カテゴリー「感染症の話」の13件の記事

2009年5月18日 (月)

新型インフルエンザ、国内感染広がる

しかしまあ何ですなあ。

 国内感染が発覚してから、あっという間に感染者数が50人を突破。おそらく少なくともこの数倍の感染者がいるんじゃないかな。水際対策を始めた時には既に入り込んでいた可能性も高いですね。ひょっとしたら、この新型インフルエンザ騒ぎが起きる前から・・・。つまり、季節性インフルと思われていたなかのホンの一部に既に新型感染者がいたと。A型だし、タミフルも効くしで、誰も新型のインフルとは思わなかったでしょう。或いは神戸は港町ですから、既に航路で入り込んでいた可能性もあります。
 皮肉なことに、水際で引っかかったA型インフル感染者の全てほとんどが(修学旅行の高校生を忘れていました)季節性の旧型でシロ、国内で見つかった海外渡航暦のない人たちがビンゴとは、いやはや、皮肉と言うか、ウイルスのせせら笑う声が聞こえるようですな。改めて微生物侮り難しと痛感しました。小さすぎて見えないんだもんなあ。特にウイルスは電子顕微鏡じゃないと見れないくらい小さい。

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2009年4月29日 (水)

新型インフルエンザA H1N1

※追記しました。 

 腰痛が治らんとです。bearing

 専門家のみなさんすら想定外だった、豚インフルからのヒト-ヒト感染変異での新型インフルエンザ。私も驚きました。っていうか、先週までは夢にも思ってませんでした。だって、日本ではインフルエンザの流行が終息している時期ですから。夢と言えば、例の偽予言者が、また恥知らずにも後出し予言をするかもしれません(笑)。

 メキシコで大発生した、ブタ由来のインフルエンザですが、大発生の原因はヒトからヒトへの感染型に変異したからで、WHOが新型インフルエンザと認定、警戒レベルをフェーズ4にあげましたね。ほんとはフェース5でもおかしくないけど、強毒性と認定されたら上がるでしょう。今のところ致死率は6%ですが、これはほとんど発生地のメキシコでのことで、これはメキシコのお国事情での死者数の可能性もあります。ただ、アメリカ合州国でも発症者200名から死者が2名出たとの未確認情報もあるようで(結局乳児1名の死亡が確認されました。ただし、アメリカ人ではなくメキシコ人でしたが)、発症者が増えると死者も出てくる可能性も出てきますから、確実な致死率はもう少ししないとわからないでしょう。

 まあ、スペイン風邪以降でも致死率のやや高いインフルエンザが何度か流行したこともあり、むやみに恐れるのも却って良くないでしょう。但し、自分だけは大丈夫と言う、意味のない過信も危険です。正しい情報を得て、冷静に対処してください。国は何かを隠しているから国の情報は当てにならないとか、変な陰謀論に走らないよーに(笑)。

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2009年2月24日 (火)

映画『感染列島』を見てきました。

 まず、思ったより良い作品だったと思います。病院の様子とか防護服の様子とか改めて映像で見れて良かった。

 最初、見たら映画の出来と比べて今書いている小説の出来の悪さにがっかりして、続きが書けなくなるんじゃないかって怖かったのと(いえ、自意識過剰なのはわかっているんですよ)、似たようなシーンがあったら嫌だな(だから、自意識過剰はわかっているんです)とか思って、見たいけど二の足を踏んでいたら、しなさんが背中を押してくれました。

 映画が始まるまで俎上の鯉的な心境でしたが、結果的に、見てよかったと思います。リアリティに関しては微妙でしたが、人のことは言えんがな( ´・ω・`)。

(以下、ネタバレも含みます。今から見ようと思っている方は、読まないほうがよろしいです)

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2006年10月23日 (月)

パラサイト~困った居候の話

 パラサイトと言っても、自立しないヒキコモリのことではなく、そのまんま、寄生虫の話である。
 何故か総アクセス数がダントツの「タイノエの話と「フクロムシの話」は動物に寄生する生物の話で、人間に寄生する生物は「広東住血線虫」についてしか書いていない。それで、今回はちょいとサービスして、見た目も嫌な症状の寄生虫を中心に書いていこうと思う。
 前もっていっておくが、これより先のリンク先はクリック要注意である。

