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2008年5月22日 (木)

コメディドラマ(洋画)のチョイ役かドッキリの騙され役になったような気がした話

 月曜(19日)の帰りのことじゃった。

 運悪く朝から雨♪だったが、帰る頃になってまた激しく降り始めた。それでも黄色いカラス、じゃない、会社に残っていてもしかたないし、土砂降りでもなかったので素直に帰ることにした。うっかり傘をオフィスに忘れて玄関から後戻りするという、相変わらずお茶目な粗忽があったりしたものの、無事に会社を出、雨の中傘を差しながら例によって駅までタッタカ35分、歩いて帰ることにした。
 雨は思ったより激しかったし風も強かったが、この前のように首から下が全身ずぶぬれになるほどのこともなかった。

 特に何事もなく、ゆ○タウンの駐車場まで来た。雨の為に駐車場は水浸しで、あちこち小さい池や川の流れが出来ていた。それを見ながら、子どもの時は雨の日に校庭を歩いて水の流れを見ることが好きだったことを、ふと思い出した。学校で理科の授業で習った川のミニチュアが、あちこち即席で出来ているからだ。上流から下流へ流れ、蛇行や三日月湖、河岸段丘、扇状地、三角州などが観察出来、見ていて飽きなかった。

 まあ、それは今回本題でないのでこれくらいにしておこう。

 ゆめタ○ンが出来てから、歩いて帰る時はそこを通り抜けるようにしている。月曜も例に漏れずというか、迷うことなく店に入っていった。
 入り口には、傘の水切ボックスと傘を差し込むと簡単に傘袋が装着できる機器がおいてあった。因みに傘の水切りボックスとは、スポンジ状の8本の三角柱の吸水素材を八角柱になるように並べてその中心に傘を突っ込んで水を吸い取らせる、傘袋を使わないでそのまま店内に持ち込めるような、エコロな器具である。まあ、これは雨の日にはよく見られる光景で珍しいことではない。そこで、傘の水を切ろうと水切りボックスに突っ込んでごしごししたが、たいして水は切れない。でも以前からそんな感じだったのであまり気にせずに、傘袋に入れようと水切りボックスから傘を回収した。その時、向こうから歩いてきた女性店員(けっこう年配でした)が声をかけてきた。
「水切りの調子が悪いって苦情が出ているので、ちょっとその傘お借りしていいですか?」
私は特に何も考えずに、いいですよと快く傘を差し出した。すると傘を受け取った店員さんはいきなり水切りボックスに傘を突っ込むと、親の敵のようにガシュガシュと上下させた。
「う~ん、やっぱり水が綺麗に切れませんねえ」
彼女は一旦傘を出して観察すると、またもやボックスに突っ込むとガシュガシュガシュ・・・って、おいっ。

「やっぱり壊れとるとでしょうか」
ガシュガシュガシュ・・・
「メーカーに言わんといかんでしょうかねえ」
ガシュガシュガシュ・・・

彼女はブツブツ言いながら、ガシュガシュを一向に止めようとしない。こちらにとっては「そんなのシラネーヨ」である。それよりなんか、傘の骨が妙に歪んできたように見えてきた。私は苦笑いしつつ、壊されないかと冷や冷やしながら見ていたが、結局水はほとんど切れないのであきらめたようだった。そりゃあ、そんだけ吸水材が水を含んでたら、切れるもんも切れんやろうと思ったが、この時点でこの人をアレな人認定していたので黙っていた。
「やっぱりメーカーに言ったほうがいいですね」
彼女はそういいながら傘を引っ張り出そうとしたが、骨が一本ひっかっかって取れなくなってしまった。
「ああ、すみません、ちょっと待ってください」と、オバハン。またしても乱暴に扱われる私の傘。どこかに隠しカメラがあるのではないか、赤いヘルメットを被った人がやってくるのではないかと周りを見回したが、そんな様子はない。傘は一向に出てくる様子もなく、女性店員はだんだん焦ってきたらしい。ますます傘の扱いが乱暴になる。「私がしましょう」という言葉がのど元まで出てきたが、くどいようだがちょっとアレな人みたいだったので、私は言葉を飲み込んだ。
 ようやく水切りボックスの異空間から救出された傘は、よれよれになっていた。まあ、もともとヨレヨレだったが、それに輪をかけたヨレヨレだ。おまけに数カ所傘の露先がはずれ、傘の生地がべろんと垂れている。そのうち一箇所の親骨は曲がって反対側の露先にはまりこんでいた。人間なら瀕死の状態である。彼女は焦って(そうは見えなかったが)「すみません」といいながら、はずれた露先を親骨の先に差し込みはじめた。

