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2007年12月 9日 (日)

宇宙人とつきあう方法

 そのまえにちょっと注釈。

 UFO(Unidentified Flying Object)は未確認飛行物体という意味で、UFO=宇宙人の乗り物ではない。
 調査の結果その飛行物体の正体が解明された場合はUnが取れてIdentified Flying Object(IFO)となるのだ。しかし、内容上UFO=エイリアンクラフトとして書かざるを得ない場合(例えば人が言った場合とか本や番組の内容とかの引用)があり、その場合はUFOと表記するが、私個人としてはUFOとエイリアンクラフトは厳密に区別したいと思っている。

 なお、私は科学を専門に勉強したわけではないので、内容に間違いや勘違いがあるかもしれません。その点はご了承ください。

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 先〃月「木スペ(木曜スペシャル)」でUFO特番が放映されたが、それは、今までのようなビリーバーマンセーの構成ではなく、ちゃんと科学的に検証してみるというどちらかというと懐疑派的な構成であった。
 日テレはこの前も、マジシャンのジェイムズ・ランディに超能力者が挑戦するという番組(ランディの目の前で超能力を証明したら100万ドル払うという有名な「One Million Dollar Paranormal Challenge」をテレビで放映するというもの。もちろん挑戦者は賞金をもらえなかった)もやっていたので、「あるある」事件のせいで宗旨替えをしたのか等と思ってしまうが、まあ、テレビ局の思惑はともかくよい傾向である。

 で、その木スペで、面白いと思ったのが、UFOについて国会答弁を行ったことがあるというものであった。また、石破防衛大臣(2007年9月~)がUFOに対する自衛隊の防衛対策について語ったのだが、内容は、UFOに対して「あ~た、領空侵犯してますよ」と告げ、それでも退散しなかったら威嚇射撃をし、それでもダメなら撃墜するというものだった。撃墜は通常兵器でダメなら米国の核を使うこともあると言ってました~。

だめじゃん。   orz

一体どうやって領空侵犯を告げるの? 地球外高等生命体だから言葉も常識も通じないよ、多分。さらに相手に侵略の意志があった場合威嚇射撃なんかしたら、即攻撃されるぞ。それに核を使うって何処で? 宇宙人よりも自国の被害の方がはるかに大きいと思うけど。確実に地上は広島クラスの大惨事だ。
 まあ、地球人の既存兵器を使うなら、ウエルズの「宇宙戦争」ネタっぽいが生物兵器が一番有効か。それでもウイルスの場合異星人のDNA(あるいはRNA)にあたるものは全く違うものの可能性の方が高いし、細菌にしても、果たして異星人の身体で生存出来るかどうか判らないのでやっぱり無理かな。これもブーメラン効果の方が怖そうだ。

 人間だって、自分より下等(と思っている)生き物がいる場所だったら、相手を有無を言わせず蹴散らして開発をするだろう。それと同じで、相手に侵略の意志があった場合お手上げ状態だと思う。 だから、これからは「友好的な宇宙人とどうやったらおつきあいできるか」と言う内容で話をすすめることにする。

 

 ストラングラーズのアルバムに「メニンブラック(Men In Black)」というのがある。これは、今からもう25年ほど前にリリースされたアルバムで、映画「MEN IN BLACK」とはまったく関係ない。コンセプトは「神=地球外高等生命体」というもので、ゴスペルの形を取っている。テーマとしては特に目新しくはないが、キリスト教国でこういうコンセプトのアルバムを出すということは、かなり腹を決めてから出さねばならないということだ。さらに、キリスト教を批判し大皮肉までかましているのだから、結果は押して知るべしである。これをリリースする前後に色々不思議な(というか不気味な)エピソードがあったそうだが、ちょうどバンドとして不安定な時期であったこともあるだろう。まあ、このエントリーとはテーマが外れてしまうのでこのことは別の機会に書く。このアルバムに興味を持たれた方は、ここで試聴購入できます。リリース当時は問題作だったけど、今聴いたらけっこうポップですな。って、きっちり宣伝。)

 で、なんでここにストラングラーズのアルバムが出てくるかというと、そのアルバムと最近猫だぬきさんとチャットした時に出た話題がこのエントリーを書く動機となったからだ。

 私たちが公式サイトを作る以前にしたJJへのインタビュー(なので、SIS JAPAN会員のみ配布で公式サイト未公開ですが)でこういう応答があった。

Q (前略)それで驚いたのですが、アルバム「メニンブラック」をリリースした頃は、本当にUFOが光臨する(降りてくる)と信じていたそうですが、今でもそういった話を信じていますか?