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2006年7月21日 (金)

夏の災厄

夏の災厄(篠田節子著)

(書き足したのでもう一度上げます。)

 これは、以前ここに書いた日テレのドラマ「ウイルスパニック2006」の元となった小説である。

 面白い!読んでいて引き込まれる。日テレのドラマなんて目じゃない。2ちゃんねるのカキコに「激安大バーゲン的糞つまらんドラマにされていた…orz 。ワクテカしながら読んだ小説が… 。」っていうのがあったが、納得した。まあ、昨今のテレビ2時間ドラマにしては、よいほうの出来だという評価には変わりはないが。

 小説のほうは、きれいな看護婦も、可愛い少年も、カコイイDJも出てこない。主役は名前と看護婦という設定だけが同じでまったくの別人である。ヒーローの出てこないパニック小説といわれるだけあって、出てくるのは普通のおじちゃんおばちゃんである。子育てを終え看護婦に復帰した50過ぎの太ったおばちゃん・うだつの上がらない市役所の職員・アカの上にホモのレッテルを貼られたはぐれ医者・夜間診療所の事務員をやっているヒモ男。主に活躍するのはこの四人であるが、他にもそこらへんにいるようなおじちゃんおばちゃんが大量に登場する。ほとんど日テレドラマの役者のイメージは影響なく読めたが、小役人小西だけは、何故か終始ドラマの八嶋智人のイメージで読んでしまった。

 作者の篠田さんは、役所勤めの経験がおありだそうで、役所の融通のなさや行政と住民の安全の間の板ばさみになる役人たちの苦労がよく表現されていた。読んでいて何度も歯がゆい思いをさせられてしまったが、現実に同じようなバイオハザードがおこっても同じような状態になるのだろう。否、小説だからこそスッキリしないまでも主人公たちの決死の調査や行動により、病原体の正体が割れそれなりの解決を見たが、現実はもっと悲惨な結果に終わるのではないかと思う。そんなに熱心な役人も医者もいないだろうと思うからだ。
 それにしても、普通のおじちゃんおばちゃんがこれほどカッコイイ活躍をする小説も少ないだろう。

 感染力も致死率も治癒後の重篤な障害率も高い謎の感染症が流行り、半ば隔離された町で、どのようなことがおこるかという内容もリアルで空恐ろしいものがあった。まず、差別だ。感染源の不法投棄場があったため、病気の流行った昭川市は孤立し、特に住民内でも特に感染者が多く風土病のように扱われた窪山地区の住民は徹底的に差別される。住民間の対立がおこる。住民たちはすさみ、呪い師や新興宗教が幅を利かせ、後遺症の脳障害を治すための祈祷が行われる。脳炎に感染しない、万一罹っても完治するという触れ込みの安いニセ薬が何万という価格で取引され、悪徳業者の温床となる。行政に見捨てられた後遺症患者を抱える家族の心中が相次ぐ。生き地獄である。
 そして行政は脳炎の流行地が都心から離れているため、昭川市で病気を封じ込めようとする。そして自衛隊を出動させ、感染源のコジュケイの一掃作戦を展開する。そのおかげでいったん終息を見せた脳炎だが、真の感染源を知らずに放置したため、再発生させてしまう・・・。鵜川は富士病院の辰巳医師が731部隊の受け皿である国立予防衛生研究所出身だということを知って、辰巳の起こしたバイオテロを疑うが・・・。

 あまり書くとネタバレになるので、普通のおじちゃんおばちゃん達の大活躍は本を読んで堪能してもらうとして、いくつか私なりに気になったりなるほどと思ったりしたことを書いていこう。

