カテゴリー「バイオテロリズム(ケミカルテロを含む)」の6件の記事

2024年3月20日 (水)

妹。(地下鉄サリンテロ事件)

 地下鉄サリン事件から29年が経ちました。あの惨劇を忘れないようにとの願いから、この記事を毎年テロ発生時刻に再アップします。
 25年目を迎える2020年直前の3月19日に、被害に遭い重い障害を負われていた女性が長い療養生活の末に亡くなられました。この事件は終わっていません。首謀者や主な実行犯たちが死刑になった今でも終わっていません。(2024年3月20日)

  (初出:20年目の2015年同日

 オウム真理教の地下鉄サリンテロより20年が経った。

 20年という月日は長い。あろうことか、オウムの流れをくむ教団に入信あるいはそうでなくても好意的な興味を持つ、リアルタイムでこの事件を知らない若者が増えているという。先日も、教祖である松本死刑囚の生誕を祝う行事が信者たちの間で行われたというニュースが流れ、眉を寄せられた方も多かったのではないだろうか。

 現実逃避・自分探し…、神秘的な教義を説くカルトに向かう理由は様々だろう。しかし、IS(いわゆるイスラム国)に参加しようとする人たちにも言えることだが、現実は悲惨である。結果、教祖や指導者の野心や妄想に踊らされ、むやみに殺生をする羽目になる。ただの人殺し集団だ、と、思う。たどり着くのは理想郷ではなく救われようのない地獄だ。無辜の人々を殺した者がどうして天国に行けると思うのだ。そういう考え方自体が既にどうかしている。

 あの時、何が起こったのか、いくつかの資料をもとにしてこの話を書いた。これは小説内のしかも幕間の一話でありフィクションである。しかし、まったく架空の話ではない。20年前の今日、カルト教団による、史上初めての市民に向けられたケミカルテロが起こったのは紛れもない事実なのだ。(2015年3月20日)

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 テロを憎む公安警察管、長沼間の悲しい過去。『朝焼色の悪魔』より転載。

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「兄さん、こうやって一緒に夕食って、久しぶりね」
「そうだな。今の仕事が佳境なんで、最近は特に帰りが遅いからな」
 俺はそう言うと、少しばかり肩をすくめてみせた。すると妹は、不満そうに口を尖らせながら言った。
「それどころか外泊も多いじゃない。ほんとにお仕事?」
「馬鹿言え。仕事以外の外泊だったらなんぼも気が楽だよ。今だっていつ呼び出しがかかるかと冷や冷やしてるんだぞ」
「やだ、途中で席立たないでよ。特に兄さんとの外食はホントに久々なんだから」
「そうか。それならこんなファミレスじゃなくてもっと小洒落たレストランにするべきだったかな」
「何言ってんのよ。肩が凝るようなところは苦手だって、いつも言ってるくせに」
「ははは、そうだな。ところで話ってなァ何だい?」
「あのさ、兄さんて今、カノジョ居るの?」
「なんだよ、藪から棒に。そんなもん作る暇なんかねえよ。大学ん時のはとっくに別れちまったし」
「そっか・・・。じゃあ私が先に結婚するの、申し訳ないなあ」
 いきなり妹が衝撃的なことを言い出すので、俺はたっぷり1分間ほど固まった。

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2017年5月 7日 (日)

生物兵器とバイオテロ(後編)

 ここ(後編)へ先にに来てしまった方、こちらの前編からどうぞ。

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(3)その他細菌について

A:細菌では赤痢菌の、今では病原性大腸菌O157の毒素としてのほうが有名なシガ(志賀)毒素、これは、ボツリヌス菌や破傷風菌毒素に匹敵する強毒素です。そして、黄色ブドウ球菌腸管毒素、これは、毒性は今まで挙げたものほど強くなく、致死率も1%以下ですが、エアロゾル化して散布した場合、発熱や嘔吐などの症状で、敵を無力化することが出来ます。治療法がないので、対症療法しかないのが現状です。
 次に、リケッチャとクラミディアです。これらの名前はユリコはあまり馴染みがないのではないかと思いますが・・・。

Y:あ、クラミジアですよね。それ、聞いたことがあります。たしか性病の…。

A:それは、クラミディア科でも性感染症のクラミディア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)ですね。兵器として使われる可能性のあるクラディミアは、オウム病クラミディア(Chlamydia psittaci、クラミジア・シタッシ)で、種類が違うのです。こちらはズーノシス…人獣共通感染症であり、『動物のお医者さん』でヒシヌマさんが研究していたやつです。

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2017年5月 4日 (木)

生物兵器とバイオテロ(前編)

