もはや年末恒例! たけしの超常現象スペシャル2008
去年も年末恒例の、ビートたけしの超常現象スペシャルがあった。
ビートたけしの禁断のスクープ大暴露!!超常現象[秘]Xファイル!!
http://www.tv-asahi.co.jp/pr/contents/20081230_43110.html
今回で11回目となるようで、年一とはいえよくも続いたものである。最初は紅白にぶつけて31日夜に放映されてたのだが、近年は30日の夕方からがデフォルトになったようだ。流石に紅白相手だと視聴率が落ちるのか。
この番組は、もともとTVタックルでやっていた超常現象バトルが思いのほか視聴率が取れたので、年末に特番として放映したらこれまた視聴率が取れたので年末恒例化したらしい。
まあ、こういうスタンスの番組としては唯一無二ともいえるのだが、それでもいろいろぬるさを感じる面も多い。
まず、否定派の人材が酷い。毎回超常現象否定派代表として登場する大槻センセイは、もともとツッコミどころ満載の妙な否定をされる方だし、特に最近アポロ月面着陸疑惑、いわゆるムーンホークス説に傾いて、あちらの方にすっかりなっていらしゃるように思える。今回、肯定派の(韮澤さんはおいといて、)山口某(名前失念)の方がよっぽど言うことに説得力があった(言ってることの正否は置いといて)。
否定派に人材がいないわけでもないと思うけど、否定派=大槻教授と認識からか、喜んで出演されるのが大槻教授しかいないのか、多分両方だと思われる。否定派・・・というより懐疑派の方の出演が望まれるのだけど、彼らは番組の編集で言っていることが捻じ曲げられる可能性を憂えているのだろう。
まあ、たけしや司会の水道橋博士(浅草キッド)、TVタックルレギュラーの大竹まことの番組側のタレントやゲストの荒俣先生(この人のスタンスはいまいちわからんのだが)がどっちかって言うと懐疑派なので、まあ、大槻サンセはハンデと思えばいいか(笑)。
私は夜7時からだと思い、ついぞ手をつけられなかった自分の部屋の掃除をしていたら、妹が始まっていると呼んでくれた。行ったら心霊ヴィデオベスト10が始まっていた。
しかし、デジタル技術が発達した昨今、こういうものが全く信じられなくなってしまった。どんな写真も映像も比較的簡単に出来てしまうのだから。中にはどう考えても合成だろうってのもあったし。ところが、作っただろ?って突っ込みはNGなのか言ってもカットされたのか、誰も合成についての言及はしなかったように思われる。ここは、せっかくシティボーイズの大竹まことがいるんだから、是非「貼ったね!」とやって欲しかったところだったのだが。
その後はウマ・・・じゃなくてUMA(未確認生物)。BBCのエイプリルフールネタ、空飛ぶペンギンの映像と今更なネタばらし。あと、日本のUMAの紹介があったけど私は何か用があって席を外していたら、ほとんど終わっていました。ゴム人間って何よ。どう見てもネタじゃん。あと、ツチノコと酷似したトカゲ(アオジタトカゲ)を紹介して、これが正体ではないかというのに皆納得した模様。
さて、その後が定番のUFOネタである。
メキシコのメテペックに現れた、謎の生物メテペック・モンスター(まんまやんけ)の正体を探るという。いや、馬鹿馬鹿しくてどうでもいいので、ざっと流すが、ネズミくらいのサイズで大脳が発達し、研究用に飼っていた猛禽類を襲って食ったという???? なんでそんな小さい生物が猛禽類を襲って食わんといかんのか、大脳が発達していて、ひょっとしたらうちうじんいや、宇宙人かもしれんのが、すっぽんぽんでネズミ用の罠にかかるのはいかがなものか、また、何故ケダモノっぽいのか(遭遇したら絶対に「シャーッ!」と威嚇してきそう)、もう、メキシコ人の考える宇宙人って何よ。
メキシコってのはUFOの目撃や映像が撮影されることが多いことでも有名だが、それだけUFOというものに感心が高いということなのだろう。しかし、メキシコ人の考える宇宙人と言うものが、怪物の変形のようなものなので、こんなバケモノだらけになっちゃったんだね。まあ、メキシコに限らす、世界中のUFO譚に妖怪話の変形のようなフォークロアを感じさせるものが多いけどね。