A 信じているよ。要するにこの宇宙に他の生命体が全くいない、という充分なものが今のところないわけだから、どんな形であるにせよ、自分達だけが生命体だとは限らないと信じているんだ。もしかしたら同じような形の生き物がいるかもしれないしね。そしてかれらは人間の元となったのではないかと思う。人間は比較的若い生物だから僕らを創造した者たちと今の科学者との間が抜けていて不明なんだと思うよ。
 誰もUFOとかそういったものを否定する証拠を示していない、ということさ。

 まあ、内容からわかるとは思うが、これは私からの質問だ。インタビューは私が海外に行けないためにYさんに質問を託したのだが、そのため残念ながらこの質問から話を広げることができなかった。だからこの質問の答えだけだと、なんかJJがトンデモ発言をしているようにも受け取れるが、彼はいつか異星人が地球に訪れる可能性を論じているのである。

 地球外に知的高等生命がいるか、という質問に関してなら、私の答えも「イエス」である。
 確かに地球のような生命にあふれた星は奇跡に近いかもしれない。さらに私たち人類が発生し、ここまでの文明を築くことが出来たことはさらにものすごい奇跡であろう。太陽の大きさ、太陽からの距離、地球の大きさならびに種類(成分)、自転公転の周期、惑星配列のバランスに至るまで好条件が整ったからこその結果である。木星がもし第2の太陽になっていた場合も、おそらく地球に生命は無理だったろう。多分、月がひとつなくなっても崩れる程の危ういバランスで出来ているかもしれない(そういえば、迫り来る黒色矮星を避けるために地球の軌道を動かす映画があったなwww。♪おいら宇宙のパイロット♪)。地球自体が巨大隕石で粉々になってしまわなくても、他の惑星(たとえば火星とか金星とか)が破壊されてもまずいことになるだろう。木星が無くなった場合はかなり深刻かもしれない。まあ、あれほど大きなそれもガスタイプの惑星を壊すのは難しいだろうけれど。
 それほど確率が低い生命誕生の確率だが、確率は低くても大宇宙には浜の真砂よりはるかに沢山の星が存在する。下手な鉄砲も数撃てば当たるのである。その中で地球のような惑星(あるいは衛星)も数多くあるだろう。地球に生命が誕生したのだから、それらの星にだって生物がいて、さらに彼らが地球人より高度な科学力を持っていても不思議ではない(地球タイプの炭素系生命体以外を含めるともっと確率が高いかもしれない)。

 しかし、彼らが地球人よりはるか高度な科学力を持っていたとして、地球まで来るかというと、私はかなり不可能に近いのではないかと思われる。猫だぬきさんとのチャットでこのことを話していて、彼女を少しがっかりさせてしまった。

 地球に一番近いタイプの太陽系外惑星が見つかっている。赤色矮星Gliese581の惑星でGliese581cと命名されている星だ。地球からの距離にして20.5光年(1光年は1秒間に30万km進む光が1年間かかって進む距離で、9兆4600億km)、距離的な近さでも100位以内にはいる地球型惑星らしいが、最速の光でさえ20年以上かからないと届かない距離だ(因みにキロメートルにして193兆9300億km、時速300kmの新幹線ならノンストップで2億4千万年かかる距離だ。計算間違ってたらすみません)。しかしまあ、そこにGliese581c星人が居て、遠くまで宇宙旅行が出来るレベルの高度な科学力を持っていたとして、来ようと思ったら来れない距離ではないように思われる。ただし、光速や光速越えしたスピードで来ることは無理だと思われるので、多分何倍もの時間をかけてくることになるだろう。下手をすれば何代か世代交代して来ることになるかも知れない。しかし、そんな遠くの星に、リスクを負ってまで有人船を飛ばすだろうか。