 まず、脳炎の媒介動物が蚊であったことから、当時から推奨されてきた「多自然型川づくり」で施工された川がもとの三面張り護岸(私は、側溝川と呼んでいる)に改修され、草は刈られあるいは枯れさせられ、木々は伐採される。そんなことをしたら余計大変なことになろうもん、蚊は不法投棄のタイヤやポイ捨てのカン・ビン等のちょっとした水たまりでも増えるんだぞ。三面張り直線護岸にしたら、住む生物も限られて生物層が一変して、汚染に強い害虫だらけになるぞ・・・。
 そこら辺の描写も、脳炎の後遺症患者を抱える家族の悲惨さとともにリアルに伝わった。恐ろしいかったのはそういった後遺症の残った患者まで「完治」とされ、行政から見捨てられたということである。大いにあり得る話で薄ら寒くなってしまった。

 それから、予防注射やワクチンについて、現代の私たちがいかにその恩恵を受けて、今の清潔で健康な暮らしを得、また、その恩について忘れているかについて改めて思った。ワクチンがあったからこそ痘瘡ウイルスは殲滅され、世界中で天然痘の恐怖に怯えない生活が出来るのだ。
 私も無駄な予防注射はしないことにしているが、それはこの国に住んでいるからそういう選択も出来るのだ。発展途上国では、ありふれた感染症で簡単に子供が死んでいるのだ。しかし、もし、この異常な清潔志向のこの国に、未知の病原体によるパンデミックが起こったら、どのようなことになるか。日本国中が、この小説の昭川市のようなことになるのは想像に難くない。
 冒頭部分で辰巳医師が、インフルエンザの予防接種を阻止しようとする母親たちに怒りをぶちまけるシーンがある。

 「みなワクチンのありがたさを忘れている。ほんの少し前まではインフルエンザで老人や子供がばたばたと死んでいた。豊かさと平和ボケで疫病の恐ろしさを忘れている。ワクチンは命がけで医師たちが作り出したものだ。その恩恵を享受しておきながら、少しの副作用でワクチンを悪者扱いする。

 真の疫病はエイズなんて(病気の進行において)問題にならない。弱いものからどんどん死んでいく。老人。子供。そしていずれは働き盛りの人間まで。病院は一杯になり収容不能になる。毎日そこかしこの家から棺桶が出される。感染した年寄りは家を追い出され路上で死ぬ。ウイルスにはほとんど特効薬はない。とくに新興ウイルスの場合は。あるのは対症療法とワクチンであらかじめ免疫をつけることのみ。

 たまたまこの70年間ほど大規模な疫病が発生してないだけだ・・・。」

 そう、この小説から約10年後致死率10%のサーズという感染症がアジアで猛威をふるい、今世界は新型の鳥インフルエンザの発生に恐々としている。

 ところで、ドラマの感想で「何故ネットを利用しなかったのだろう」と書いたが、この話は1994年の話で、今のように猫も杓子もネットをする時代ではなかった。それでもインターネットは普及し始めており、鵜川医師はこの病気の情報は主にネットで収集していた。そういうことでドラマにはそういうアイディアが出なかったのだろう。

 もうひとつ、ドラマで疑問に思ったオカモノアラガイ(カタツムリと同じ陸貝)とコジュケイの関係である。これもやはり小説では詳しく書かれていた。小説のほうでは登場人物はなかなか気付かなかったが、読むほうはだいたいわかるので、ネタバレにならないと思うのですこし書いてみよう。
 ドラマではオカモノアラガイが燐光を放っていたが、小説ではそのほかにもうひとつ特徴をあげていた。「触角」が「肥大」して「別の生き物のように」せわしく「動いていた」という点だ。この特徴からこの寄生虫が思い出された。「レウコクロリディウム」というオカモノアラガイを中間宿主とする寄生虫だが、これが恐ろしいことに、オカモノアラガイに寄生すると目(触覚)を芋虫状に肥大化させ、カラフルでオサレなシマシマにしてしまう。そして、オカモノアラガイを操縦し、木などの目立つところに移動させ、カラフル目をせわしく動かさせて最終宿主である鳥の気を引き、自らを食わせようと操るのだ(参考:写真はクリックすると拡大。動画あり。閲覧注意)。この新型脳炎ウイルスは、この寄生虫と同じような操作をオカモノアラガイにするらしい。おまけに夜行性の鳥の気も引くように身体を発光させる。
 しかし、コジュケイが最終宿主ならば、死んでしまっては意味がない。あなただってせっかく越してきた家が、1週間かそこらで潰れたら困るだろう。ウイルスが外来産なので、感染しても死なない鳥がウイルスの故郷であるインドネシアのどこかにいるのだろう。ひょっとしたら、熱帯雨林のなかにひっそりと暮らしていた未知の鳥が、森林伐採のため絶滅し、宿主を失ったウイルスが人里まで迷い出して来たのかもしれない・・・。