はじめに
 今回説明する生物兵器(Biological weapons)と、サリンで有名な毒ガス等の化学兵器(Chemical Weapons)(合わせてBC兵器と略す)は、貧者の核兵器ともいわれ、比較的低コストで製造でき、しかも強力な威力をもつ厄介な代物です。また、ボツリヌス菌など例外もありますが、多くの感染症の初期症状が風邪と良く似ているため、かなり感染が広がるまで生物兵器が使われたということが発覚しない可能性が高いのです。テロリズムにうってつけの兵器といわれる所以です。
 第1次世界大戦以降、BC兵器の使用が目立ってきます。そして、第2次世界大戦末期に完成した核兵器とともにNBC兵器と呼ばれるようになりました(昔はABC兵器と言っていましたが、水爆の完成により原子〔Atomic〕から核〔Nuclear〕と呼ぶようになりました)。

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 以下、ギルフォード教授の野外講義で詳しく説明しましょう。(小説「朝焼色の悪魔」より抜粋加筆)

【登場人物】

A:アレクサンダー・ライアン・ギルフォード(Guildford)教授
 イギリス人。ウイルス学者でバイオテロの専門家。色々あって、Q大(九大ではない)客員教授をしている。
 YG性格検査のJ.P.ギルフォード(Guilford)博士との血縁関係はない(てか、そもそもスペルがちがう)。

Y:篠原由利子
 リストラで会社を辞めた後、ギルフォードに拾われ助手をしている。顔音痴のギルフォードのフォロー役でもある。

J:葛西純平
 F県警K署勤務の刑事。大学で微生物を研究していた。

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A:さて、バイオテロといえば・・・まず、何を思い浮かべますか、ユリコ?

Y:やっぱり、あのアメリカで起きた炭疽菌事件、あれですね。

A:そう、米国の炭疽菌事件を思い起こす人が多いでしょう。結局犯人とおぼしき科学者の自殺で幕を閉じることになりましたが・・・。バイオテロはBiological weapons、生物兵器の転用と考えられます。生物兵器とは、病原微生物やそれが作る毒素を利用したものですが、歴史的にはかなり古いです。それは、まだ感染症が微生物が原因で起こることすらわかっていない頃からのことです。疫病で死んだ人や動物の死がいを敵地に投げ込んだりしていました。それが感染るということだけはわかってましたからね。

Y:随分原始的な方法だったんですね。

A:そうです。それが、20世紀に入ってから、兵器として本格的に研究され始めました。その頃生物兵器を研究していた主な国は、イギリス・アメリカ・ドイツそして日本です。特に日本の研究資料は、戦後、アメリカの生物兵器研究に関わってきます。その日本の研究機関こそが、悪名高い・・・ジュン、知ってますね。

Y:私も知ってます。731部隊・・・ですね。

A:そうです。さて、生物兵器というと、炭疽菌と天然痘ウイルス、これがまず出てきます。特に炭疽菌は、生物兵器に出来る特性を充分備えているのです。731部隊も炭疽菌の兵器開発にはかなり力を入れてました。

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2014年10月27日 (月)

エボラ出血熱のこと(バイオテロについても含む)

エボラウイルスは、感染力は強いですが、感染者の体液に直接触れたあと、ウイルスのついた手などで傷口や眼や鼻などの粘膜に触って感染する接触感染がほとんどです。空気感染はしません。また、呼吸器疾患ではないため症状に咳やくしゃみがほとんどないので(他原因でのくしゃみや咳はあり得るので注意は必要)、飛沫感染も少ないでしょう。また、潜伏期間では感染力は低いということです。ちなみに、放血を「炸裂」と表現することもありますが、爆発はしませんから
 もし日本に上陸したとしても、医療も公衆衛生も整っていますので、パニック映画のように広がることはありません。冷静な対処をしてください。そして、常日頃から頻繁に手を洗う習慣をつけてください。エボラウイルスは石鹸での手洗いでも死滅します。

 私は医者ではないし、感染症の専門家ではない。知識も若干古いかもしれない。しかし、この件には触れておかないといけないと思う。しばしお目汚しを御勘弁願いたい。
 この件は、『エボラ出血熱とデング熱』というエントリーで触れるつもりだったが、気になる記事を見たのでテーマを変えてアップすることにした。

 しかし、これを書いている間にも、刻々と状況が変わっている。そのため書いている内容にも整合性がないところがあるかもしれないが、ご容赦願いたい。この件については、状況が落ち着いて(悪化もあり得ますが)から加筆修正します。

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 このエントリーは、第1部でエボラウイルスについて、第2部で、エボラウイルスが人工的に開発された生物兵器であるという説に対する反証という、2部構成になっております。

