有名スパム「夫がオオアリクイに・・・。」
まず言いたい。
この文面を考えた人、あなたは天才だ。
あいにく私は遠見屋さんのこの記事を見るまで、この有名スパムについて知らなかった。内容は、ご存じない方のためにここでも張っておくことにする。
Subject: 主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました。
いきなりのメール失礼します。
久光さやか、29歳の未亡人です。
お互いのニーズに合致しそうだと思い、連絡してみました。
自分のことを少し語ります。
昨年の夏、わけあって主人を亡くしました。
自分は…主人のことを…死ぬまで何も理解していなかったのが
とても悔やまれます。
主人はシンガポールに頻繁に旅行に向っていたのですが、
それは遊びの為の旅行ではなかったのです。
収入を得るために、私に内緒であんな危険な出稼ぎをしていたなんて。
一年が経過して、ようやく主人の死から立ち直ってきました。
ですが、お恥ずかしい話ですが、毎日の孤独な夜に、
身体の火照りが止まらなくなる時間も増えてきました。
主人の残した財産は莫大な額です。
つまり、謝礼は幾らでも出きますので、
私の性欲を満たして欲しいのです。
お返事を頂けましたら、もっと詳しい話をしたいと
考えています。連絡、待っていますね。
このスパムの分類は、後家グモ型とでも言いましょうか、要するに良くある、カラダを持て余した有閑未亡人やセレブ女性(余談だが、日本において「セレブ」とか「ロハス」とかいう言葉の使い方が間違っていると思う)を装い、「慰めてちょうだい、お金は腐るほど持っているのよ」と、ねぎ背負ったカモを釣るという手口のスパムメールである。うっかりクリックしたら、ワンクリ詐欺サイトに誘導される可能性もあるから注意すべし。あるいはまんまと呼び出されて、狭い部屋で3人くらいに囲まれて高額商品を買わされるとかね。まあ、昨今よほどの●●か厨房でもないかぎり、そういうあまりにも出来すぎた上手い話には引っかからないと思うが。
さて、このスパムメールである。
要するに、「シンガポールに頻繁に行っていた夫は、実は遊びではなく危険な仕事の出稼ぎに行っていた。その仕事には、何故か南米在住のオオアリクイさんが関わっていた。そして、夫はそのオオアリクイさんにどのようにかはわからないが、殺されてしまった。」と。で、「夫がカラダを張って貯めたお金が使えきれないほど有る。お金はあるの、お金はあるからたっぷり払うわ。だからだれか慰めて。」と。
信じられるか━━━━(゜皿゜;)━━━━ !!!!!
しかし、もっと詳しい話は聞きたい様な気もする。多分考えていないとは思うが。
さて、このオオアリクイである。
これは脊索動物門、哺乳綱、貧歯目(注:現在はアリクイ目(異節目ともいう)という分類に属されるそうです。)、アリクイ科の動物で、その名の通りアリを食べる事に特化した動物だ(アリと言ってもシロアリで、シロアリは実はアリの仲間ではなくゴキブリに近い昆虫だ)。因みにコアリクイもいる。その姿の異様さ~異様に細長い顔、さらに異様に細長く異様に伸びる舌、顔に比べて異様にでかい腕っていうか前足、その先についている異様に長く鋭い爪~から、南米では人の血を吸うと恐れられているらしい。
昔読んだ山上たつひこの「JUDOして!」というマンガで、柔道部員が乗った北海道行きの飛行機がスチュワーデスにハイジャックされ、国内便なのに何故か南米のアマゾンに墜落して無理やり突入した南米編で、主人公たちがオオアリクイが吸血するという話を聞かされ怯える件(くだり)があった。背後から忍び寄り、いきなり立ち上がって、でっかい腕っていうか前足についている鉤ヅメでがっちりと両肩を摑み動けなくしたところで、首に穴を開け吸血するというのである。また、昔の「ゴルゴ13」にも、殺人オオアリクイの話があるらしい。
一説にはチュパカブラという謎の吸血生物は、このオオアリクイ吸血伝説から派生したのではないかとも言われている。
立ち上がったアリクイの勇姿が見られます。
http://www.joho.tagawa.fukuoka.jp/zoo/arikui.htm
動画が可愛い。中に人 入っているだろう(笑)。
