ラ・フォリー
これは、1981年、「パリ人肉事件」として、当時日仏を震撼とさせた事件の犯人である、佐川一政について歌ったものである。彼については、右サイドバー下の「閲覧注意リンク集」の「MONSTERS」というサイトのカンニバリズムという項目で知ることができるし、「佐川一政」で検索すれば見たくもない画像付のサイトがヒットするが、ここではあの胸の悪くなる事件については詳しく書かないし、リンクもしない。
彼の行為はきわめて自己中心的な残酷なものであり、彼がサイコパス精神を患っていたとしても、とても許されることではない。しかし、彼の所業は「基地外」認定され、やったことに対して驚くほどの寛大な措置がなされた。14ヶ月病院に拘束されたものの、その後、日本に強制送還させられる。その後1年ほどで病院を出た彼は、文化人の中に細々と名を連ねていた。だが、その実は自力で生活できず、裕福だった父親の愛情と庇護のおかげで人並みの生活をしていた。その父親も鬼籍に入ってしまったが、彼にとってもはや守ってくれない父親などどうでも良い存在であった。
超未熟児で生まれ、二十歳まで生きられないといわれていた彼は、未だに生きている。虚弱で人並みはずれた小柄な体格で、しかし、彼は生きている。
彼は、ゆがんだ愛情から彼女を殺して食ったのではない。ただ、本当に白人女性を食いたいという強迫観念から及んだ犯行だった。それが、たとえ性欲の歪んだものの欲求からだったとしても、彼はそれを認めないだろう。
彼は彼女から邪険にされて犯行に及んだわけではない。むしろ彼女はこの東洋から来た小男を尊敬していたのだ。しかし、彼にとって彼女は「食欲」の対象でしかなかった。逮捕後、彼女が彼に好意を持っていたということを知り、初めて彼は彼女に恋心を抱いたという・・・。
ジャン・ジャック・バーネルにとって、彼の愛する国、日本の青年が、JJと同じヨーロッパ人の女性を殺害し食べたというこの事件は大きなショックだったようだ。このアルバムの発売はその事件のあった年であるから、これは事件後比較的早い時期に書かれたものである。如何にこの事件がJJに衝撃を与えたかが伺える。
曲調は、むしろ明るく美しいのだが、JJがその曲に乗せてフランス語で朗読する声は低く陰鬱であり、それが曲全体を非常に暗いものにしている。しかし、アルバムタイトルにもなったこの曲は、ヒュー時代のストラングラーズの作品でも屈指の名作である。
以下、例によって私のつたない訳で申し訳ないが、訳詩を掲載しよう。
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