 最後に、堂本看護婦のこの言葉で締めようと思う。民間療法や新興宗教に飛びつく主婦のことを小西が「一般市民ていうか、主婦ってやっぱり馬鹿なんですか。」と言ったことに対しての答えだ。

「こんなことがなければ、みんなちゃんとした常識を持っていて、正しい判断が出来るのよ。考えてごらんなさい。なんだかわからないまま、得体の知れない病気で、家族や知人が倒れていくのよ。そんなものを目のあたりにしていたら、今まで身につけたいろいろな常識が、みんな疑わしいものになってしまう。合理的な考え方が出来なくなると思わない?」

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2006年7月14日 (金)

おたふくかぜ(ムンプス)の話

※注意:今回真面目なタイトルに似合わず下品な内容が含まれます。

 妹の友人(女性)がおたふくかぜに罹ってしまったらしい。大人になって罹るとヤバイといわれている感染症である。正式名称は「流行性耳下腺炎」、病原体はムンプスウイルスである。
 おたふくかぜやはしか(麻疹)のように、罹るなら子供の時にやってないと大人になって罹った場合重症化するものがあるが、特におたふくかぜが何故ヤバイといわれるかというと、「大人になってから罹ると子種が無くなる」ということを昔からいうからである。
 おたふくかぜは、ウイルス感染後風邪の初期の様な症状を経て、耳下腺の腫れなどの特徴ある症状が出る(両方の耳下腺が腫れた場合におたふく的な容貌になるのが俗名の由来なのは、今更書くことでもないだろう)。ただし、感染者の30%くらいは発症しないらしい。いずれにしろ免疫がつくので、2度とおたふくかぜには罹らない。2度以上罹ったという人は別の耳下腺が腫れるような感染症に罹ったのである。また、反復性耳下腺炎という、何度もおたふくかぜ様の症状をおこす病気がある。
 予防はワクチンが有効である。詳しくはリンク先を読んでもらうとして、もう一つおたふくかぜと似たような症状の病気がある。唾石症というもので、唾液腺に結石が出来たものだ。これも耳下腺当りが腫れて似たような症状になる。実は子供の頃これに罹ったことがある。やはりおたふくかぜと診断されて学校を一週間休むハメとなった。しかし、顔の腫れは退かず熱も大して出ないので不思議に思っていたら、知り合いから唾石症のことを教えられて、耳鼻科に行ったらまさにそれだったらしい。喉の腫れとともに口内炎も出来ていて痛かったのだが、それが結石であり、病気の原因だったのだ。すぐに手術することになったが、手術と言っても舌の付け根(にある唾液腺)に出来た「口内炎」を切開して石を出すだけの簡単なもので、椅子に座って麻酔もなしですぐに終わった。痛かったんだと思うが痛みの記憶はない。その後、左大腿の出来物に膿がたまった時も麻酔なしで処置されたので、昔は多少のことでは麻酔はしなかったらしい。まだ敗戦から20数年しか経ってなかった時代である。
 その石は米の半分くらいの大きさで、そこの病院の資料として小さい瓶にいれて保管された。ひょっとしたらまだ資料室の片隅にひっそりと置いてあるかもしれない。

