« 復活しました。 | トップページ | スカスカなベストセラー »

2010年11月13日 (土)

尖閣ビデオ流出について思う。

 日本の政治には、失望に次ぐ失望でほとほと愛想がつきた。政権交代後も改善するどころか悪化する一方だ。政権を奪取した民主党が、与党末期の自民党以下で、政権能力がまるでなかったためだ。
 それで、たまに書いていた政治ネタももう書くのはやめようと思っていたが、これに関してはどうしても一言書かねば気が収まらないので、書くことにした。

 

 最初から映像を公開していれば、こんなことにならなかっただろう。最初から判断を誤ってしまった。しかも理由は中国に配慮して。
 しかし、この判断は、日中両国に対して不利益な結果を招いたと思う。アメリカが漁夫の利を得ただけだったかもしれない。 

 映像を見てはっきりするが、領土問題以前にあれは明らかに犯罪行為で、海保は犯罪者を逮捕しただけだ。そして、映像はその確固とした証拠だった。犯罪者を逮捕したのに、なんで被害者が気を使う必要があるのか。
 そして、中国で日本人が拘束されるや、船長を釈放し中国に帰らせてしまった。そして、中国漁船の恥ずべき体当たりの決定的証拠映像が公表されなかったがために、本来犯罪者として世間に顔向けできなかったはずの船長は英雄として扱われ、中国では日本に対する抗議一色となった。

 おかげで世界中からなめられてしまった。そして、足元を見るように11月1日、ロシアのドミートリー・メドヴェージェフ大統領が北方領土の国後島を訪問。「ロシアの領土を訪問」したにすぎないと言った。

 一連の出来事で、多くの国民は不満を蓄積していった。特に中国側のやりたい放題言いたい放題には鬱憤がたまる一方だった。それなのに、日本政府は一向にビデオを公表する気配がない。ひょっとして日本側に不利な公表できないまずい映像があるのかと、疑う者すら出てきた。そのためか、政府はビデオの開示をした。しかしそれは2時間の尺を7分弱に編集したもので、ほとんど衝突シーンのみ、しかも、一般公開はなし。それどころかマスコミもシャットアウトで、見れたのは一部の選ばれた議員のみだった。

 国民の不満はたまる一方で、憤懣遣る方ない意見がネットだけでなくリアル世界でも広がっていった。

 そんな中、この流出事件がおきた。皆が驚き、その映像はネットのみならず、すべてのニュース媒体によって流されまくった。そして、多くの(たぶんほとんどの)日本人が、それが想像以上に悪質な意図的衝突であったことを目の当たりにした。

 当然、メンツをつぶされた日本政府(の一部)は怒りをあらわにし、執拗な犯人探しが始まった。映像をアップしたsengoku38は、極悪人の如く扱われた。
 そして、アップから一週間足らずで、投稿した本人が自首し、一応流出事件は幕を下ろした。

 流出させたのは、海上保安庁の職員で、動機は大方の想像通り義憤からであった。

 しかし、この事件は起こるべくして起こったといってもいいと思う。この人がアップしなくても、近いうちに誰かがやったと思う。特に、当初は機密扱いではなく(そもそも、なんでアレが機密なんだ?)、職員なら閲覧は難しいことではなかったらしいので、ほかにも映像をコピーした人が複数いてもおかしくはない。
 命がけで逮捕した船長は釈放され、国民から方向を間違った非難を浴び、あまつさえ証拠となる映像も事実上握りつぶされたとなると、海保の不満や憤りは想像に難くない。

 これは、すべてにおいて、日本政府・・・政権与党=民主党の失態である。最初から間違っていた。ベクトルが日本の利益や国民の安全・国民感情を全く無視して、中国のほうに向いていたからだ。領土問題や国益よりも、目先のAPECを重要視したのだ。

 sengoku38氏はよくやったと思う。確かに、公務員としては正しくなかったかもしれない。そういう意味での処罰は仕方ないと思う。しかし、この映像は、ひょっとしたら永遠に公開されなかったかもしれないのだ。今の民主政権では映像の破棄すらしかねないのだから。

