったは思うけど、とにかくまだ安全ではない、ということ。
Baz: 本当に会いたいよ、実際に会って抱きしめたいし一緒にワイン飲みたい。生身で最後に会ってからもう1年近くなるし、Daveに会ってからも1年ということだよ。最近よく彼のことを考えているんだ。
JJ: それは多分、このところDaveの曲の作業をしているからだよ。ところで、あのギターは素晴らしいよ。
Baz: おお、ありがとう。ヴォーカルもいいよ。
JJ: ヴォーカルはここフランスで録音して送ったけど、Louieからもう少し指示等をもらいたかった。もちろん彼はそこにはいなかったし、やっぱり同じ部屋でバンドメンバーと一緒に意見を交わすのとは違う。でもその割には美しい曲に仕上げることができたと思う。
Baz: 今こうして書斎に座っていても、どこにでもDaveがいる。今取り掛かっている新曲は別としてこれまでの曲はどうしても聞くことができなかった。聞くのが辛すぎるんだ。音楽を聞くことをやめたとしても毎日Daveが聞こえるしどこにいても彼の姿が目に浮かぶ。君と比べると半分の期間しか彼と一緒にはいなかったけど、この20年の間、彼は本当に多くの面で俺に影響を与えた。(JJ:ニッコリ)彼がいなくて本当に寂しい。心底会いたいと思う。
JJ: Daveは特別だった。(Bazも飲んだコーヒーを吹き出しそうになりながら笑う)いや、実にスペシャルだったよ。初めて会った時を覚えているけど、まだChiddingfoldに住んでいた時でそこの廊下だった、俺はキーボードを買うために銀行担当者にお金を貸してもらえることを説得したところだった。そこにDaveが入ってきて、彼はプラットフォーム底の靴を履いて短い丈のスウェードのジャケットを着てた、そして、バッグを持ってた! 彼は口髭を生やしていて、当時はそれをセミプロ髭と呼んでた。とにかく、速足で入ってきた彼に、確かドアーズの曲を渡したんだ。そうしたらまるでその曲を知っていたかのようにキーボードで弾いたよ。くわえタバコでね、パッと弾いたんだ。(JJ、口をあんぐり)みんな仰天したよ。
彼は“エキセントリック”と表現されたね。“イングリッシュエキセントリック“だ(JJ、思い出し笑いがとまらずタメイキ)。アルバム「10」をレコーディングしていた時だったけど、うちに小さいスタジオがあったので多くの曲はうちで収録した。16トラックをオープンリールで準備して24トラックにトランスファーして、デジタルでマスタリングした。
皆でスタジオにいたんだけど、あの時のエンジニアはOwen Morris、彼はその後オアシスと仕事をするためにマンチェスターに行く前に、俺のもとで1年間仕事をしてた。彼と俺はコンソール傍にいてDaveは後方のアームチェアに座ってた。俺は気になって何度も振り返ったけどDaveはそこで鎖帷子(※)を編んでたんだ[※普通の編み物は静かだけど、音がうるさかったのだろう]。俺は彼に“Dave、それやめてくれないか? 俺たち集中したいんだけど。”と言った。でも彼はチラッとこっちを見たものの、そのまま続けた。だから彼に再度話をしたんだけど彼は部屋を出て行こうとした。俺は彼の胸ぐらを掴んでガレージのドアに押しつけて吊り上げ、“俺たちはここでアルバム制作をすべきなんだよ、なのにお前は鎖帷子を編んでるだけだ!”と言ったね。
Baz: 俺が覚えてるのは、なぜかわからないけど先日このことを考えてた。バーミンガムのギグからの帰りにみんなで車に乗ってて、当時はまだ結婚してなかった俺の妻もいたりしてギュウギュウ詰めだった。で、なぜかサッカーの話になってオフサイドについて話してた。覚えてる?