 さて、諸兄諸姉のみなさんの関心は、果たして大人になって(正しくは思春期以降に)罹ったおたふくかぜは本当に子種をなくすか、という問題であろう。
 ムンプスウイルスは、感染後リンパ節で増殖し、その後血液に乗って体中に広がり、唾液腺(耳下腺等)・すい臓・精巣・卵巣といった腺組織および髄膜に炎症をおこす。問題は精巣に炎症をおこした場合である。
 ムンプスウイルスに感染しても30~40%の人は発症しないという。で、精巣に炎症をおこすのは感染者60~70%のうちの10~30%の男性だ。しかも、ほとんどの場合片方だけなので、不妊になる確率は少ないものと思われる。しかし、パンパンに腫れて相当痛いらしい。女性の場合卵巣炎をたまにおこすことがあるらしいが、頻度は非常に少なく、また、不妊になるようなことはまずないそうである。因みに卵巣も精巣も、男女に分化する前は同じ臓器だ。それからムンプスウイルスには催奇形性はないらしいが、妊娠初期の場合は流産する可能性があるので気をつけよう。
 結論を言うと、おたふくかぜで「子種を失くす」というのは間違いではないが、その確率はかなり低いということだ。タマにタマがぱんぱんに腫れてえらい目にあう人がいるが、炎症はだいたい片側だけなので不妊になることはまずない。タマタマ両方のタマが炎症をおこした人がタマタマ運が悪かった場合、不幸にも不妊になってしまうことがあるというわけだ。ムンプスウイルスに感染した場合、両方のタマが腫れる確率は多く見積もって感染者の6%である。ただし、両のタマが炎症をおこしても必ずしも無精子症になるとは限らないのである。
 しかしながら、少しでも可能性のあるリスクは避けたほうがいい。もし、あなたがまだムンプスウイルスに免疫がなく、お子さんがまだ児童の場合は、子どもがもらってきたウイルスに感染する可能性がある。出来るだけあなたもワクチンを接種していたほうがいい、ということだ。
 おたふくかぜの死亡率は0.1~0.3%、後遺症として時に聴力を失うことがあるらしい。病名がユニークなわりに、意外と侮れない感染症である。

【おたふくかぜリンク集】
http://www.harenet.ne.jp/senohpc/disease/mumpsd.html
http://homepage2.nifty.com/oyako/mypages/disease_mumps.html
http://www2.ocn.ne.jp/~toyamate/otafuku.htm
http://www.city.yokohama.jp/me/kenkou/eiken/infection_inf/mumps1.htm

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2006年6月28日 (水)

日テレのウイルスパニックドラマ

 今日は寄生虫についての記事をUPしようと思い少し書き始めていたが、このドラマを見たので、興味あるテーマではあるし、こっちから先に書くことにする。まあ、ウイルスも寄生生命体なので良しとしよう。

※この内容は一部ネタバレを含みます。

女たちの危機を救え!シリーズ(4)ウイルスパニック2006夏“街は感染した!”伝染病の恐怖が人々に蔓延した!!発熱目眩痙攣…家族を失い友を失い看護師の涙の闘い

相変わらず長いタイトルである。原作は篠田節子の「夏の災厄」

 リンク先が期限切れで表示しなくなった時のために、コピペしておく。

 未知のウイルスによる感染症が発生し、看護師が原因究明に奔走するサイエンス・サスペンス。篠田節子原作、宇山圭子脚本、下村優監督。東京近郊の街で看護師をしている房代(りょう)はある夜、担ぎ込まれた患者を見て胸騒ぎを覚える。高熱や全身まひ、光に対する視覚過敏などの症状があり、普通の病気とは思えなかった。患者は大学病院に移送されるが、翌日死亡。さらに同様の症状の患者が次々と現れる。一連の患者を検査した結果、大学病院は日本脳炎と発表。だが、房代は患者の症状が日本脳炎とは異なると考え、大学病院の担当医に疑問をぶつける。しかし、納得できる回答は得られない。やがて、房代は同僚の小西(八嶋智人)から興味深い話を聞く。