 内閣の支持率は降下に拍車がかかり、ついに30%を割ってしまった。そして、支持率回復のカードはほとんどない。
 明らかな犯罪行為をした中国人船長を釈放したのだから、38氏を放免してこそバランスが取れるというものだ。だから、38氏の逮捕をあきらめれば、ちったあ支持率も回復するかもしれないが、中国様への配慮でそれは出来ないだろう。なにより官房長官が「一刻も早く(映像を流出させた)犯人を探し出して、中国にご説明申し上げる」などと言ってたくらいだから。どこまで卑屈なんだよ。

 日本政府の誤った対応が、一人の生真面目な海保職員に道を誤らせてしまったのだ。管内閣にはそれを深刻に受け止めてほしいと思う・・・が、無理だな。たぶん、これからも似たようなことが続くだろう。内閣が代わっても、民主党の体質が変わらない限り・・・。

 それから、情けないのはマスコミだ。こういうものを独自で入手してスッパ抜くのが役割だろうに、手も足も出ず、いや、出さず。そして、映像が流出するや否や、これ幸いとあちこちが特集しまくりのダダ流しである。この流出を一番喜んでいるのがマスコミなんじゃないかと思う。情けないというか、それで、自分等にリークされなかったのを嘆いてりゃ世話はない。その資格が今のマスコミになかったことをもっと反省すべきだ。そりゃあ、下手すりゃ握りつぶされかねないんだから、怖くてとてもリークなんかできないよ。
 それより、かの官房長官様が「国民のほとんどは流出者の処罰を望んでいる」と、寝ぼけたこと言ってるから、半数以上の国民が、38氏を支持している、あるいは心情を理解しているってちゃんとアンケートとって突きつけてあげなさい。

 しかし、腹が立つより脱力感で、いまいち熱くなれないのはなぜだろう。自民党の時はまだ手ごたえがあった(当社比)。
 あの政権交代はしかるべくして起こった。自民党が末期状態だったからだ。しかし、ここで不安に思っていたことが、それ以上のバッドクオリティで現実のものとなった。そもそもの誤算は自民党の大敗であった。しかも、大敗のショックで、ほとんどパンチドランカー状態となってしまったのだ。
 ここに至って、ようやく自民党の支持率が民主党をやや上回ったらしいが、これも実力ではなく、相手のオウンゴールである。石破さんなどは、それをよくわかっておられるようだが。とりあえず、石破さんにはこれからもネチネチと民主党を追求し続けてくださることを期待しております。・・・って、変だな。石破さんのこと、大嫌いだったはずなんだけどな(笑)。最近可愛く思えてきたのは何故だろう。

 とにかく、管内閣はこの失態の責任をとるべきだ。そしてそれら一連のことが、どれだけ日本を不利にしたか、よく考えて、今からでも、尖閣衝突事件の全映像を公開すべきだ。
 現内閣が無能だという機密は、もうとっくに世界中にバレてしまっているのだから。

  

***********************************

38氏に対する署名のお願いを貼っておきます。
ただ、実名と住所をメールで送るという方法なので、ご利用は自己責任で。

 【署名のお願い】海上保安官に対する刑事処分に反対をするネットの会
代表 佐々淳行

署名の詳細はこちら
http://www.sassaoffice.com/

■アーカイブス■ 

アジアサバイバル:転換期の安保2010 「尖閣」で露呈、外交の「弱さ」

 漁船衝突は事故か故意か。故意ならば中国政府は関与しているのか。中国が対抗措置を繰り出していたころ、菅首相は周辺に「中国側の意図が分からなければ、おれは判断できない」といら立ちをぶつけていた。

 中国の戴国務委員による丹羽駐中国大使の午前0時の呼び出しは、首相官邸と外務省の連携の欠如を象徴する「失態」だ。中国側は午後6時と8時に、大使に会談を呼びかけたが、日本側がいったん断り、未明にずれ込んだ。だが、この経緯は官邸に報告されず、仙谷官房長官が記者会見で「未明の呼び出し」に不快感を示し、対中関係悪化に拍車をかけることになった。

 政府内の混乱は官邸によるその後の「外務省外し」につながる。
 仙谷氏は「外務省に頼らない中国とのルートが必要だ」と周辺に漏らし、日本企業の対中進出に携わる民間コンサルタントで、長く親交のある篠原令氏に中国への橋渡しを依頼。調整の末、民主党の細野前幹事長代理の訪中が実現した。