立ち上がるといえば、去年の6月にサンシャイン水族館のアリクイが逃げ出したという事件がありましたね。逃げたアリクイは、立ち上がって両手(ていうか両前足)で上手に引き戸を開けるという特技があるらしい。防犯カメラにも「犯行現場」がしっかり撮られていたが、ニュースで見たその映像はえれぇ可愛かった。
で、スパムの内容に戻るが、その南米に生息するハズのオオアリクイに、何故シンガポールにいた夫君は殺されてしまったのか。その危険な職業とはなにか。
ひょっとして、明智 抄の始末人シリーズに出てくるダチョウの「小鳥さん」みたいに渡世で裏の仕事をしているオオアリクイと、コンビを組んで、暗殺の仕事をしていたけど、ある時組織の金を横領しようとしたのがばれて、仲間のオオアリクイさんに消されてしまったという、ハードボイルドな展開か。
あるいは、シンガポールでペットで飼われていたオオアリクイたちがブームが終わって大量に捨てられて、下水道で大繁殖をし、夜な夜な血を求めてさ迷い歩き、犠牲者が多発、実はオオアリクイハンターの夫君は、シンガポール共和国政府から依頼されてオオアリクイ駆除に携わっていたが、ある夜、油断して手負いのオオアリクイの反撃に遭い、血を吸われて死んでしまったという、アニマルパニック的展開か。
あるいは秘密ショーに出演する男優が夫君の裏の顔で、さらに彼は動物×××だったのだが、ある日ショーの最中×××していたらオオアリクイの長い舌が××して××を×(以下自粛)してしまったという、グレートハンティング的展開か。
あるいは、シンガポールの動物園で美しいメスのオオアリクイに一目ぼれした夫君は、彼女をさらって小さなアパートを借りて慎ましくも幸せに暮らしていたら、ある日彼女を連れ戻しに来た夫オオアリクイ氏と鉢合せをしてしまい、長い爪で一撃され即死してしまったという、クソメロドラマ的展開か。って職業ちゃうし。
いやいや、実は夫君は電解水製造機販売員で、シンガポール奥地に住む先住民オオア・リ・クイ族の長老に商品を売りつけに行ったら、本当の値段の10倍で売りつけようとしたことがバレて、怒ったオオア・リ・クイ族から神のいけにえにされ火あぶりの刑で殺されてしまったという、秘境シリーズ的展開か。
キリがないからこの辺にしておこう。
スパムメールは私のところにも沢山来るが、ほぼ全部が同工異曲のつまらないものである。どうせなら、このオオアリクイスパムのように面白いものを書いて、せめてメールを開いて読んでもらえるように精進したほうがいいだろう。因みにこれ、現代用語の基礎知識2007にも載るらしい。
ついでに、このオオアリクイメール関連で吸血ネタのブログを貼っておきます。
http://d.hatena.ne.jp/smi/20060724
http://manpukudan.exblog.jp/5411604/
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おまけUMA「チュッパカブラ」
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コメント
おはようございます♪
ワハハハ、オオアリクイって!!爆(≧▽≦)
なして、オオアリクイ(笑)!!(^曲^)この時点で、メッチャ怪し~い( ̄▽)ゞ
でも、笑ってはいけませんね。この方にとっては、とても深刻な問題なんでしょうから。。。(-”-;)
燐サン、この方に詳しくお話を聞く機会があれば、是非またアップして下さいね(笑)(^曲^)
投稿: wing | 2006年12月 1日 (金) 10:07
スパムメールって冷静な第三者から見たら明らかに信じられない話ばかり。本当に引っ掛かる男がいるのだろうか?いるからなくならないんだろうなぁ(笑)。
私は今回『アニマルパニック的展開』を支持します。でも私がオオアリクイハンターなら、自分の死後「お金はあるからたっぷり払うわ。だからだれか慰めて」と手当たり次第にメールする妻は許せません(笑)。秘密ショーに出演する男優なら、どっちもどっちだと思うけど。
『アニマルパニック的展開』の続きとしては、たくましい男を物色しているように見えた不貞の妻は、実は夫の生存を信じていて、その莫大な財産と後ろ盾に、知り合ったたくましい男と共にシンガポールに乗り込むのであった・・・的な展開をキボンヌ。
