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2017年4月17日 (月)

せっかくだからMOABについても書いてみよう。

20174 米軍がISに対してMOAB(Massive Ordnance Air Blast bomb、大規模爆風爆弾)を使ったというニュースで、いきなりこの記事(最強の殺傷力「真空爆弾」投下実験に成功…ロシアが発表)にアクセスが集中し、14日のアクセス数がいきなり1000を超えた。
 この記事は何故か最近タイノエや「朽ちていった命」レビューを押えてアクセス数トップになる事は多かったが、このアクセス数は異常である。
 このロシア製の爆弾は「すべての爆弾の父」と呼ばれるものだ。今はもっと強力な爆弾を持っているかも知れないが。

 そしてこのMOABだが、「Mother Of All Bombs(すべての爆弾の母)」とも呼ばれており、前述のロシアの爆弾はこれに対抗して作られたものだという。

 余談だが、MOABさんとFOABさんに子供が出来たらどんな強力な爆弾さん(さん付けしていることで擬人化と理解してください)が出来るだろうとふと思ったが、答えは通常爆弾…だよな。因みにフォアブさんの威力はモアブさんの4倍だけどモアブさんよりフォアブさんのほうが小さいらしいので、見た目は蚤の夫婦になるでしょう(いや、こんな呑気な妄想するような兵器じゃないんだけどね)。

 さて笑えない冗談はこのくらいにしておこう。
 このMOABは、湾岸戦争にも使われた通称デージーカッターという爆弾をより強力にした後続兵器だ。イラク戦にも配備されたが結局使われなかったので、今回実戦で初めて使われたことになる。サーモバリック爆弾(燃料気化爆弾)と混同されるが別のものである(FOABの方はサーモバリック)。また、バンカーバスターと違い地中に貫通した後爆発するものではなく地上数メートルで爆発し(普通の爆弾は着弾して爆発)、熱と爆風で辺りのものをなぎ倒し、簡易ヘリポートにしたり地雷原を一発で「綺麗に」するためなどに使用される。もちろん凄まじい爆発力で殺傷半径150m(約7万平方メートル)にいる人間の多くは命を落とす。今回の使用では90人以上のIS戦闘員が爆死している(半径150mと言ってもピンと来ないが、この度同じく話題となった空母カールビンソンの全長が東京タワーの高さと同じ333mなんでこれの上部を一発でほぼ完全に吹っ飛ばすと考えるとその威力が実感されるだろう)。また、フィンが付いていてGPSで誘導されるために、パラシュートで降下させていたデージーカッターに比べ格段に命中率が上がっている。

 因みにシンゴジラで米軍が攻撃してゴジラをマジギレさせたのは、これ(MOAB)ではなくて大型貫通爆弾(MOP)というやつでこっちはバンカーバスター。

  ←クリックよろしく。

 youtubeに今回の攻撃映像がアップされていたので一応貼っておきます。すごい衝撃波が確認出来、やっぱり虫唾が走ったわ。

https://youtu.be/MZ8j4QlYcYk

【アーカイブ】

米軍MOAB攻撃で「イスラム国」死者94人に
2017年04月15日 21時50分 読売新聞

 【ニューデリー=田尾茂樹】米軍が13日にアフガニスタン東部ナンガルハル州アチン地区のイスラム過激派組織「イスラム国」に対して使用した大規模爆風爆弾「MOAB」で、同地区当局者は15日、死亡した「イスラム国」構成員が94人に上ったと明らかにした。

 軍関係者や一般市民の被害報告はないとしている。

 爆弾は、住宅地から約5キロ・メートル離れた「イスラム国」の拠点で、約300メートルにわたる地下壕(ごう)やトンネルなどを狙って投下された。周辺住民数千人は、最近の米軍と「イスラム国」との戦闘などで事前に避難していたという。

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