4.翻弄 (3)潔癖の棲家
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春野の不安とイライラが募った頃、葛西が管理会社の人と共に走ってきた。春野が思わず叫んだ。
「あっ、葛西さん! 早く、はやく!!」
「遅くなりました! 金子さん、急いでカギを!」
葛西がせかすまでもなく、管理会社の金子智也(ともや)はカギを手にしていた。
「開けました!」
金子の声と共に葛西と春野が室内に駆けこんだ。玄関口で少し遅れて駆けつけた九木(ここのぎ)の野次馬を制する声がした。先ほど春野が甲斐を呼ぶ声で出てきていた両隣の住人まで部屋に入ろうとしていたからだ。
「お隣さんが気になるのは判るが、ここからは私たちの仕事だ。管理会社への連絡等のご協力を感謝する」
九木に言われて、右隣の住人の女性が少し誇らしげな、左隣の青年は少し不満げな表情をした。次に九木は金子の方を見て言った。
「金子さんも我々が呼ぶまで待機していてください」
「はい」
金子は素直に答えた。こちらは心なしかほっとしたような表情をしていた。嫌なものを見る可能性を考えたからだろう。九木が甲斐の部屋のドアに姿を消した後、3人は一様に心配そうな表情で戸口の前に立っていた。
甲斐の部屋は1Kで、玄関を開けるとすぐに少し広めのキッチンがあり、その先の部屋はしっかりとドアが閉まっていた。キッチン側には窓がないため薄暗く、棚の上に置いてある固定電話の留守録アリの赤いランプの点滅が目を引いた。
春野はすぐに玄関わきのスイッチを押して灯りをつけ、キッチンを駆け抜け甲斐の部屋に駆けこんだ。
「いず美ちゃん!」
部屋には窓際にベッドがあり、窓のカーテンもきっちりと引いてありこちらもかなり暗かった。
「いず美ちゃん、起きて!」
春野がベッドに走った。葛西が部屋の灯りをつけ中に入る。淡いピンクと水色が基調の、若い女性らしく可愛い部屋だ。しかしベッドは綺麗に整えられたままで、甲斐の姿はなかった。
「いないわ! まさか……」
「看護師さん、こっちだ、風呂場だ!」
九木の声だ。春野が血相を変えて葛西の横をすり抜けバスルームに駆けこんだ。バスタブから赤色の混じった湯が溢れて流れており、九木が甲斐を抱え立ち上がった。甲斐の左手首をしっかりと握っている。葛西がベッドから毛布を抱えてきてバスルーム近くに敷くと、九木が甲斐を寝かせた。半袖ショートパンツのルームウェアが濡れてペパーミントグリーンの生地がほぼ体半分薄赤く染まっていた。肌や下着が透けて見えて葛西は目のやり場に困った。
「代わります」
春野が甲斐のそばに座った。
「よかった、息してる。いず美ちゃん、しっかりして! 今応急処置をするからね。刑事さん、救急車をお願いします」
すでに九木が電話を耳にしていた。
「傷がかなり深いわ。おそらく出血性ショックを起こしています。一刻を争います!」
「わかった。急ぐよう伝える」
九木が救急に電話をしていると、固定電話のベルが鳴った。葛西がすぐに受話器を取った。電話口からおずおずとした声がした。
「か、甲斐さん?」
「由利子さん、僕です、葛西です。似た名前ですが」
「葛西君! 着いたのね! 甲斐さんは?」
「バスルームで手首を切っていました。出血性ショックを起こしているみたいで、今春野さんが応急処置をしています」
と言いながら葛西は甲斐の様子を見た。春野は甲委が冷えないよう毛布を掛けているところだった。葛西は二重にほっとした。
「救急車は?」
「九木さんが電話しています」
葛西はそう言いながら九木を見ると、九木が左手でサムアップして見せた。
「あ、すぐ来るみたいです」
「よかった!」