 このドラマの主役であるウイルスは、日本脳炎に極めて近縁の新型脳炎ウィルスで、感染力も発症力も非常に強く、発症してからの致死率も高く2日ほどで死亡する。おまけに変異のスピードも速く、日本脳炎ではあり得ない血液感染までするのだ。それもそのはず、そのウイルスは南方の小島の住人を全滅させていたのだ。症状は高熱・痙攣・異臭を感じる・光過敏・発疹である。もちろん架空のウイルスだ。日本脳炎ウイルスはアルボウイルス感染症に含まれるフラビウイルス科に分類され、近縁に黄熱病やデング熱などの危険なウイルスが多い。もちろん日本脳炎も発症した場合かなり危険な感染症である。アルボウイルス感染症とは、昆虫などの節足動物が感染源となる感染症をいう。ちなみにウイルスは、ラテン語で「毒」という意味だ。

 最初はたいしたことはないだろうと見ていたが、原作が良いのか、思ったより良い出来のドラマだった。最後の方はご都合主義のハッピーエンドで終わったのが気になったし、いくつか突っ込みどころもあったが、まあ2時間ドラマでは仕方があるまい。
 結局このアウトブレイクは自然発生ではなく、人為的なバイオハザードだったのだが、原因を作った大学病院はその事実を隠し、新型脳炎の発生地である町の住人はひどい差別を受けてしまう。特に日本脳炎の増殖動物であるブタを飼っている養豚場の少年は徹底的にいじめられ、追いつめられた少年は豚舎に放火し投身自殺をしてしまう。このような異常事態で、いちばん怖いのは人間である。

 劇中、「大学病院や国に言うと握りつぶされる恐れがあるから、匿名でマスコミにリークしよう。」というセリフがあり、話の中では成功しているが、マスコミがアテにならない昨今、実際はどうだろうと考えさせられた。まあ、製作がテレビ局なので、「マスコミがアテにならんかった」じゃ洒落にならないし、2時間に仕上げるには無理がありすぎるか。あと、ネットで流そうとしなかったのは不自然だと思った。

 実際にこういう未知のウイルスのアウトブレイクが起こったら、もっと深刻な事態が出てくるだろう。ひどい差別はあったが住民がかなり冷静で、暴動にまでは至らなかった。実際こういう場合は病原体を封じ込めねばならないので、町は完全閉鎖になるはずだ。外国の場合は軍隊が出てくるが、日本の場合はどうなるのだろうか。被災地ならともかく、ウイルスの封じ込め作戦では自衛隊は簡単には使えないだろう(確かBCテロ専門の部隊があったと思うので、いずれは彼等が出動することになるか)。ということは、やはり警察か。たとえばパンデミック(世界規模の流行)に繋がるような脅威のウイルスの場合、米軍が出てきたりして。 

 しかし、最初は外来種のコジュケイやあの光るカタツムリオカモノアラガイがウイルスの宿主だった、という展開かと思ったら違ったようだ(よく考えたら宿主だったら死なない罠)。伝播の原因なのは間違いないのだが。カタツムリが光ってたのは、ウイルスに操られて目立って鳥に食べられようとしているのか。そこら辺もかなり説明不足。原作を読んだほうがいいかもしれない。

 ところで、終わりのほうで、DJ赤坂がいつの間にか病気で死んでいたが、ワクチン申請のためのワクチン接種の副作用で一人だけ死亡した人だったんだろうか?

 ところで、バイオテロ小説の構想があるのだが、いかんせん東京に詳しくないので、舞台がつい福岡になってしまう。福岡でテロるメリットはあまりなさそうだし、はなっからリアリティに欠けてしまいそうである。

■2ちゃんねるから■

 「篠田節子ってどう?」 より、原作読んだ方々の感想
  http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1005394391/l50

653 :名無しのオプ:2006/06/16(金) 00:24:18 ID:kkVL4bZt
「夏の災厄」6月27日のドラマコンプレックスで放映予定です。
詳しくは↓
http://noguchiseed.com/viruspanic.html

654 :名無しのオプ:2006/06/16(金) 11:29:23 ID:1+aaTkgD
ウイルスパニック2006ってw
ハリウッドB級映画じゃないんだからorz