で、それと関連付けて、ケツアルコアトル(羽毛を持ったヘビ)と宇宙人を関連付けて、メキシコ古代文明は宇宙人の技術を使ったのではないかと仮定。
これについて、私はかねがね言っているけど、古代文明と宇宙人を関連付けるってのは、昔の人の技術力を馬鹿にしているとしか思えん。例えば測量技術なんて、基本は何千年前のエジプトとあまり変わってないんだぞ。もちろん昨今の測量機械などはコンピューターやGPSなどと繋がってかなり精度が上がっているとは思うけど。あとは建設機械が未発達だったので人海戦力に頼るしかなかったくらいですか。
このメテペック・モンスターのミイラは、スタジオでもレプリカで紹介されていたが(検疫の関係上ホンモノは持ち込めないらしい。当然ではある)、番組でこれだけのものが作れるんだから、そりゃあ、元のミイラも推して知るべしというところだろう。外見に合成痕がないというのも、全部が作りものなら当然といえば当然である。これから色々調べて正体解明に努めるとか言っていたが、多分調べたらすぐにボロが出るからやらないだろ。生前の写真も実に噴飯ものだった。せめて動画で残せよ。トンデモ動物学者の実吉達郎にまで「こんな動物はいない」とコケにされていた。
あとはお決まりの「私って宇宙人に選ばれてお友達になったの。すごいでしょ」のコンタクティ話が色々。しかし、宇宙人ってのはなんであんなうだつの上がらなさそうな男を選ぶのかね。そんなヤツに宇宙平和なんぞ説いても糞の役にも立たんだろう。須藤元気、脳内麻薬の出すぎかとうとうあっちの住人になってしまわれたもよう。
我らが韮澤さんは、宇宙人が友人という友人をスタジオに連れてきた。これも皆から突っ込まれまくって〓〓〓終了〓〓〓。相変わらす外さないなこの人は。お笑い芸人が涙目で羨ましがる天然ボケ。しかし、この人、どこまでが本気なのだろう・・・。
それから、もとアポロ14号の宇宙飛行士、エドガー・ミッチェルさんの証言「宇宙人はすでに地球に来ている」。よくある、宇宙人はアメリカ政府とマル秘コンタクトを取っており、アメリカは宇宙人の技術を学んで実用化しているってやつ。ロズウェルの宇宙船墜落事故も本当にあったことらしい。
まあ、アポロの宇宙飛行士ってのは、陸(おか)に上がるとあっちの世界に行っちゃう人が多いので有名ですから、これもどこまで信じていいのやら。やはり、あまりにも非日常的な経験をすると、ああなっちゃうのかな。キリスト教的宗教観もだいぶ関係するかもしれない。
で、ここで、アポロ月着陸疑惑を振られた大槻教授、自身の月着陸疑惑に関する考察を炸裂。アポロは断固月には着陸していないと意見を固持。証拠はアポロが持ち帰り日本にも一部を送られ、一時期というか万博の間アメリカ館に展示された『月の石』。これは絶対に地球産で月から持ち帰ったんではないと。
まあ、そりゃあ月は原始地球にぶつかった天体(微惑星)のために、地球から飛び散ったものから形成された(ジャイアントインパクト説)んじゃないかという有力な説があるから、成分が同じでも不思議はないだろうと、ブツブツ突っ込んでいたら、司会の水道橋博士がちゃんとそのツッコミを入れてくれた。たけしからもその追加説明があったのだが、大槻センセイは止まらない。そんなことはわかっているが、月は地球と違って空気がないから、宇宙線の放射線痕が多く入っている筈なのに、調べても特に変わらない。何故、今月ロケットを飛ばしていないのか。変じゃないか。それに月面に反射鏡を置いてきたというが、今もある筈なのにまったく話題にならないではないか。これは、それ自体がウソだからだ、云々。反射鏡実験が話題にならないからやってないって大槻先生が無知なだけじゃないかと。http://www.mitsubishielectric.co.jp/dspace/column/c0407_4_b.html
誰も突っ込まなかったのは、大槻先生が気の毒だからだったりしてな。