「でも、まだ予断は許されません。出血性ショックは多臓器不全を起し命にかかわります。ああ、救急車のサイレンが聞こえてきました。甲斐さんが搬送されたら、僕たちはいったん着替えに戻ってから捜査を開始します」
「着替え?」
「はい。九木さんが甲斐さんを抱き上げた時に服が汚れてしまって……。僕もズボンの裾とか少し……」
「うわぁ(ひょっとして血まみれ?)、大変だったんだね」
「まあ、仕事ですから。ではまた!」
「わかった。くれぐれも気を付けてね」
「はい!」
葛西は電話を切ると、再び甲斐の許へ向かった。
由利子は受話器を置くと、机に突っ伏して「はああ」とため息をついた。
「ユリコ、どうなりました?」
ギルフォードがすぐに尋ねた。紗弥も心配そうな表情で見ている。由利子は電話の内容を一気に説明した。
「そうですか。間に合いましたか。でも、一刻も早く病院に連れて行って輸血をしなければ」
「大丈夫ですわ。春野さんも一緒ですもの」
「そうよね。大丈夫だよね」
由利子は自分に言い聞かせるように言った。
「しかし、これでかなり確信が持てました」
「何の?」
「この病院は以前から敵にマークされていたんです。しかも、巧妙に」
「そんな……」
ギルフォードは唇に人差し指を当てると、声のトーンを落として言った。
「ここまでやれるとなると、上層部で敵に通じている者がいる可能性があります」
「最悪じゃん」
「じゃあ、まだ何か仕掛けられているということですの?」
と、由利子も紗弥も併せて声を潜める。
「そうでないことを祈ります」
「冗談じゃないよ。それでなくても病院内に微妙な空気が流れているのに、これ以上何かあったら……」
「ええ、スタッフの信頼関係に深刻な亀裂が入りかねません。ここは感染を抑えるための砦です。それだけは避けなければなりません」
「じゃあ、甲斐さんは……」
「今の状態での復帰は無理でしょう。何より彼女の精神的ダメージは計り知れません。彼女には静養が必要です」
「優秀な看護師さんだったのに、あんまりだ」
由利子はそういうと唇をかんだ。
「幸いというのも何ですが、入院でここから距離を置くことになるでしょうから静養になるのではないでしょうか」
ギルフォードは気休めともとれる展望を言ったが、すぐにそれが楽観であることを思い知った。甲斐が感対センターの方に搬送されてきたからだ。
驚いたギルフォードはストレッチャーについて走っている春野に駆け寄った。
「どうしたのです? ここより近くにもっと大きい病院があったでしょう?」
「ええ。最初は受け入れOKだったんです。それが、ここの看護師だと告げたとたんに受け入れられないと……」
春野は悔しさで涙目になっていた。
「受け入れ拒否ということですか?」
「急患で空き部屋がなくなったということですが、明らかに不自然です。感染を恐れたとしか……」
「そんなバカな!」
「すみません、一刻を争いますので!」
甲斐を乗せたストレッチャーと共に、春野はERのほうに行ってしまった。ギルフォードはその後姿を呆然として見つめていた。
甲斐が自殺未遂をしたということ、しかも甲斐が一般の病院から受け入れ拒否をされたらしいことは、スタッフたちを動揺させるに十分だった。自分らが急病や大けがをした時も同様の仕打ちを受ける可能性があるからだ。高柳はスタッフの動揺や不安を和らげるために皆を集めて説明をする必要に迫られた。
すでに一部の看護師たちが、あからざまに不平を口にし始めていた。
「そんなじゃあたしたち、怪我や病気もできないじゃない、ねえ」
甲斐と同年代の女性看護師が言った。
「まったくだぜ」