Daveはもう結構飲んでて前の助手席に座ってた。例の飛行用ジャケットを着て、その襟から出た小さな頭がユラユラしてたよ。みんな彼がサッカーなんかに全く興味ないのは知ってたけど、俺たちもギグの後で酔ってて後ろでいい気分で盛り上がって言い合ってた。そうしたらDaveが突如くるっと振り返って……、(Baz笑って話せない)とにかく俺は大爆笑したよ、そしてホテルの部屋に戻ったら、まだどこかにあると思うけど、紙に大きな字で書いた、「Dave Greenfieldがオフサイドのルールを説明」って。Daveは突如振り返ったと思ったらこういうふうに(Daveの真似をする)オフサイドのルールを完璧に説明したんだよ、覚えてる?(JJ、爆笑しながら“うん。”)もう~、他にもたくさんあるけど、あれは耐えられないほどおかしかった。
JJ: The Ravenに収録されているGenetixを聞いて何人かに言われたよ、当時はまだレコーディングにシーケンサーを使うなんてなかったよね、って。俺は、“何のシーケンサーのこと?”ってね。(Bazは「違う」というように首を横に振る。これを言った人は、Daveが実際に弾いているのではなくてシーケンサーを使ったと思っていたので、JJには何のことはわからなかった) 当時GloucestershireにあったJetの家でリハーサルをやってたのを覚えてる。Daveはひとりきりで2日間必要だと言って、その2日であの曲で彼が弾く音を一音残らずすべて覚えた。いったいどれだけの量か知りたいし……、きっとどこかのオタクが数えてると思うけど、彼が弾くパートを完璧に覚えてきたんだ(弾くまね)。とてつもなく長いものなのに、ひとっつも間違うことなくすべて覚えてきた。そして、彼は一度覚えたらもう完璧に頭の中にロックされて忘れないんだ。
Baz:俺がバンドに入ってあの曲をやったときも覚えてる、すごくタイトだけどDaveは後ろに立って平然と弾いてた。(弾くまね)
Baz: 俺たちそれぞれ思いのある時間があった。でも……、最後に皆で会った時間がとても良いものだったと思えるのが幸せだ。ヤツがいなくて寂しくて、会いたく会いたくて仕方ない。でも、彼は俺たちにこれからも続けてほしいと思ってるよ、そうだろ? そうだよ、絶対そうだと俺にはわかる。現実は現実だ、Daveに神のご加護を。Dave、どこにいようとも元気でいると思ってるよ。
JJ: 45年来の同僚であり愛する友を突然失うことはかなり辛い(辛い、という言葉が震え何度か言い直し無理におちゃらける)。でも、大切なことは、彼はレガシーを残したということ。素晴らしい音楽も残したし……、ごめん、ちょっと鼻をかまないと……、(乗り出してティッシュをとる)彼は多くの偉大なミュージシャンを、そして彼を師とする人々もインスパイアした。そして彼を尊敬する弟子のひとり(※)を、彼のポジションで演奏するために俺たちは選んだ。[※名前は出していないが、Daveの後任でしょう]
Baz: 彼はまぎれもないレジェンド、伝説だ。人はよく、“あんたはレジェンドだよ”とか簡単に言うけれど、そんなのとは違う。Daveは正真正銘のレジェンド。そして、この話はこれで終わりにしよう。
Baz: じゃあこれからマスクを着けて消毒剤とみかんと、あと何を買うんだっけな、ポテトか……、他にもいくつか買い物リストにあるね。
JJ: 料理始めたの?
Baz: うん、料理はするよ。これまでもキッチンに入ったことは何度もあるけどコリン(奥さん)が任せてくれない。[*最後よく聞こえません。]
JJ: 嘘くさいな。そうだ、料理の本を一冊買ってあげるよ、だからきちんとレシピ通りにパーフェクトに料理して、ある日彼女が仕事を終えて戻ってきたらテーブルにディナーが並んでいる、と。そして、それをやったからと言って北の男らしさが弱くなる、というわけじゃないぞ。
Baz: わかってる、わかってる!そういうことをやるという話は常にしてる。
JJ: ほら、いつも話してるだけだろ!
Baz: キッチンには50-60冊の料理本があるよ、でも彼女はグルテンフリーのヴィーガンだ。実際俺は先週彼女に言ったよ、この本の中からなんでもいいから一つ選んだら俺が材料をすべて揃えて作るよ、って。本当にやるよ。ハハハ―!
JJ&Baz: じゃあ気をつけて、また近いうちにね!
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