 普通の船だって、ずっと丘に上がらず乗りっ放しだと神経がどうにかなりそうなのに、何十年も、ましてや外は真っ暗な途方もない空間の宇宙である。コールドスリープでもしてない限りやってられんだろうな。
 仮に光速船や亜光速船というものがあったとしても約20光年(因みに太陽系外で一番近い恒星まででも4.2光年かかる)の距離、すなわち20年間以上宇宙の海の直中である。しかし、光速或いはそれに近い速度の乗り物に何年も乗るなんてあまりにも無茶な気がする。そもそもそんな乗り物に適する素材があるかどうか疑問だし、それ以上に生体が耐えられないのではないかと思う。それらをクリアして、やっとこさ用事を終えて帰ったらウラシマ効果で母星の知り合いはみなジジババあるいは鬼籍の人である。悲しすぎる。(光速に近づくに従って時間が限りなく停止に近づくとか考えると、さらに頭がこんがらがるのでこの際無視する)
 あとは、宇宙戦艦ヤマトでお馴染みのワープ航法というものだが、やっぱこれ、現実世界では難しいのではないかと思う。モノやデータなら何とかなるかも知れないが、生物、しかも神経系統の複雑なヒトとなると、リスクが大きすぎる。おそらく森雪の制服が消える程度ではすまされまい。 

 だから、極端を言うと、わざわざそんな遠方から何十年もかかって地球を目指してくる場合は、その星のハンパじゃない大金持ちの道楽か(その前に国際救助隊を結成しろと)、或いは、なんとしても目指さなきゃならん切実な理由、たとえばその星に住めなくなって移住、あるいは侵略を考えているとか、そういうものを抱えている場合であって、友好のためってのは可能性が低いと思うのだ。そもそも友好のためなら、まず、いきなり訪問ではなくて、挨拶状を送ってくるのが礼儀であって、こっそり偵察機を飛ばすなんてのは、とっても無礼なやり方でjはないか。ましてや家畜や人間を攫ってあんなことやこんなことをしたり、電柱の陰に隠れて少年を脅かしたり、いきなり都市に出現してビデオに取られたりするなんてなぁ、当然許される行為ではないのである。だから、いきなりギエロン星を(以下略) 

 であるからにして、まず宇宙人とお付き合いをする場合はまず、なんらかの通信方法で「挨拶状を送る」に該当する手段がなされるべきであろう。なので、くどいようだが今来ているのはろくでもない連中であり、お付き合いするには失格なのである(せめて様子を探るならわからんようにやれと)。 

 電波を使った通信手段なら、遠くてもなんとかなりそうな気がするのだ。現在も物質転送は無理だがデータの転送はずいぶん前から実現している。特にインターネットの普及から、一般の人々でも簡単にいろいろなデータの送受信が出来るようになった。
 質量のないデータなら距離的遠くてもなんとかなりそうだ。ボイジャー1号2号は太陽系のかなり遠くの惑星のデータを送ってきた。木星の輪の発見や天王星と海王星の輪が確認できたのも彼女のおかげだ。

 だから、異星人と直接会うことは不可能だが、電話やメール・インターネットを通じて彼等と交流を持つことは出来るんじゃないかと思う。とはいえ、距離の問題をなんとかしないと、20光年先の相手にメールを出してから返事が来るまでに40年もかかった日には、相手も自分も生きているかすらわからないという事になってしまう。インターネットの場合も真ん中に中継点を置いたとしても繋がるまでに20年かかるのでは、待つ方の忍耐もハンパではない。昔の衛星中継のこんな状態

「さて、ここで南極の野口さんと中継が繋がったようです。野口さ~~~ん」

 ・・・・・・

 ・・・・・・ 

 ・・・・・・

 ・・・・・・

「・・・・・はい、野口でっす! こちらは季節は夏です。今は夜ですが、太陽が沈まないのでうす明るいですよ~」

 

の比ではないのだ。
 しかし、この距離=時間の問題さえ解決出来れば、将来異星人と個人的にメル友になったり星間インターネットで異星の文化や風景を楽しむことが出来るのである。  