と、少し年上の男性看護師が同調する。彼らは甲斐と同じ日に配属され、甲斐の「末期患者安楽死」事件までは仲が良かった連中だ。河部千夏の件で少し関係が回復したものの、なにかしっくりとしないものを感じていた。それが、今回のことでまた甲斐への不信感が頭をもたげていた。休憩中についつい愚痴が出る。 そこに、新人の女性看護師が便乗して言った。
「それにしても、ほんっとうに迷惑なことする人ですよね、甲斐さんって」
「まったくやね。きれいごと並べてたけど、結局、そそのかされて人工呼吸器切ったんじゃん」
「しかも、そそのかしたのは自爆犯だって? ほんとは甲斐さんも自爆犯の仲間だったんじゃねぇの?」
看護師長の小林澄子がそれを聞きつけ注意しようと彼らの許に向かおうとしたが、その前に、丁度通りかかった高柳敏江医師が彼らをたしなめた。
「あなたたち、疑ったり非難したりするまえに、甲斐さんが意識を回復することを祈るべきでしょう。同僚が危険な状態にいるのよ」
「だって、それって自分が勝手に……」
「あなたが甲斐さんの立場だったらどんな気持ちになるか考えたことある? だれだって瀕死の患者を目の当たりにしたら気持ちが迷うこともあるでしょう? 私にだってあれは辛かったもの、患者さんに付きっ切りになる看護師ならなおさらだと思う。そんな気持ちを利用されたのよ。覚悟を決めてやったことが実は陥れられていたってわかったら、誰だって耐えられないと思わない?」
「で、でもっ!」
「だって……」
まだ何か言いたげな彼らに向かって敏江はさらに言った。
「河部千夏さんが一時危なかった時の甲斐さんの行動には迷いがなかった。甲斐さんは立派な看護師よ。断じて爆弾犯の仲間なんかじゃないわ」
「敏江先生のおっしゃるとおりよ」
看護師長が出番とばかりにやってきて言った。
「さあ、みんな。疑念にこだわると迷路から出られなくなるよ。そういうのは警察や上の人に任せて、あなたたちは今すべきことをしなさい。今はここがあなたたちの戦場です」
「はい」
彼らは返事をしたが、心から納得していない様子だったのが敏江には気になった。
九木と葛西は家宅捜索が入る前の古河勇(振屋裕己という別名は割れていない)の部屋に居た。
流行りのタワーマンション最上階にある部屋は、独身男性のものとしてはかなり綺麗に片づけてあった。というより、まったく生活感というものが感じられなかった。室内はすべて壁と天井はオフホワイトに床は明るい木目のフローリングで、絨毯・カーペットなどの敷物はない。寝室にはベッドと机と本棚のみ。家具はすべて黒で寝具は明るいグレーだった。飾り気も色味もない室内で、机の上にはパソコン、そして場違いに大きな地球儀のみが鮮やかな青色を誇っていた。
「ガイアか」
九木がのどの奥でつぶやいた。それに気づかず葛西が訪ねた。
「古河は本当にここに住んでいたんでしょうか?」
九木は答えずにキッチンの方に向かってさっさと歩いて行った。葛西はその後を追った。
「ふん、リビングダイニングにカウンター付きキッチンか。若造のくせに良いマンションに住んでいるな」
九木はだだ広いDKのシンプルで機能重視のインテリアを一瞥して言った。同じくオフホワイトを基調とした室内にはシンプルで黒いサイドボードと応接セット、そして大型の最新薄型テレビが1台のみとという簡素なものだった。
「しかし、高級マンションに住んでいる割に、ずいぶんシンプルな調度だな」
「そうですね。なんか冷淡な感じがして落ち着かないです」
「君はそうだろうな」
九木は背を向けたまま言った。
「じゃあ、九木さんは落ち着くんですか?」
葛西の問いに答えず九木は無造作に冷蔵庫を開けた。最新型の冷蔵庫に天然水のガラス製のボトルが数本と牛乳や乳製品がいくつか、野菜室にはオーガニックらしい野菜が数種類あるだけで、肉類や既成の冷凍食品の類は全くなかったが、冷凍庫には食材らしきものが入ったフリーザーバッグが数個几帳面に並んでいた。
