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2006年8月 5日 (土)

ツバメの巣の災難

 妹の会社の玄関の軒下にツバメが巣を作った。毎日ヒナの成長を楽しみにしたいたら、近所の悪ガキに巣を半分落とされてしまった。

 過去何度か悪ガキに巣を落とされ、しばらく寄り付かなかったツバメがようやく去年からまた営巣を始めたところだった。来年からまた来なくなると妹は嘆いていた。昨日友人とダンボールで巣を修復してみたらし。居場所の欠けた巣の中では、2羽の子ツバメが重なり合うようにしていたという。で、ダンボールで補強したら、ようやくほっとしたように羽を伸ばしたそうだ。あとは親鳥が普段どおりにエサを運んでくれるかどうかだ。それと、ヒナが羽を痛めていないことを祈るのみ。

 網を持った犯人らしきガキを捕まえて注意したら、平気で自分じゃないと言ったらしい。証拠もないので必要以上に追求も出来ないし親にも注意できないし、相当に歯がゆい思いをしたようだ。
 しかし、犯人は間違いなく故意で巣を落とそうとしたのだ。自分の家の軒下ならこっちがどうこういう権利はないが、他所の会社の軒下である。間違いなく不法侵入になる。それも住人はヒナの成長を毎日楽しみにしていたのだ。
 ツバメは愛護動物ではなく野生動物であるので、「鳥獣保護法」だと思うのだが、ツバメの巣を落とした場合はいったいどういう違反になるのだろうか。いずれにしろたいした罪にはならないだろう。
 しかし、親はいったいどういう育て方をしているのか。人に危害を加える「害獣」ならともかく、身近な野生動物である。人に営巣や子育てを間近に見せてくれる唯一ともいうべき野生動物であり、大切な「隣人」でなのだ。その巣を面白がって落とすとは何事だ。おそらく現行犯で捕まえて親に直接抗議したとしても、馬耳東風か、悪くすると逆恨みされかねない。
 月並みなことを書くが、なぜ、生命の尊さや自然を愛する心を教えないのか。
 どんなに親鳥が一所懸命巣をつくりエサを探し子どもを育てているか、巣を壊したらどういうことになるか、もし自分がツバメだったらどう思うか、きちんと教えれば子どもはちゃんと理解するだろう。少なくともやったことに対して罪悪感はいだくだろう。また、そのことによってやっていいことと悪いことも判断できるようになるだろう。

 誰かに怒られるからとか、逮捕されるからとかではなく、こうしたら誰が(何が)困るからとか、危ないからとか迷惑をかけるとか、自然が汚れるからとか、そして結果がどうなるかとか、そういうことを子どもの時からきちんと叩き込んでおくべきだと思う。犯人の子がそういう教育を受けていたら、あのツバメの巣だって落とされることも無かっただろう。
 最近のガキ共のひどい有様を見ると、とてもマトモに躾けているとは思えないのが多い。ゴミの出し方はめちゃくちゃだし、平気で道端にゴミを棄てるし、平気で万引きするし(万引きはいい加減に泥棒とか窃盗とかに言い換えるべきだと思う。同じ盗むことなのに「万引き」はあまりにも軽い言葉となってしまった)、所構わず座り込み、大声で話し、騒ぎ、人前で平気で化粧をする。
 もちろん、きちんとされている親御さんも多いのだが、それをDQN親がはるかに凌駕しているように思える。今、少子化が懸念されているが、DQNばっかりいくら増やしても害あって利なしだと思うけど。

 ツバメに話は戻るが、確かにツバメが営巣するとどうしてもフンが落ちてきて汚らしいし、客商売なら尚更困るだろう。だからやむを得ず巣を落とすことは仕方がないと思う。しかし、心ある店は、ちゃんと巣の下にフン除けを作り、出来るだけフン害を防ぐように掃除もマメに行っている。これから何か野鳥媒介の妙な伝染病が流行らない限り、これで充分だと思うのだ。
 昔はツバメが巣を作ると縁起が良いとしてありがたがったものである。こういう気持ちが自然との共存に繋がったのだろう。ツバメもスズメも人間とつかず離れずに生息する変わった野鳥だ。スズメなどは人がいなくなるとそこから姿を消すらしい。何故人のそばを選択したのかはわからないが、天敵が近寄りにくいからだともいう。

 せっかく人を安全と思い信頼(?)して共存してくれる彼らを、もっと大事にしたいものである。

 

◆関連記事◆

老舗ホテルがツバメの巣を落とす
http://hikaru.blogzine.jp/dress_you_up/2006/07/post_28bd.html

 このホテル、HPでは自然保護を謳っていたらしい。言うこととやることが違いすぎやで。

こんな親子もいるのにねえ。
ツバメの巣立ちに付き合った(ほのぼの)

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コメント

難しいですよねぇ…。
子供に命の大切さを教えるのって、言葉と経験の両方が必要なんじゃないかなぁと思ってます。興味本位で虫の羽をちぎったり、オモチャにして遊んでるうちに死なせてしまったり、そこから命のはかなさを学んだり…。

私も昔、友達と繭?蚕?なんて言うんでしょ、あの白い綿の玉、あれをどこかから取ってきて、木の枝を突き刺したことがあるんですが、何にも考えずにブスッとやったら、中から赤黒い汁が出てきて、二人でキャー!!っとなりました。これはかなりショッキングな出来事でトラウマになりました。私は虫の赤ちゃんを殺したんだ…って。
それ以来、蜘蛛の巣とかアリの巣にイタズラなんてこともできなくなりました。この中にアリンコ・ベイビーがいるの?とか思うと、怖くて手出しできない。今思えばいい経験だったと思います。