655 :名無しのオプ:2006/06/16(金) 11:41:31 ID:smrQpoLr
タイトル終わっとる

656 :名無しのオプ:2006/06/16(金) 19:24:56 ID:wCUFFQ2E
テーマが分かり易いタイトルにしたかったんだろうか

657 :名無しのオプ:2006/06/16(金) 20:16:59 ID:PouR3OVa
脚本家とかは当然原作も読んでるはずのなので、ヘンなタイトルをつけるとは思えない。
ヘンなタイトルにしたのは、「うーん、もうちょいタイトルにインパクトほしいなぁー。
ん、ウイルスが話にでてくんの?そう、それじゃ、ウイルスパニックなんていいんじゃない」
とかいったと思われるプロデューサーか営業方面の人か、そのあたりだろうね。
あの原作で、ウイルスパニックとか陳腐なタイトルをつけるセンスが信じられないね。

658 :名無しのオプ:2006/06/16(金) 23:10:49 ID:HFQY2NTA
なんかスゲー安っぽいよな。
原作読んでなかったら、全然見たいと思わなかっただろうな。

671 :名無しのオプ:2006/06/27(火) 22:57:46 ID:+ijwlMWM
激安大バーゲン的糞つまらんドラマにされていた…orz
ワクテカしながら読んだ小説が…

675 :名無しのオプ:2006/06/28(水) 19:45:19 ID:5VsLwrm/
見たけど、それほどひどくはなかったよ。
ただ、タイトルを変えてくれて逆に良かったとは思う。

676 :名無しのオプ:2006/06/28(水) 20:35:58 ID:DTPwe7Bk
うん。結構おもしろかった。
2時間ドラマとしては十分合格レベルかなと思った。

 原作探してこようっと。

お詫び
ウイルスの科名を思い切り間違えていました。訂正しました。やはり、調べて確認しないとイカンです。

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2005年12月12日 (月)

エボラウイルス宿主続報

 ウイルス学者山内教授の人獣共通感染症連続講座に、エボラウイルスの宿主に関してのまとめがありました。とてもわかりやすいので興味のある方はお読みください。

人獣共通感染症連続講座(山内一也)(第168回) 2005.12.5
SARSコロナウイルスとエボラウイルスの自然宿主

 

 

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2005年12月 4日 (日)

エボラ出血熱ウイルスの拡散、オオコウモリが“犯人”

リンク: @nifty:NEWS@nifty:エボラ出血熱ウイルスの拡散、オオコウモリが“犯人”(読売新聞).

 アフリカ中部で多発し、致死率が90%にも達するエボラ出血熱は、オオコウモリが病原ウイルスを保有し、広めている可能性が高いことをガボンやフランスなどの国際研究チームが突き止めた。
 これまで、病原ウイルスの“運び屋”である野生動物が不明で、予防策が取れなかった。成果は英科学誌ネイチャー最新号に発表された。
 研究チームは、コンゴ共和国とガボンでエボラ出血熱が流行した2001年から03年に、コウモリや鳥などの野生動物計1030匹を捕獲し、感染の有無を調べた。そのうちオオコウモリ3種に病原体のエボラウイルスに感染したことを示す抗体が見つかった。オオコウモリは発症しなかった。
 オオコウモリ3種の分布域は、エボラ出血熱の発生地域とも重なる。研究チームは「オオコウモリは現地で食用にされている。流行防止には、オオコウモリに近づいたり、食べたりしないことが重要」としている。
[読売新聞社:2005年12月03日 20時16分]

 ってことは、まだオオコウモリが宿主と確定したというわけではないようですね。しかし、これがオオコウモリ虐待に発展しなければいいのですが。

 コウモリ宿主の可能性が前からいわれていたことについてはここで書きかけていたのですが、こっちに書きます。

■NHK出版「ウイルス感染爆発」より

P.51
 第1例目(1976年エボラ・スーダン)の麺工場の倉庫番の男性が、なぜエボラウイルスに感染したのかはわかっていない。彼が働いていた倉庫の天井にコウモリが巣を作り、尿が壁を伝って床にたれていたという事実が報告されていたという事実が報告されているだけだ。