「ふむ、基本ベジタリアンだったらしいな。乳製品はOKだったようだ。宗教上の理由なのかアレルギーなどの問題があったのか」
「野菜も新鮮そうだし、乳製品の日付も新しいですね」
「うむ。まぎれもなくここで暮らしていたらしいな」
「なのに、この生活感のなさは何なのでしょう。生活の垢みたいなものが全くない」
「そうだな。垢といえばさっき風呂場も見てきたが、きれいなものだったよ。石鹸派だったようだが、あれは湯桶や湯舟に石鹸滓が付きやすいんだがな」
「奇妙ですね」
「自分の存在を残さないよう訓練されていたのか、よほど神経質だったかだろう」
「訓練?」
「スパイなんかがそうだろう」
「訓練されたスパイ……ですか」
葛西が怪訝そうな表情で返した。
「だとしたら、冷蔵庫に生鮮食品が残っていたというのは妙ですね」
「今回の事態は古河にとっても予定外のことだったのかもしれん」
「少なくとも昨日自爆するつもりはなかった、と?」
「その可能性はある。奴の寝室(へや)に戻ってみよう」
二人は足早に寝室に戻った。
「彼は読書家だったようだな」
殺風景な部屋の壁面に並んだ本棚には専門書からコミックスまで、あらゆるジャンルの本が並んでいた。
「ラテン語の本まであるぞ。この棚はほぼ宗教関係の本だな。仏教・キリスト教・イスラム教のみならずミトラ・ゾロアスター・北欧神話の類から最近の新興宗教まで各種取り揃えてある。すごいなO教団関連まであるな。こいつは相当な宗教マニアだ」
「あ、海神真教や大地母神正教、それに碧珠善心教会関連の本もあります。この前篠原さんがチェックしていた新興宗教の教団です」
「ほう、それは興味深いな。だが調べる価値はあるが、意味はない可能性もある」
「え? どうしてですか?」
「ひょっとすると宗教ジプシーだったのかもしれんな」
「宗教ジプシー?」
「納得できずに宗教を変え続ける者のことさ。だから現在そこにいたとは限らない」
「そう言えば園山看護師もそうでした。どの宗教に入信しても納得できなかったと。そして彼の懺悔、いえ告白からこのこれらの新興宗教がリストアップされたんです」
「そうだったな。さて、パソコンの中身は専門家に任せるとして、あと調べていないのは……」
九木はドアの対面にある引き戸に向かった。葛西も後に続く。
「ウォーキングクローゼットでしょうか?」
「まあ、この部屋のデザインで押し入れってのは考えにくいな」
そう言いながら九木は引き戸を開けた。そのとたんにクローゼットの中が青く輝いて見えた。
「わっ! なんですか、これは!?」
「やはりな」
2畳ほどのクローゼットの中には衣類も何もなく、正面の壁には巨大な地球の衛星写真とその周囲にはA4サイズほどの様々な地上の写真が隙間なく貼られていた。両壁にはキャンドルライトが青く光っていた。センサーが反応して点灯したライトと地球の写真で一瞬クローゼットの中全体が青く光ったと錯覚したのだろう。二人は躊躇なくその中に足を踏み入れた。
「壁の写真の他はブルーのLEDキャンドルライトにお香があるだけか。特に特定宗教やテロ組織に関連するものはないようだな。さしずめ瞑想かあるいは礼拝に使われていたのだろう」
九木はそういうと写真を前にしていきなり床に座った。
「君も隣に座ってみたまえ。犯人の気持ちがわかるかもしれんぞ」
「はい」
葛西は九木の横に座った。少し見上げると巨大な地球が視野に入ってきた。そして周囲にランダムに貼られた、美しい自然や動物の写真とそれに相反する戦争や開発で破壊された風景や死んだ動物・人、核実験やチェルノブイリでの原発事故の悲惨な記録写真や福島原発事故で残され餓死した動物たちの死体などが否応なく目に入ってくる。