 「衝突事件のビデオ映像を公開しない」「仲井真弘多(沖縄)知事の尖閣諸島視察を中止してもらいたい」--。細野氏、篠原氏、須川清司内閣官房専門調査員と約7時間会談した
 戴氏らはこの二つを求めた。報告を聞いた仙谷氏は要求に応じると中国側に伝えた。
 外務省を外した露骨な「二元外交」は政府内の足並みの乱れを中国にさらけ出すことになった。
 「これからは外交ルートは外務省に一本化すると中国側に言ってある。よろしく頼む」。
 ベルギーで日中両首脳の懇談が実現し、ひと息つくと、仙谷氏は前原誠司外相にこう言ったが、首相官邸と外務省の溝は今も完全には解消されていない。

 外交・安保分野における与党の機能不全も露呈した。小沢民主党幹事長(当時)は党所属議員143人を率いて訪中したが、結果的に関係悪化を防ぐ役割を何も果たしていない。
 首相官邸、外務省、与党が連携を欠き、失態が相次ぐ菅政権。米保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」のディーン・チェン研究員は「日本は政治的に非常に脆弱であることが(尖閣事件で)露呈した」と指摘する。(抜粋)

 詳しくはこちらで
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101108ddm003030115000c.html

|

« 復活しました。 | トップページ | スカスカなベストセラー »

ニュース」カテゴリの記事

No More Heroes」カテゴリの記事

コメント

交代するの?

投稿: BlogPetのぽち子 | 2010年11月14日 (日) 15:50

海上保安官のやったことについては、賛否両論
あるでしょうが、やはりその原因を作った政府に
一番に責任を取ってもらいたいですね。

投稿: MM21 | 2010年11月14日 (日) 21:59

今回の事件。まさに日本の政治家の世紀末が始まる。どれだけ売国政治家が、うじゃうじゃ出て来るかきりがない。それだけではない!!宗教系政治家が、今回の事件で何を企んでいるか、警戒しなければならない。話はそれるが、靖国神社に祭られている霊の中に、戦前にイスラム教布教を行う団体創設に関わった軍人がいた事実がある。靖国神社参拝する奴は、イスラーム主義に賛同している事を見なさなければならない。靖国神社は神道ではない!!靖国神社関係者はこの事実を隠している!! 以上

投稿: 北海の小市民 | 2010年11月17日 (水) 15:57

>ぽち子

交代してほしいけど、見合う政党がいないね。

投稿: 黒木 燐 | 2010年11月21日 (日) 16:36

MM21さん

尖閣中国漁船衝突事件は、最初から対応がまずかったですね。昔なら切腹ものの失態です。しかし、相変わらず他人のせいにして責任をとるつもりは毛頭なさそうです。
外国には頭を下げ自国民にはふんぞり返り、メンツをつぶされたら烈火の如く怒る・・・。いったいどこの国の政府なんだか・・・。

投稿: 黒木 燐 | 2010年11月21日 (日) 16:43

北海の小市民さん

日本の政治はかなり末期的で、いろいろ考えると恐ろしいですね。

イスラム教徒の一部が世界でいろいろ問題を起こしていますが、それは原理主義者を中心とする人たちが大半で多くのイスラム教徒たちは普通の人たちです。イスラムの神様はキリスト教と同じ神様ですしね。
イスラムの教え自体は悪いものではないと思います。教義を曲解改悪して人に害をなすのは、宗教ではなく人間です。
それから、イスラム教の「布教に努めた人」が祀られていたとしても、靖国がイスラム教の施設にならないと思います。
そこにお参りする人は、一部の政治家を除いて、戦争で亡くなった家族が祀られているからだと思います。私の祖母のように。私の祖父は、インパール作戦で捨て駒にされた数多の兵隊の一人です。あの戦争の戦死者の多くは骨どころか遺品すら戻ってこなかったのです。そんな人たちが、靖国を心のよりどころとしているのでしょう。
私はあそこを政治の具にしてほしくないと思っています。

投稿: 黒木 燐 | 2010年11月21日 (日) 17:22

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 尖閣ビデオ流出について思う。:

« 復活しました。 | トップページ | スカスカなベストセラー »