 しかし、現実はそう簡単にはいかない。生物やモノに比べて危険率が低いとしても、データも光速の壁を超えられないのは同じなのだ。ワープなどの超光速技術が完成したとして、データがどこまで送信に耐えられるかもわからない。結局、人間同士が行きかうにしろ交信するにしろ、距離という超えられない壁が立ちはだかっているのだ。さらに、もしリアルタイム通信が実現したとしても、相手の星と地球との時間の進行の違いから果たしてマトモに会話が出来るか甚だ疑問なのである。さらにさらにややこしいことに、何光年もの距離をゼロにした場合、時を遡ったと同じことになるのだ。♪と~き~を~、かける少女~♪ すなわち、それが出来ることは時間旅行すら可能になるということになる。こうなると何でもありになってしまう。
 わかりにくいと思うから、光を距離に例えて考えてみよう。
 光は地球を1秒間に7回り半することから、地球上ではほとんどタイムラグなしで交信できるが、移動となるとそうは行かない。その距離分の移動時間がかかってしまう。車で20分かかるところを瞬時に移動した場合、1時20分に着く筈が1時に着いてしまう。移動にかかるべき時間20分が短縮されたということで、20分過去の時間にもどったと考えられるのだ。

 だんだんこっちも何がなんだかわからなくなってきた。

 時空の問題は結局人間にはどうしようもない壁のようだ。宇宙は気が遠くなるくらい広くて大きくさらに膨張し続けている。しかし、ひょっとしたら高度な文明を持つ遠い宇宙の隣人が、いつか地球人に高度な移動手段や通信手段を教えてくれるかもしれない。

 多分私たちは、そういう希望をもって夜空を見上げているのだろう。人間は地球を飛び出すために進化しているのかもしれない。

 まだ見ぬ友人にいつか出会うために、宇宙を探索し続けている人たちがいる。

 

  We are not alone. そう、いつの日か、異星人とメル友になる時が(違)。

 

 

 

 ※関連記事:だ~か~らぁ!
 

*********

  ◆実際に行われている宇宙人探索計画◆

地球外生命探査 http://www.ysc.go.jp/ysc/info/g5140.html 

ボイジャー・レコード http://www.ysc.go.jp/ysc/info/g5141.html

SETI@home(日本語版)http://www.planetary.or.jp/setiathome/home_japanese.html

 

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コメント

ああ、震度。一気に読んだらこちらも何だかわけが分からなくなりました。タイムパラドックスとか時の扉とか昔SFで読んだ話を思い出しました。

はっ、今気がついたが、宇宙から来たロクデナシが僕にまとわりついて、携帯やパソコンを壊しているのではないか。いやそうに違いない。オレは見た。

という風になりやすいので、この手の話にはくれぐれもご用心。ああ、キーボードが重い。

投稿: drac-ob | 2007年12月 9日 (日) 23:07

drac-obさん

すごい! これを一気読み出来たあなたは勇者です。

最初はノリノリだったのですが、書いているうちに自分がタイムパラドックスにはまってしまって何がなにやら(笑)。素人が手を出しちゃあいけない領域でした。
やっぱり宇宙の広さにはただならぬものがありますね。

>はっ、今気がついたが、宇宙から来たロクデナシが僕にまとわりついて、携帯やパソコンを壊しているのではないか。いやそうに違いない。オレは見た。

となると、ソー○ックも宇宙人の回し者なのか? あ、私のもソー○ックだった・・・。くわばらくわばら。
因みに本文中のメニンブラックリリース前後にJJが陥ったのが、まさにこういう状態でしたよ。

パソコン早く治るといいですね。

それにしても、UFOがらみの話にはなんであんなに胡散臭いものが多いのでしょう。笑い倒せるようなものなら問題ないのですけどねえ。「貼ったね」とか「吊ったね」とか。

投稿: 黒木 燐 | 2007年12月10日 (月) 12:40

ん~
宇宙人は来れ無くても
ロボットなら来れるんじゃないかな

投稿: ozone | 2015年1月27日 (火) 00:55

ozoneさん、お返事が驚異的に遅くなってすみません。

確かにロボットなら来れるでしょう。ワープが実現不可能だったとしても、壊れさえしなければ何億年かけても来れますね。地球外高等生物のいる証明にもなるでしょうけど、その頃には送り主の宇宙人は滅んでいたりして。
ボイジャーのレコードみたいなのが届く可能性もありますね。

で、そのロボットがトライポッドみたいにいきなり攻撃してきたりして。って、そういうSF既にあるか。

投稿: 黒木 燐 | 2015年8月16日 (日) 04:04

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