(僕らはこんなきれいな星を穢(けが)しているんだ……)
葛西は悲しくなってしまったが、同時に自分の心の中になにかが沸き上がるのを感じた。
(だめだ、引きずられちゃあ……。古河は、ここで瞑想するごとにこういう思いを募らせていったのだろうか。彼は誰からそのような考えを刷り込まれていたのか)
葛西が古河の気持ちに思いをはせようとしていると、横で九木がつぶやくのが聞こえた。
「地球を救うためか何か知らんが、馬鹿な奴だ。こいつがやったのは瓦礫と死体を増やしただけだ」
葛西は、常に冷静な九木が実は怒りを内に秘めていたことを知った。
葛西たちは写真を撮ると、家宅捜索の警官たちと入れ替わりに古河の部屋を出た。
「荒らしておらんでしょうな?」
責任者らしい年配の男に聞かれて九木が答えた。
「大丈夫ですよ、天木警部。なーに、綺麗なものです」
「そうですかね。余計なことはせんでくださいよ」
「当然です。後をよろしく頼みます」
九木はそういうと葛西を促し古河の部屋を後にしたが、振り返って言った。
「そうそう、ウォーキングクローゼットでちょっと休憩しましてな」
「なんだって?!」
「なかなか面白いところでしたよ」
「どういう意味だ?」
天木は真意を測りかねて尋ねたが、九木はそのまま行ってしまった。
「くそっ、SVテロ対策の連中に優先権があるんだ。仕方がないが、忌々しいこった」
天木は吐き捨てるように言うと、古河の部屋に姿を消した。
「葛西君、あの青い小部屋で何か思うことがあったか?」
運転席に座るや否や葛西は九木に聞かれ、少し考えた後に口を開いた。
「地球上に起きている現実を突きつけられたようで、辛かったです。でも、人類を滅ぼすとか、あまつさえ自爆して人を殺めようとは微塵も思いません」
「まあそうだろう。だが、それを毎日のように擦りつけられたら君だって信じてしまうかもしれんぞ」
「洗脳……ですか。部屋を見た限りではかなり異様な印象がありました。あれも洗脳の結果なのでしょうか?」
「とにかく、例の新興教団3団体を早急に調べることだ」
「そうですね」
葛西は答えたが、なぜかあの小部屋で見た光景が、何故か頭から離れなかった。それを見越したのか、九木が話し始めた。
「私が子供の頃、SF小説や漫画やアニメにはそういうテーマがあふれていた。人類が地球を滅ぼす、みたいなね。そのころは核実験が全盛だったりベトナム戦争などが泥沼化していったり公害問題が深刻だったりしてたせいもあるだろうがね。大予言というものもあったな」
「当たりませんでしたけどね」
葛西が笑って言った。
「まあ、当たるとは思わなかったけどね。しかし、今の若者にはああいう話は目新しいものなのかな?」
「僕は叔父のおかげでそういう話には詳しい方なので、特に目新しいとは思いませんが」
「おじさんの?」
「はい。えっと、実は、叔父はSF好きの怪獣フリークでその手のドラマもよく見せられました。ノンマルトの話とか子供心にショックでしたよ」
「そうか。いいおじさんを持ったな」
「え? そうですか?」
葛西はてっきり馬鹿にされると思っていたので思わぬ答えに驚いたが、九木は構わず話をつづけた。
「まあ、陰謀論が定期的に流行するようなものだろう。しかし、人類淘汰を目的としたカルトが殺人ウイルスを保有しているとしたら厄介極まりない話だ。早く正体を突き止めなければ取り返しのつかないことになるぞ」
「はい」
「富田林・増岡の2名が当面離脱したことで体制も立て直さなきゃならんだろう。とりあえず本部の方に戻ろう」
「はい、では県警本部に向かいます」
葛西は復唱すると、車のエンジンをかけた。
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