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2009年3月15日 (日)

『20世紀少年 第2章 最後の希望』を見てきました。

20世紀少年公式サイト
20thboys_3 http://www.20thboys.com/

注意:ネタバレを含みます。

 今回も、比較的原作に忠実で良かったです。ストーリーも、うまい具合にあの長い話をまとめてショートカットできていたし。まあ、中にはちと無理な特殊メイクで気持ち悪い見栄えになってしまった役者さんがおられた(特にサダキヨと仁谷神父)けど。メイクはそこそこに。
 逆に、原作のイメージに囚われずに役者の個性を生かした小池栄子扮するドリームナビゲーター、高須インストラクターは、なかなか鬼気迫っていて良かった。他のナビゲーターたちも、ああいうところの気持ち悪い雰囲気を見事に表現していて良かったと思う。実際、私はネズミーのようなテーマーパーク自体が気持ち悪いと思っているから、それに宗教的(「ともだち」関係はもともと宗教であった)なものを加味すれば、ああいう異空間が出来るのである。 因みに「ともだちランド」のシューティングゲームはよく出来ていたと思う。原作のよりもリアリティがありました。

 で、問題のカンナ役。まあ、覚悟して見に行ったので、そこまでガッカリはしなかったけど、やっぱりリアル年齢が23歳では高校生役には無理があったと思います。3章のともだち暦でも原作では20歳そこそこなんですからね。でも、体当たりで頑張っていたのは高評価です。

 それに対して、小泉凶子もとい小泉響子は評判どおりすごかった。まるで原作のコイズミが乗り移ったようでした。もともと彼女の存在は作品中の清涼剤のようなもので、その癒し系キャラを充分に演じていました。

 オッチョ・ヨシツネ・マルオ。彼らはもう言うことなし。特にマルオは2015年の渋いマルオを石塚英彦が演じられるかどうか不安だったけど、まあ、なりきってましたね。オッチョは原作とは違い禿げていなかったですが、その理由は、実際禿げズラをつけてみたら、ほとんどコントになってしまったかららしいです。でもまあ、万丈目とハゲキャラが被るので、却って良かったのではないでしょうか。そもそもトヨエツにハゲは似合わんぜよ。

 特筆すべきは、珍宝楼の店主、珍さんを演じた小松政男。もう、ああいう怪しい中国人やらせたら右に出るものはいませんね。もう爆笑ものでした。原作と違って中国に強制送還させられてしまったらしい。大人の事情なんでしょうが惜しい! あと、ブリトニーさんとマライアさんのニューハーフ組。良かったです。ブリちゃんはもちろん原作どおりに狙撃されて即死しますが、その倒れっぷりもお見事でした。マライアさんは、原作では最終章まで登場するので、これからも期待です。
 それと、前回から引き続き登場の、駄菓子屋通称「ジジババ」のババ役の研ナオコ。相変わらずのハマリ役でした。
 さらに、春波夫の歌う「ハロハロ音頭」は最高ですな。

 また、「ともだち」の支配する近未来、2015年はかなり科学力が進んでいます。多分リアルでは追いつけないでしょう。異様な科学力と、一般生活のそれとは無縁なあまり今と変わらないが徹底的に統制された暮らし。玩具やバーチャルテクノロジーだけは浸透しています。
 「ともだち」ニュースを伝える女性アナウンサーは北朝鮮のあの人がモデルでしょうなあ。それから「ともだち」のパレード。妹がソウカじゃん!と一蹴していました。多分製作者側にもそのつもりはあったんでしょう。まあ、独裁者のやることは皆同じってことですな。

 惜しかったのは、狙撃されて殺された「ともだち」が生き返った件(くだり)。
 原作では、万博開会式で「ともだち」の遺体とローマ法王が対面するシーンで、暗殺されようとした法王を生き返った「ともだち」身を呈して守り、それで全世界が感動し(復活&法王を守った)「ともだち」が神となる、という流れだが、映画では全世界が見守る中で復活しただけ。あれでは、「ともだち」が素顔を明かしてないこともあるし、自作自演で実は死んでいなかった、或いは死んだのは替え玉、などという疑惑を持つ人間が大勢出てくるだろう。特に、日本以外の国の人たちは。いまいち説得力がないが、やはりローマ法王を出すのはヤバイということになったんだろうね。
 あと、原作とオチが違うらしいのだが、「ともだち」が狙撃される前にオッチョに謎掛けをするのだが、そのときオッチョが「おまえはあいつか!」と言って思い出したお面の少年が、どう見てもヨシツネだったということに驚きを隠せなかったです。なんでやねん。原作のヨシツネは、弱い自分を奮い立たせて皆の居ない間、秘密基地を守って密かに「ともだち」一派に対抗してきた健気なキャラですよ。「ともだち」の正体にするなんてあんまりだ。ミスリードだということを祈ります。
 「ともだち」の正体が原作どおりの「あの人」でありますように。っていうか、秘密基地の隊長と「ともだち」の兼任は無理だろうと思うけどな。

 さて、最終章は今年の夏の終わりに公開予定です。期待しています。ガッカリさせるなよ~。

【追記】

 気になったことがあった。エンドロールの最後で、子ども時代のケンヂたちがいっせいにウルトラマン/ウルトラセブン(当時だからこのあたりだろう)の光線ポーズをするのだが、ほとんどがウルトラセブンのワイドショットのポーズをしていた。オッチョに至ってはエメリウム光線のポーズだった。ユキジのポーズは謎。セブンの方が新しいので当時の子ども達がマネしやすかったって設定かな?

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