第1部 現在のエボラウイルス禍について

 エボラウイルス感染症は1976年に中央アフリカのスーダンと旧ザイール(現在のコンゴ民主主義共和国)で、ほぼ同時に発生した。遺伝子を調べた結果、ほぼ同時に発生したとはいえ、スーダンからザイールへ飛び火したのではなく、全く別のウイルスが偶然同時に発生したものだった。その約10年後の1995年に再びザイールで大発生が起き、たまたま映画「アウトブレイク」の上映と重なり、世界中の注目を集めた。その後もエボラウイルスはアフリカで数回散発的な大流行を繰り返した。
 エボラウイルスはフィロウイルス科に属する。フィロウイルスのフィロは紐という意味で、ウイルスには珍しい紐状の形をしているために命名された。この科にはマールブルグがある。1968年にドイツのマールブルグ市の研究所でアフリカ産のミドリザルから感染が広がった。フィロウイルスはその致死率の高さや不吉な形状から宇宙から来たアンドロメダ病原体ではないかと恐れられた。
 現在、西アフリカでエボラウイルスは拡大し続けており、予断の許されない状態になっている。正直、WHOも手の打ちようのない状態になりつつある。早期のワクチン・抗ウイルス薬の完成が望まれるところだが、今のところ半年以上かかりそうなのが現状である。
 しかし、アフリカとは違い、日本などの先進国の医療体制は整っており、万一上陸したとしても、一気に広がることはないだろう。この場合、ウイルスよりもパニックの方が深刻な事態を引き起こす。各人の冷静な行動が望まれる。現在、アメリカ合衆国とスペインにウイルスが上陸している。これ以上広がらないよう、各国の水際対策の強化と感染地から帰った人々の慎重な行動が必要である。
 また、我が国において住民の反対にあって現在BSL-3でしか使用していない研究室をBSL-4で稼働できるよう早急に対処するべきだと思う。(エボラウイルス流行で稼働できるようになった模様)

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2008年8月10日 (日)

「『米国炭疽菌テロ事件』、犯人の自殺で幕」について考える

※これは、テロと分類するには事件の性質を考えると微妙ですが、全米を震撼とさせ一部でパニックを引き起こし、無関係の人を多数殺したということから、私は「テロ」と考えます。

※一部修正しました(8月17日)。


 
 昨日は小説を書き上げてから、原爆忌のことを書こうと思っていたが、ちょっと気になったので、先ず、こっちの方から書くことにした。小説については、今回アップ分の2/3以上を書き上げているので、今日中にはアップできるでしょう。しばしお待ちを・・・。
 この事件は、小説の方でもギルフォード教授に何度か触れさせるつもりで(一度目は終わっている)、今後もその予定ではあるが、内容が被るのを覚悟で(というか、こっちを読んでくれる人の方が多いか)ここに、私の簡単な推理というか意見を書いてみようと思う。

 さて、この事件は、9.11テロから間を置かずに起きたこと(最初にNBCに炭疽菌入り郵便物が届いたのは9月18日)、事件の特異性や、初めて死者を5人出して成功したバイオテロであること(オウムはバイオテロの方は完全に失敗している)、そして、犯人の自殺で幕を閉じるという、いかにも劇的な展開をしたため、すでに出ていた陰謀論に拍車をかけることにもなりそうだ。

 それで、私は陰謀論とは違った、オーソドックスな、クソ面白くも無いような、それでいて真っ当に思われる説明をしてみようと思う。但し、私はあながち見当違いではないだろうと思っている。

 まず、炭疽菌(たん-そ-きん)についてやや詳しい説明をしよう。

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2005年8月30日 (火)

生物兵器概要

 これは、私が昔「殺人病レポート」というメルマガを出した時の原稿に、加筆・訂正を加えたものである。

■■■生物兵器■■■□□□□決して許してはいけないもの□□□□□

 この、病原微生物等を使った生物兵器(Biological weapons)と、サリンで有名な毒ガス等の化学兵器(Chemical Weapons)は(BC兵器と略す)、貧者の核兵器ともいわれ、比較的低コストで製造でき、しかも強力な威力をもつ厄介な代物です。また、ボツリヌス菌など例外もありますが、感染の初期症状が風邪と良く似ているため、かなり感染が広がるまで生物兵器が使われたということが発覚しない可能性が高いのです。テロリズムにうってつけの兵器といわれる所以です。
 歴史は古く、古典的な方法として敵方の井戸に動物の死骸を入れたり、疫病の感染者を紛れ込ませたりしました。また、アメリカ先住民に、痘瘡(天然痘)患者の使った毛布を送って破滅的なダメージを与えたという話は有名です。当時アメリカ大陸は、まだ痘瘡ウィルスに進入されていなかったため、疫病は恐ろしい勢いで広まりました。
 第1次世界大戦以降、BC兵器の使用が目立ってきます。そして、第2次世界大戦末期に完成した核兵器とともにNBC兵器と呼ばれるようになりました(昔はABC兵器と言っていましたが、水爆の完成により原子〔Atomic〕から核〔Nuclear〕と呼ぶようになりました)。
 ここでは、生物兵器に使われる代表的な病原体を簡単にあげてみましょう。