ところで女性向けのこういうスパムメールはないのでしょうね。女性を騙すなら健康・ダイエットスパムの方が有効なのかなぁ(笑)。
投稿: やや右より?のベル | 2006年12月 1日 (金) 16:10
ぶははは・・・
私も、やや右より?のベルさんと同じ「アニマルパニック」を推すなあ。
でもまあ、夫が愛する妻に残したお金は妻は好きに使いましょう。
妻が生活すべてに困らないように残したお金でしょうからね。
投稿: しなさん | 2006年12月 2日 (土) 10:08
wingさん
夫の死因にオオアリクイを持ってきたところで、このスパムの作者さんに好感を持ちました。
スパマーで終わらせるにはもったいない人です。
万が一この方に会えたら、もちろんコトの顛末はきっちりお聞きしたいと思います、はい。
投稿: 黒木 燐 | 2006年12月 3日 (日) 22:26
ベルさん
こういう釣りメールに引っかかる人は、ほとんどいないと思われます。
L風に言えば、1%もいないでしょう。だから、このオオアリクイのような冗談spam(本気で引っかかると思って書いているはずはないと思うけど、まあ、わからんですね)も出てくるわけで・・・。
しかし、spamはいっぺんに何千通も送りますから、中には引っかかるアフォが何人かいるのでしょうね。嘆かわしいですが。
「アニマルパニック的展開」、大人気です。
その気になったらあと2つは展開を考えれたと思いますが、さすがに疲れました。
まあ、色々これをネタにしたストーリーがあるようなので、検索してみたら面白いですよ。
>的な展開をキボンヌ。
続編を書かせようとしているのでしょうか。ノセないで下さい。
キボンヌって・・・、アナタ、2ちゃんねらですね!(笑)
>ところで女性向けのこういうスパムメールはないのでしょうね。女性を騙すなら健康・ダイエットスパムの方が有効なのかなぁ(笑)。
無いことはないと思いますが・・・。
女性の場合リスクが上がりますから、やはりダイエットの方が引っかかりやすいでしょうね。あるあるの視聴率が高いかぎりは釣りネタに事欠かないわけで。
投稿: 黒木 燐 | 2006年12月 3日 (日) 22:58
しなさん
「アニマル・パニック」良かったですか?
オオアリクイハンターH(hisamistu)
イラストは是非、天野喜孝さんで(笑)
>妻が生活すべてに困らないように残したお金でしょうからね。
そりゃあもう、「すべて」ですからね。
投稿: 黒木 燐 | 2006年12月 3日 (日) 23:06
今さらコメントですが…
オオアリクイ、カワイイですよね~(^o^)
うんうん、絶対に中の人いますよね!
あの模様とあの動き、たぶんレスリングの選手だと思います。
それにしてもホント、どうして女性向けのものがないのでしょう?
「寂しい貴女のお相手します」系でも引っかかる人いると思うんだけどなぁ…
「マッチョな俺が、どこまでも付き合うぜ!」とか
「研究熱心なワタクシが、アナタを開発してさしあげます」とか
「優しいお姉さん、ボクをイジメて…」とか…
投稿: 猫だぬき | 2006年12月13日 (水) 13:18
猫だぬきさん
アリクイさん、可愛いです。
シロアリも食べてくれますので、シロアリ駆除の人はペットに飼うといいと思います・・・って、環境やってる人間の台詞じゃないか(笑)。イカンイカン。
女性向けspamですが、先にも書いたようにないことはないのです。しかし、圧倒的に男性向けが多いのは、やはり引っかかりやすいのでしょうね。女性でそういう人たちは、多分、合理的にホストクラブあたりに行ってしまうのではないでしょうか。あるいはクリーニング屋さん(以下略)。
投稿: 黒木 燐 | 2006年12月15日 (金) 01:13
>あるいはクリーニング屋さん(以下略)。
続き、キボンヌ。(←はっ!(゚o゚))
投稿: 猫だぬき | 2006年12月15日 (金) 12:58
猫だぬきさん、
>続き、キボンヌ。(←はっ!(゚o゚))
はっ!
きっ、キサマも実は2ちゃんねら~だな!!
私もだった・・・www。
投稿: 黒木 燐 | 2006年12月15日 (金) 13:27