 宿主と媒介する動物は必ずしも同じではありません。宿主というのはそのウイルスを身体に持っていても共生できる動物、すなわち発病しない動物のことです。なぜならば、例えばせっかく引っ越してもその家が直ぐに壊れてしまっては意味がないからです。
 1976年のエボラ出血熱発生以来、多くの研究者がエボラウイルスの宿主探しのため数多くの生物を捕まえて調べましたが、結果は芳しくありませんでした。

P.196~P.197を要約

 南アフリカ共和国の国立ウイルス研究所のロバート・スワネポール博士のグループは、別の角度からエボラウイルスの宿主を探る研究を行った。それはキクウィトの患者から分離されたウイルスを使ってさまざまな動植物に感染を試みるという、今までと逆の方法を用いたものだ。要するに、これで感染しても発症しなかったものが宿主の可能性が高いということになる。
 実験に使われた19種の動物と24種の植物の中で、体内でウイルスが増殖したのにも関わらず、発症しなかった生物がいた。それは果実や昆虫を食べるある種のコウモリだった。このコウモリからは肺の内皮細胞からエボラウイルスの抗原が検出され、フンからもウイルスが検出された。
 博士は論文の中で、この結果このコウモリが宿主という決定的な証拠ではないと断定は避けているが、スーダンの例からいっても可能性としてはありえないことではない。

 以上のことから私は素人考えですが、仮設をたてていました。アフリカのある種の昆虫~おそらく古いタイプの珍しい昆虫~が自然宿主で、エボラに耐性のあるコウモリがそれを捕食して感染し、その固体が遠く離れた人間の住居に営巣するなどして人間に感染させたという可能性です。それなら、しらみつぶしの調査でも宿主が見つからなかったのも納得できるのではないでしょうか。
 でも、オオコウモリっていわゆるフルーツバットだよね。昆虫食べないような・・・。アフリカのオオコウモリはどうなんでしょ。しかし、上記の本でも調査動物の中にコウモリがありましたが、宿主という決定打は打てなかった。これは調査方法が進歩したせいかもしれません。ただ気になるのは、コウモリとしか書いてないので調べたのがコウモリだったのかオオコウモリだったのか両方だったのかわからないということです。
 エボラウイルス自体は、エイズウイルスやインフルエンザウイルスのように変異の激しいものと違って変異の少ない安定したウイルスということです。ですから、一度ワクチンが開発されればしばらくは同じものでいけるでしょうから、そこまで怖い病気ではなくなるかもしれません。すでに遺伝子工学を利用したワクチンも出来ているというニュースもあります。もし、宿主が見つかればワクチン開発も一挙に進むのではないでしょうか。

 ただし、エボラ出血熱の大流行は、アフリカの貧しい地域で医療や公衆衛生の劣悪さによりほぼ人災状態(主に院内感染)でおこっています。おそらく日本にエボラ患者や宿主生物が入ってきたとしても何百人も死ぬことはないでしょう(それが生物兵器として改悪されたものでない限りですが、その可能性も少ないと思われます。)。
 ですから、日本では必要以上に恐れる病気ではないと思います。ただし、今のところ万一発症してしまった場合はやはり危険な病気ですが。
 そういうわけで、個人的には珍しい動植物(特に外国産のもの)は出来るだけ扱わないほうがいいと思います。興味本位でやたら生物を輸入するなということですね。

****** 

※ウイルスパニック小説を書いています。

  「朝焼色の悪魔」
  http://kuroki-rin.cocolog-nifty.com/novel/

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2005年12月 1日 (木)

コウモリがエボラを媒介か(共同通信)

リンク: @nifty:NEWS@nifty:コウモリがエボラを媒介か(共同通信).

 これ、最初のエボラアウトブレイクの時に大がかりな宿主捜索が行われて、その時宿主は見つからなかったものの、最初の患者が働いていた部屋の天井からコウモリのフン尿が見つかり、コウモリの可能性が早くから言われていたと思うのだが。
 家に帰ってから、該当の本で確認してまた書き込みます。

 って昨夜調べて該当部分を確認したのでUPしようとしたら、また激重でした。

                チクショー

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