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2023年4月 2日 (日)

『朝焼色の悪魔』更新情報

 進化版(アルファポリス版)
 COVID-19発生により、なろう版からさらに進化させ加筆減筆修正しました。
 現在第3部改定中。
  2023年6月26日更新

加筆修正版(なろう版)
 完成版としてココログ版に加筆修正したもの。
 現在第4部終了、第5部開始待機中。
  2023年6月25日更新

先行版(ココログ版) 
 2007年より書き始めたバイオテロ小説。COVIDにより更新が減速しながらなんとか最終回に向けて執筆中。
 現在最終部第5部連載中。
  2023年6月25日更新


 初めて読まれる方は面倒でなければ、進化版→進化版最終話→加筆修正版→加筆修正版最終話→先行版の順で読むことをお勧めします。

 今の状況からすると「事実は小説を超えてしまうんだなあ」と思われるかもしれませんが、私の力量の限界であると思います。しかし、それなりに面白いと思いますので、読んでくださるとうれしいです。
 感想や『いいね』『お気に入り登録』が励みになります。感想はここのコメント欄にも書けますので、よろしくお願いいたします。

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2023年4月 1日 (土)

トイレに閉じ込められた話(改訂版)

 ずいぶん前に分散して書いたエントリーをひとつにまとめました。
 TBSの「ワールド犯罪ミステリー5」再現作品です(だいぶ違ってましたが)。


 これは、昔勤めていた会社での出来事である。

 その会社が入っていたビルは各階に1箇所ずつ廊下を挟んで洗面室付きトイレと湯沸し室があった。3階建ての小ぢんまりしたビルだったのでそんなものであろうが、ビルが開いていさえすれば、誰でもトイレを使うことが出来た。また、そのビルにはなんかいわゆる幽霊のようなモノが棲みついていたのか、たまに妙な出来事もあった。さらに隣のロイホで発砲事件などもあったりしたが、まあ、こういうことは今回の話には関係ないのでまた改めて書くとして、そろそろ本題に入ろう。今回はちょっと小説風に書いてみようと思う。

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 「なんじゃあ、こりゃあ?」
 私は再度トイレのドアノブをガチャガチャと回した。いや、回そうとした。だがノブ自体が動かない。
「あっちゃ~、ここ数日ノブの調子が変なことには気がついていたけど、とうとう壊れたか。でも、何でよりによって私のときに、クソッ!!(怒)」
 私は軽く毒つきながらつぶやいたがどうしようもない。
「せめて出てから壊れてくれよ~~~。トイレは下(の階)にもあるんだから・・・。」

 確かにここ数日変だった。1・2回ノブを回しても開かず、ヒヤッとしたことが数度と無くあったからだ。それはおそらく私だけではないと思うが、とりあえずその時は開いたので、そのまま総務の方に言うのを忘れていた。誰か閉じ込められたら、それもそれが一人で深夜残業をしている時だったりしたら、大変だなとちらと思ったが、まさか本当に完全密室状態になるとは思ってもみなかった。
 しかしまあ、今はとりあえず平日の少し雨模様の昼下がりだ。会社には人がたくさんいるし、直ぐに開けてもらえるだろうとタカを括っていたが、それは甘い考えだった。
 とりあえず、もう何度かノブを回してみる。ビクともしない。引いてみる。なおさらビクともしない。引く?そう、ドアはトイレ側に開く造りになっていた。すなわち、内側からいくら体当たりしても、肘打ちしても、今がチャンスだの真空とび膝蹴り等をかましても、桟ががっちり邪魔をして開かないということだ。ドアを破壊しない限りは。因みに内側から鍵をかけていてそれが壊れたというわけでもない。ドアノブがイカれてまったく回らないため、ラッチボルト(ノブを回すと出たり引っ込んだりする部分)が引っ込まないのだ。私はあせってきた。とりあえず場所がトイレなのでエレベーター等と違い長期戦になっても緊急事態は大丈夫だが、水洗トイレなので大して臭くないとはいえ、便所は便所、あまり閉じ込められて嬉しいところではない。イスもないし和式トイレなので蓋をしてイス代わりにも出来ない。こんな狭いところで長期戦になったら寝ることも出来やしない。第一こんなところで食事なんかしたくはない。おまけに閉じ込められたところがトイレだなんて、どう考えてもギャグネタである。
 などと、いろいろ考えながらも私は空しくドアノブと格闘していた。しかし、こういうときに限って事務所から人が出てこない。18人ほどの会社であるから、どうかしたらひっきりなしに利用者が来るのに。
 たかが厚さ3・4センチ程度、フラッシュ合板製の破壊するつもりなら難なく壊せるくらいのドアである。しかし、そのドアが今は厚く私の行く手を阻んでいた。この際叫んで助けを呼ぶか? いや、そんなみっともないマネが出来るか。私はため息をついて、腕組をしながら考え込んでしまった。携帯電話が普及する数年前の話である。

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