【炭疽菌】
 生物兵器といえば炭疽、炭疽といえば生物兵器と言われるほど、B兵器におあつらえ向きな細菌です。2001年10月に合州国でこの細菌を使ったテロがあったことは記憶に新しいでしょう。
この細菌のこわいところは、胞子(グラム陽性芽胞形成菌)化し休眠状態になることで、いったん胞子化すると、何年何十年生き続け、熱や圧力・化学薬品にも耐え、その分爆弾などに加工しやすいということです。おまけに毒性が強く、これに汚染された地域は何十年も毒が消えず、誰も住むことが出来なくなります。また、人間の五感には感じないので、気がついたときには蔓延しているという恐ろしい事態になります。

【ボツリヌス菌】
 これも、古典的なB兵器の代表です。一時、からしレンコンの食中毒で有名になったので、名前はご存じの方も多いのではないでしょうか。この、ボツリヌス菌の出す毒素は神経毒で、青酸カリの30万倍の毒素を持つといわれ、破傷風菌毒とともに最強の毒なのです。ボツリヌス菌は酸素を嫌う嫌気性の菌で、瓶詰めやソーセージなどの加工品の中で増え、たまに食中毒を起こします。

【ハンタウィルス】
 731部隊が兵器用に研究していたことで有名なこのウィルスは、感染すると腎臓に重大な疾患を起こし出血死します。致死率は5~15%で、このウィルスの宿主はセスジネズミです。このウィルスの主な生息地は、韓国・中国・東南アジアですが、ヨーロッパのほうまで分布しています。また、93年に合州国のナバホ先住民の自治区で発生した奇病は、同じハンタウィルスでも、肺に疾患をおこすため、呼吸不全を起こして死亡するという変異株で、致死率は高く40~70%にも達します。宿主はシカネズミという可愛いネズミです。

【痘瘡(天然痘)ウィルス】
 天然痘自体は70年から80年にかけて、世界規模で撲滅作戦が展開され、ついに80年5月にWHOが撲滅宣言をし、自然界に存在しないものとなりました。しかしウィルスは、合州国とロシアが研究のため保管しているので、完全な根絶には至っていません。ウィルスのDNA解析が終わると共に焼却廃棄される筈だったのですが、それが終わった今も、いっこうに廃棄されるけはいはありません。それどころか、ロシアではB兵器用にトン単位で保管されているともいわれています。例え公に廃棄されてもウィルスが隠蔽される可能性がある限りは、両国とも廃棄処分にはしないでしょう。
恐ろしいのは、撲滅されたことで種痘をしなくなったために、痘瘡に対する免疫がなくなっている事です。種痘をうけていたとしても、その効果は既に消えているし、若い人たちは、種痘を受けてすらいません。ウィルスが保管されている限りは、決して安心できないのです。

●この他に、B兵器として開発・研究された(されている)微生物を一部列記します。

【ウィルス】
 黄熱・デング熱・リフトバレー熱・ラッサ熱・マールブルグ・エボラ
【細菌】
 ペスト・コレラ・チフス・赤痢・破傷風
【リケッチア】
 発疹チフス・ツツガムシ病・Q熱

**どのようにして使用されるか**

 病原体のタイプによりますが、一般的で一番効果のある方法は、毒素または病原体そのものをエアロゾル(霧状・エアゾール)にしてまき散らすことです。また、胞子状になるものなら、爆弾に加工することも可能です。また、古典的ながら効果がある方法として、感染動物や昆虫をばらまく方法があります。例えば、保菌蚤を衣類や綿などに付けて敵地へばらまきます。病原体を水源地に入れるという方法もあります。
 また、原料が安く、手に入りやすい上に製法も比較的簡単なため、テロに使われる可能性もあります。オ○ムが、化学兵器とともに、生物兵器の研究をしていたことは有名ですね。幸運にも生物兵器の方はうまくいかなかったようですが、彼らは実際に炭疽菌やボツリヌス毒素を散布していました。炭疽菌は、間違ってワクチン株を使ったため(こう聞くと散布された亀戸あたりの住人は炭疽菌に免疫が出来ていそうな気がするが、そう甘くはないだろう)、ボツリヌス毒素は何らかの理由(これははっきりとわかっていないらしい)で毒素が弱毒化したためにこの目論見は失敗しました。また、彼らはザイール(現、コンゴ民主共和国)でエボラ株を得ようともくろんでいたことも知られています(エボラウイルスの宿主はまだ見つかっていないので、アウトブレイクの真っ最中でない限り、いくらザイールで手に入れようとしてもほぼ不可能でしょう)。既にフィクションの世界ではなくなっているということなのです。

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