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2008年5月13日 (火)

平和と陰謀論

 物理学者の菊池誠教授のブログkikulogにこういうエントリーが上がった。

憲法9条と911陰謀論、または安斎先生はどう考えておられるのだろう
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1209434581

 9.11陰謀論とは、2001年9月11日のアルカイダによる米国への大規模テロが、米国の自作自演だと主張するものだが、たまにテレビでも興味本位で取り上げられたりするので、なんとなく知っている方も多いのではないか。

 たしかにkikulogで指摘されているように、憲法9条堅持の立場の人たちに9.11陰謀論の支持者が多いように思われる。実際にブログにそれ関連のサイトをリンクしていたり、バナーを貼っていたりするのを見かける(もちろん、あくまでも「多い」であって、大多数とか過半数とかいうわけではない。しかし、いわゆるラウド・マイノリティというやつで、これはこれで問題なのだ)。さらに右傾な人たちだって9.11陰謀論支持の人がいる。しかし、問題なのはどういう考えの人が9.11陰謀論を指示するかというのではなく、9条を守るということと、9.11陰謀論が並べられるとまさに玉石混淆、とたんに胡散臭くなってしまうということなのだ。(だから、リンクやバナーを貼りたいなら、せめてこの二つの間を遠く離して掲示してほしい・・・)

 確かに、何を信じようと個人の自由だ。例えになるが、江原の霊視を信じようがジュセリーノの予知夢与太を信じようが。しかし、それによって何が問題になるか誰に得をさせるかよく考えて欲しい。テロや災害、個人レベルで言えば、不幸や悩み等を利用して平気でメシの種にする。それ自体はまあ、今までお咎めがないんだから罪ではないのだろう(当てはめればナントカ罪とかになるのだろうけど)。しかし、その災厄によって多くの方が亡くなっている、あるいは悲しみに打ちのめされ、未だに心の傷を抱えているということを忘れてはならないと思う。

 9.11テロでペンタゴン突っ込んだのはボーイングではなく、実はミサイルだったという説の場合、実際にテロに付き合わされた乗客及び乗務員が全員亡くなっておられるのだが、彼らの存在を蔑ろ(ないがしろ)にするような話に納得するのはどうかと思う。あまつさえ、目撃者の証言を部分的にカットして都合の良い証言に変える様な小細工をするヴィデオに信憑性があるのだろうか。信頼がおけるだろうか。

 以前も書いたし、あちこちでも書いているが、私も昔はわりとトンデモを信じていたり、最近ですら『買ってはいけない』を信じかけたという黒歴史があるのであまり偉そうなことはいえないのだが、人というものは自分(の信じること)に都合のいいものを信頼してしまうというところがある。9.11陰謀論にハマってしまった人に、「平和主義者」が多いのも、米国性悪説が根底にあるのは確かだろう。
 確かに、アメリカが今まで何がしかの陰謀を企てあるいは実行し、これからも企て或いは実行するようなことはあるだろう。例えば、カストロを暗殺するために、(いろんな意味で)スパイ映画真っ青の謀殺計画がなされ実行された(結果は、計画に問題があったのかカストロの運が強すぎたのか、全て失敗に終わった)。
 だが、9.11陰謀説で主張されていることは、あまりにも短絡すぎではないか。機体の残骸がないからミサイルだとか、WTCビルの倒れ方がビル爆破にそっくりだから、実はあの倒壊はダイナマイトを使った爆破ではないかとか(流石にこっちの方は飛行機がビルに突っ込む証拠の映像があるので、ミサイル説は無さそうだ)、ほとんど見た目だけの判断から、都合のいい検証だけして結果を導き出せば、望みの結果が出るのは想像出来るだろう。そもそも大型旅客機が堅牢な建物に真正面から突っ込んだのだから、機体が原型をとどめないくらい大破しても不思議ではないだろう。遺体に関しては言わずもがなである。
 それら陰謀論の検証は、以下のサイトを参照して欲しい。どれだけやりたい放題をしているかがわかると思う。

分解 『911 ボーイングを捜せ』
http://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/index2.html