因みに今、月に人を送ってないのは、人を送るのはやはりリスクが高く、わざわざ莫大なコストをかけてそういうことをするメリットがないからだろう。探査機で充分ってところかな(目下のところは宇宙ステーションでしょう)。あの頃は米ソで競争してたから、特に加熱していたってのもある。それともうひとつ忘れていた。ベトナム戦争への目隠し的役割もしていたのだった。そういえば去年だったか、ブッシュがまた月面ロケットを飛ばすみたいなことを言ってたけど、頓挫したのかな。
中国でも月に有人ロケットを飛ばす計画があるようだが。要するに、月に人を送るのは国威掲揚になるということか。
ってか、元大学教授(※)が私みたいなポン大出のオバサンに突っ込まれるなよと。
で、たけしが「こりゃあ、アポロ疑惑だけで二時間行けるな」と感心していたが、是非やって欲しいものだと。なんとなくたけしにやる気が見えたので実現するかも知れない。なんせ、今年はアポロ11号の月面着陸から40周年だ(なんと、あれから40年も経つんだよな・・・)。その暁には、大槻先生だけではなく、是非とも山本弘さんや副島先生もゲストに呼んで欲しいものである。
関連記事
kikulogより『大槻先生と「月の石」』
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1230696925
その後、また胡散臭さ大爆発の、宇宙エネルギーを利用するという宇宙気功師が人を自由に操る、というコーナー。あまりにも馬鹿馬鹿しくて殆ど見なかった。だってねえ。気功なんてほとんど暗示みたいなもんだし、宇宙エネルギーを利用するって言っても、どこが普通の気功師のやってることと違うっていうのかと。
意外にも大竹まことがかかりそうになって本人が驚いていたらしい。まあ、催眠術みたいなもんだからね。見かけによらず素直な人なんだねえ、大竹さん。で、見せ場の大槻先生と気功師の対決だが、さすが頑固者の大槻センセイ、暗示にかかることなく見事、気功師に勝利。バンザーイバンザーイバンザーイ(棒読み)。
とまあ、こんな感じでした。
この番組を見て、思わぬ収穫だったのが、スザンヌが意外と騙されない人だったってこと。けっこう受け答えが冷静で、ちゃんとおかしいところはほんわかとしながら指摘していた。今までのアイドルタレントとは一線を引いているって感じです。この子は絶対におバカではないぞ、と思った。おバカタレントが振りじゃなければ単に知らないことを誤魔化さないだけでしょう。意外と老獪で、あのほんわかは侮れないぞと。
番組自体が最近ちとマンネリ気味なのと、ツッコミがあまりにも消化不良なので、見ていて却ってフラストレーションがたまりそうになるが、視聴率は取れてるようなので、来年も無事に12回があるでしょう。まあ、こんな番組があるということは、日本がまだ平和だっていうことですから、続いて欲しいですね。
●番組の流れ
http://www.tvblog.jp/kanto/archives/2008/12/post_123018300006.html
※大槻教授はもう「大学教授」ではないそうです。現在は早稲田大学「名誉」教授。教授という肩書きについては、私もよくわからないのですが・・・。っていうか、大槻先生が教授から名誉教授になったことすら知らなかったんだけど。
【おまけ】
爆笑エイリアン映像「空から隕石が降って来た」(有名な映像だけど)
http://jp.youtube.com/watch?v=r8sg-5DVAuI&feature=related
空から以外にどこから隕石が降るのかという突っ込みはおいといて、かなり笑えます。尺は4分弱だけど妙に長く感じますが、我慢して見てね。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- ぜんぜん「別嬪」じゃない朝ドラ『べっぴんさん』(2017.03.19)
- 蓮子と伝助(あるいは「花子とアン」)(2014.07.20)
- 最近心霊動画の質がひどすぎる件(2013.10.07)
「懐疑的考察」カテゴリの記事
- 地震と陰謀論と流言と(2016.06.13)
- 最近心霊動画の質がひどすぎる件(2013.10.07)
コメント