傘の構造

その後、なんとか元の形に戻った傘をようやく返して貰い、まだハンパなく濡れているので傘袋にいれようと思ったら、オバハンが先に袋を取って待っている。仕方がないのでそれに傘を入れた。因みにその傘袋の機械も本来なら傘を突っ込むとビニール袋が装着されるというものだが、やはり壊れているらしい。これは私の推理だが、正しい使用方法を知らない人たちが、袋だけ引き抜いて使っていたために、詰まってしまったのだろう。
 別れぎわにオバハンが言った。
「大雨だったけど、小降りになって良かったですね」
はい、それより傘が壊れなくて良かったです。100円傘よく頑張った。と心の中で言いつつ答えた。
「そうですねえ。まだ安心できませんが」
「あ、はい、そうですよね」
その会話を最後に私はそそくさとその場を後にした。

 つかの間の間だったが、女ミスタービーンというかその手の人物にリアルに出会って、やっぱ、こんなヤツはリアルで身近にいて欲しくないと思った。まあ、しばしそう言うドラマの登場人物になった気分を味わえただけ、良い経験だと思おう。

 それにしても、初対面の人間から傘を借りてあのような乱暴な扱いをして壊しかける(元に戻ったが、実際に一度壊れたな)なんて、人によっては因縁をつけたり「責任者を呼べ」と言って弁償をさせたりしかねないだろうに、何を考えているのだろう。多分私がそういう危険な人間じゃないとおもったんだろう(実際に店の責任者に怒鳴り込んだりしなかったし)。ある意味なめられたのかな。
 しかり、世の中には理解不能な人が存在するもんだと、改めて思わされた出来事であった。

 事実はコメディ・ドラマより奇なり。

 
 

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徒然くさ」カテゴリの記事

コメント

燐さん、本当に色んな人に遭遇しますね。
危害を加えられなくてよかった(?)と思うべきなのでしょうか、やはり。

投稿: MM21 | 2008年5月26日 (月) 21:12

MM21さん

やっぱり他の人に比べると、遭遇率が高いでしょうか・・・。
そう言えば、変な人に声をかけられたりもするなあ。
決定打に当たらないように気をつけないといけませんね。

投稿: 黒木 燐 | 2008年5月27日 (火) 12:28

でも、そう言う「危ない人」っていっても
単に変な人から実際にやばそうな人まで、どう
見分けをつければいいのか、私にはわかりません。
難しいですよね~。

考えてみれば、今回のおばさんも、人様の傘を
壊したんだから、相当怖いですね。

投稿: MM21 | 2008年5月27日 (火) 21:32

MM21さん

>でも、そう言う「危ない人」って(中略)
>どう見分けをつければいいのか、私にはわかりません。
>難しいですよね~。

江東区の事件の犯人も、一見そんな猟奇殺人犯には見えませんもんね・・・。
しかし、凄くムカムカする事件です。絶対に死刑にして欲しい・・・。

>考えてみれば、今回のおばさんも、人様の傘を
>壊したんだから、相当怖いですね。

まあ、その傘で襲って来なかっただけよしとしましょう。
ああこわ・・・。

しかし、よく考えたらMM21さんが出会ったシャブ中ポン刀男が一番スゴイと思います。

投稿: 黒木 燐 | 2008年5月29日 (木) 12:33

>親の敵のようにガシュガシュと上下させた。

>正しい使用方法を知らない人たちが、袋だけ引き抜いて使っていたために、詰まってしまった

下のは燐さんの「推理」ですが、こういう、モノの扱いが雑な人って一体何なんだろう? と思います。

本人の物なら誰もとやかく言わないけど(本人の物であってもあまり見たくないけど)他人の物や公共物を雑に扱う人に遭遇すると、腹が立つやら呆れるやら殺意を覚えるやら.. 日本をこんなグダグダな国にしたのが全部その人のせいのような気さえしてきます(妄想)。

子供のイタズラ等と違って、「オバハン」のこういうのは悪意がないぶんタチが悪いんですよね。単なる「雑」というのは自覚がない限り死ぬまで治りませんから、仰るとおり、

>やっぱ、こんなヤツはリアルで身近にいて欲しくないと

私も思います。
せっかくコミカルに書いておられるのに、身もフタもない表現の連発でスミマセン..(v_v)  毎日、スーパーの自転車置き場なんかで「おいおいっ!」と思うことが多いものですから、つい..