9.11の真実?
http://www.psend.com/users/NewYorker9/

 いずれにしろ、陰謀ならもっとマシな方法でやると思う。なんぼなんでも明るいうちから自国の首都にある、しかも国防省に向けてミサイルをぶっ放すか、普通。

 確かに、FBIもCIAもテロの情報は掴んでいたが、それらが生かされることなく史上最悪のテロ事件が起こってしまった。しかし、それは自作自演だからではない。単にブッシュやラムジー、ライスのテロに対する危機意識があまりにも低かったためだ。その前の大統領、クリントンはテロ対策に熱心で、優先順位のトップのひとつにそれを位置づけ、アルカイダやビン・ラデインの脅威もしっかりと認識していた。ところが、ブッシュに変わってから途端にテロ対策が優先順位から蹴落とされてしまった。9.11テロが起こってしまった背景には、政権トップのテロに対する意識のレベルがあまりにも低かったということがあるのだ。隙があれば当然そこを突かれる。間抜けといえば間抜けではある。
 不意打ちを食らい、失態に焦ったブッシュは、すぐに方向転換をしてテロとの戦いを前面に打ち出し、すぐにアフガンに報復攻撃を行い、ついでにイラクを攻撃した。結果、世界はまた一触即発の危険な状態になった。ひょっとしたらビン・ラディンのシナリオ通りに世界が動いたのかもしれない。まあ、これも一種の陰謀論か(笑)。あの戦争で儲けた連中が多いのは確かだろうけどね。

 とりあえず言える事は、サイトやブログに9.11陰謀論のリンクがあるかないか(あくまでも肯定の意味でリンクされているかどうかで、単に資料的な意味や晒し等で貼ってある場合はその限りではない)で、そこの管理者のスタンスがわかるということだ。

 9条を守ることと、9.11陰謀論を信じて広める行為はまったく別物であり、余計なものを持ち込まないで、潔く9条堅持の姿勢を貫くべきである。 

****** 

 最初にリンクしているkikulogのエントリーに、

 はっきり言いますが、9.11陰謀論肯定は平和運動に害を与えこそすれ、なんの益もありません。「9条堅持・911陰謀論否定」の立場のみなさんは、陰謀論否定の声をあげないとまずいですよ。そんなわけで、ここに改めて強く書いておきます。

 という、記述がありましたので、私も声を上げてみようと思い書いてみました。
 

******

■日本国憲法前文と第9条■

前 文

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

第2章 戦争の放棄 

第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

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コメント

大分本論から外れますが、「買ってはいけない」って
とんでも本だったのですか?
偶然図書館から借りている最中で、
「洗剤だけでも変えようかなあ」と、中途半端に
エコに目覚めたつもりだったのですが・・・

真面目に商売をやっていらっしゃる会社の足を引っ張る気は毛頭無いのですが、我々消費者がしっかりしないと
いけないんですね。
反省

投稿: MM21 | 2008年5月14日 (水) 22:05

MM21さん

そうなんです。それも、トンデモ本の中でも笑えない類の。

参考に黒影さんとこの該当記事をリンクしておきますね。
http://blackshadow.seesaa.net/article/1807177.html

ちょうど読んでいるなら、筆者達の主張のどこがヘンなのか考えながら読んでみるのも、そういうのを見破る良い訓練になるかと思います。

地球温暖化が騒がれ始めてだいぶ経ちますが、世の中、エコエコ言う環境ゴロが多いのも事実です。

投稿: 黒木 燐 | 2008年5月14日 (水) 22:36

燐さん
ありがとうございます。
黒影さんのところの記事を早速読ませていただきました。

ところで、今、塩素系漂白剤が大問題になっているから
この本を読む人がまた増えそうですね。
問題は使う側にあると言うことを外してはいけませんね。
個人的には、確かにあまり体にいい物では無いと思いますが。
すみません、また陰謀説と憲法の話から
かけ離れてしまっています。

投稿: MM21 | 2008年5月15日 (木) 22:21

MM21さん、

エントリーのテーマから外れても問題ないですよ。
スパムと、デムパでワケワカメなコメント以外はOKです。
まあ、デムパでも滅多に削除はしませんけどね。

塩素系の漂白剤は臭いもすごいし、ちょっと手についただけで皮膚の表面が溶けてぬるぬるになりますし原液に髪の毛を入れると溶けてしまいます。
でも、いざというときには消毒にも使えますし、食器も茶渋とか綺麗に取れて新品同然になります。漂白剤以外でも、使い方を誤れば簡単に死に至るものが、日常にはあふれています。
今回は硫化水素でしたが、他になにか方法が広まれば、またそれが流行し、その製品メーカーに打撃を与えてしまいます。使い方次第とはいえ、困ったことです。

それにしても、現代人は自殺すら流行に迎合してしまうんですねえ・・・。

投稿: 黒木 燐 | 2008年5月17日 (土) 07:22

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