「つぶやき」じゃねーよ。
今回の生保騒動でも思ったが、最近はツイッターの「つぶやき」が大炎上を招くことが多い。高性能の馬鹿発見機とも言えるだろう。
でも、それ故に「つぶやき」「つぶやいた」と表現することに違和感を感じていた。ネットの不特定多数にメッセージを発信しているのだから、つぶやくとは全く違うんでないかい。因みに辞書にはこう書いてある。
つぶ‐や・く【×呟く】 [動カ五(四)]小さい声でひとりごとを言う。「ぶつぶつと―・く」
まあ、自分は一応登録してはいるものの、扱いが良くわからないし今のところ困らないので意味を調べて見ようとは思わなかったが、ツイッター発言関連の記事を見るたびに「~と、つぶやいた。」と書いてあることに違和感を感じ、毎回つぶやいて無いやろ、と突っ込んでいた。
で、twitterの訳を調べてみた(IT関連に詳しければ、あるいはある程度英語に堪能であるなら調べずともわかってて当然なのだろうが、あいにく私は双方に疎い)。
twitter(twítr) [動](自)1 〈鳥が〉さえずる。
tweet (twít) [名](小鳥の)さえずり声。━━[動](自)さえずる。
なるほど、納得した。これならしっくりいく。ちなみにつぶやくに相当する言葉は「これ。
つぶやく【×呟く】
mutter (▼主に不平などをぶつぶつと); murmur (▼聞き取れないほどの小声で言う)
ようするに、つぶやいているんじゃなくて、ピーチクパーチク辺りに響きわたるように気ままにさえずっている(※)というのが正解なんだな
それにしても、「さえずり」とはツイッター創設者もよくこんなピッタリの名前を付けたものだと感心する。
だが、何故日本では「つぶやき」と訳されたのだろうか。
確かに「さえずった」ではかなり外聞は悪い。多分それだったら、このように野火の如く広まることはなかったのではないかとすら思う。登録するにもなんか抵抗があるだろう。
しかし、さえずりだったら今ほど炎上することもあまり無かったのではないだろうか。
だって、どんな辛辣なことや不道徳的なことや痛いことやアホなことを書いても「~とさえずった」ではよっぽどのことでなければ腹も立ちそうにない。
ツイッターはケータイからも気ままに発信できることから、HPやブログ等を持っていない人でもこれだけはやっていると言う人も多いだろうし、先の東北大震災ではツイッターがずいぶんと役に立った。その分デマや誤情報も相当流れたけどね。
どんなものも、良い点悪い点双方備えているものだが、ツイッターほどの諸刃の剣はなかなかないのではないかと思う。
しかし、ツイッターの発信を「つぶやき」としたせいで、つぶやく(呟く)と言う言葉の意味が変わってしまうのではないか、そう杞憂してしまう今日この頃である。
(※):鳥たちのさえずりは決して気ままなものではなく、伴侶を探すための種族存続にかかわる行動である。また、鳥の種類にもよるが、オスだけがさえずる場合が多い。
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コメント
ツイッターは興味ないですね。燐さんが指摘しているように、あれどう考えても「つぶやき」ではなく「喚く」と言ったほうがいいくらい。だいたい誰かの尻馬に乗って、リツィートってんですか、拡散希望とか、mixiの時もあったけど、「角さん希望、助さん不要」とか「角さん死んだ、娘は元気」とかなんだかんだいって大勢に広めて面白がる輩の多いこと。マッチポンプなバカが大杉栄。最近、SNSって意味があるのかなと考えてしまいます。あれほど面白かったFBも最近全然アクセスする気がしません。場違いな人間が一人でかき回しているし、そういう人と同列だと思われると、男子一生の不覚でござる。
投稿: drac-ob | 2012年6月 7日 (木) 23:25
drac-obさん
ニュースで「~とつぶやいた」という括りを見るたびに、違和感を感じていました。
『BOSS』というドラマでは、それに当たるSNSが犯罪予告などに使われていましたが、名前を「ツブヤイター」ともじっていました。そのまますぎてちょっとウケました。
ツイッターに登録しているものの、私もほとんど利用していませんね。FBも同じです。見れなくなるので登録解除はしていませんけど。
去年の大震災では役に立ったものの、デマや風評の拡散にもつながり、未だかつてないくらいのデマが広がったのは記憶に新しいです。
要するにあくまでツールであり使う人次第なんですが、使われてしまっては本末転倒ということでしょうね。
、
投稿: 黒木 燐 | 2012年6月 9日 (土) 08:00