投稿: 猫だぬき | 2008年6月 2日 (月) 17:18

猫だぬきさん

先週のことですが、やはり「ゆめタ○ン」での話です。

本屋に寄ろうとエスカレーターの近くまで行くと、親子連れが近くを歩いていました。両親と小学校低学年くらいと幼稚園くらいの兄弟の4人でした。その子らは、まあ、イタズラ盛りの年齢ですが、まず年上の方が、店内案内看板を力いっぱい蹴飛ばしました。すると、弟の方がそれをまねて蹴飛ばしました。しかし、両親は傍にいるのに全く注意しません。多分これが自分の家のものだったら、こっぴどく怒ったに違いないだろうに・・・。で、また、兄の方が蹴ろうとしたので、私は見かねて「蹴るな!」と怒鳴りました。男の子はびっくりして両親の方に走っていきました。

子どもはまだ分別のつかない年齢なので仕方がないけれど、私はこの両親に怒りを感じました。こういう親に育てられた子どもが、どんなクソガキになるか推して知るべしですね。

>日本をこんなグダグダな国にしたのが全部その人のせいのような気さえしてきます(妄想)。

そういうのが大量発生した結果がこのグダグダなのではないでしょうか。
あまりにも利己主義な人が増えてしまいました。「世界にひとつだけの花」ばかりになった結果がこれなのかもしれません。カスミソウだっていいじゃないか。

投稿: 黒木 燐 | 2008年6月 3日 (火) 00:23

>「世界にひとつだけの花」ばかりになった結果がこれなのかもしれません。

ごもっとも、異議なしです。オンリーワンだの、特別だのとなにやら錯覚させて、お上の手のひらで踊らされている圧倒的多数のいわゆる「負け組」、格差社会におけるガス抜きは「君は特別なんだから」とか「オレはやるぜ、何かを」みたいな意味の分からないエリート意識と、他者を必要以上に見下す差別意識で誤魔化されてるなと感じます。

とにかくバカ親のもとでバカチルドレンが大杉。所詮オレたちゃ1銭5厘の価値も無いのよ。そのあたり自覚しとかないと悲惨な目にあうよ。

投稿: drac-ob | 2008年6月 3日 (火) 22:26

drac-obさん

私も思いきり「負け組」のうえに、所謂「負け犬」ですが、やっぱ、たまには癒しが欲しいことがありますね。でも、たった一つだけの花と言われても、あまり嬉しくない。
てか、花屋の花ってみんな同じように綺麗かと。見事に優劣が見てわかりますよね。それも、品種改良を重ねられ、熾烈な競争に生き残った品種です。だからこそ綺麗なのに。

まあ、さすがに歌詞をそのまま鵜呑みにしてる人も少ないでしょうけれど。そも、あの歌が売れたのはドラマが良かったことが大きいでしょう。私はどっちてぇと、ドラマのシーンが浮かびます。

って、話がそれにそれてしまいました。
要するに詭弁にダマされるなと言うことですね。

>所詮オレたちゃ1銭5厘の価値も無いのよ。そのあたり自覚しとかないと悲惨な目にあうよ。

要するに頭数でしか無いわけで。
すでに、人間モドキが大量発生してるし。

投稿: 黒木 燐 | 2008年6月 4日 (水) 12:52

子持ちとしては、やはり我が身を振り返ってですねえ。
自分の子どもは叱れますが、他人の子はなかなか叱れない
と言うのが現状ですね。
うちの子も、この前映画を見ている最中にDSをやり始めたので、あわてて止めましたが、ほんまあせりました。

そんな私が書く資格は無いのかもしれませんが、最近
子どもそっちのけで携帯画面をのぞき込んでいるお母さん、
多いですね。
外を歩いている時くらい止められないのって思います。

投稿: MM21 | 2008年6月 4日 (水) 21:22

MM21さん

ご自分の子どもを叱れるということだけで充分親として合格です。それすらしない親が増えるので、赤の他人が叱らねばならなくなる。
子ども(赤ん坊・幼児を除く)は大人が思うよりずっと理解力があるのですから、ちゃんと何故悪いのかを説明すれば理解してくれるはずです。

>最近子どもそっちのけで携帯画面をのぞき込んでいるお母さん、多いですね。
>外を歩いている時くらい止められないのって思います。

既に中毒してますね、そう言う連中は。脳内麻薬が出まくってるので、やめられないのでしょう。
ケイタイやめますか?それとも人間やめますか?って思います。
しかし、子どもを教育する前に親を教育せねばならないというのも悩ましいことです。

投稿: 黒木 燐 | 2008年6月 6日 (金) 12:51

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