そういう子供の頃の残酷な行為って、体験台にされる生き物にとってはたまったものじゃないですけど、人が成長する上では、ある程度は必要かなーと、ちょっと思ってます。
まあ、だからと言って、見た目が哺乳類に近い鳥類(体毛があるという意味で)の巣を平気で落とせる子供の鈍感さを見過ごしていいってわけではありませんが… 

その残酷な行為が犬や猫にまでエスカレートして、サカキバラセイトのようになるのは怖いけど、虫や鳥の巣までなら、まだマシかなぁ…と。いやほんと難しいです…。
どちらかという私は、リンク先のホテルの方に心が冷えます。ツバメの巣って、ほのぼのしますよね。見てて飽きないですよね。あの両親ツバメの姿を見てたら、なんか泣けてきますよね。それを商売のためとはいえ、平気で廃棄できる人間(大人)って、いったい何なんだろうと思います。赤ちゃんから人生やり直せよ!って言いたくなります。ああ。朝から長文すみません。ってもうお昼だ。ご飯食べよう。

投稿: 猫だぬき | 2006年8月 5日 (土) 11:38

猫だぬきさん、

そうですね。経験も必要です。
でも、それは動物を飼うことでも充分教えられることだと思います。犬猫じゃなくて昆虫でもいい、出来たら孵化から羽化まで観察させるみたいな短期決戦でもいいと思います。

まあ、子どもってのは基本残酷な生き物で、私も子どもの頃は蜘蛛の巣にセミをやってその様子を観察したりしてました。コオロギを地面に叩きつけてしまったこともあります。なんなんでしょうね、あの衝動は。コオロギはその後ガキながらものすごく自己嫌悪に陥りました。
しかし、虫の翅をむしったりとかはありませんでしたね。多分。まあ、本質的に多くの虫が苦手だったせいもあるでしょう。

それと今回の件で問題なのは、記事中に「過去何度か悪ガキに巣を落とされ」とあるようにその子は以前もやっていた常習犯かもしれないということです。

百歩譲って昆虫まではいいとしても鳥はダメですね。食べるためならもちろん問題ないし、むしろベジタリアンみたいに植物ならいいって考えはどうかと思ってます。

でも猫だぬきさんの言い分もとてもよくわかるんです。そういう残酷面は成長する過程では必要かもしれないと思います。問題はそれをいつまでも持ち続けている人が一握りでもいるということです。
それが後天的なものなのか、先天的なものなのかわかりませんが・・・。先天的なものなら何をどうやっても無理でしょうし。

いや~~~、まったくこういうことは難しいですね。単純に答えは出ない。

パリ人肉事件の佐川君は、殺した女性が本当に佐川君に好意を持っていたと知って、始めて泣いたそうです。彼がもっと早く「それ」に気付いていたらああいう事件は起こさなかったことでしょう。

投稿: 黒木 燐 | 2006年8月 5日 (土) 16:27

そっか… 常習犯かもしれないんですね。失礼いたしました。
一度なら子供ならではのイタズラと思えても、二度三度と繰り返すようであれば、子供といえども許せない…というより、怖い気がしますね。

現代の子どもたちの想像力に欠けた行動を見ていると、親の育て方を責めたくなると同時に、可哀想にも思えてきます。
人生の経験値を積もうにも、それを許さない環境… 家で動物が飼えない・兄弟が少ない・命の始まりと終わりに立ち会う機会が無い・身の回りに自然がない・変質者続出で自由に外の世界を探索できない・友達が習い事で忙しい・教師がマニュアル人間・年齢の違う友達が出来にくい・隣は何をする人ぞ… などなど。
こんな環境の中で育つしかない彼らが可哀想です。
なんとかならないものしょうか…。

ところでツバメとは違うんですけど、コレ。
 ↓
右半分はオス、左半分はメス 両性クワガタ発見 荒尾市
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060805-00000016-nnp-l43

(写真が無いのが残念ですが) この 13才の二人組。彼らみたいな子は、サカキバラセイトや佐川君のようにはならないんだろうなーなんて、何の根拠も無いですが、思ってしまいました。

が、この染色体異常はちょっと怖いです。「細胞レベルで性が決まる昆虫に多くみられる現象」とのことですけど… そんなもんなんでしょう??

ところで、佐川君。

彼女が自分に好意を持っている → 仲良くする
彼女が自分に好意を持ってない → 食べちゃう

ってことでしょうか?
やっぱり、彼の理屈は一般ピーポーには理解しにくい (^_^;)

ではでは、連日の長文、失礼いたしました~♪

投稿: 猫だぬき | 2006年8月 6日 (日) 09:06

きゃー!

訂正:

×そんなもんなんでしょう??
○そんなもんなんでしょうか??

失礼いたしました m(_)m

投稿: 猫だぬき | 2006年8月 6日 (日) 09:10

猫だぬきさん、

このコメントはじっくり書きたかったんで遅くなりました。

子ども達、確かに想像力が欠けています。因果応報ってのがわかってないというか。
猫だぬきさんが上げた例の他に、何不自由なく育てられたのが却って災いしているような気がします。それに親自体がちゃんと躾けられてないんじゃないかって思うこともあります。
ちょっと前に帰りの電車で目撃したんですが、幼稚園くらいの女の子がつり革にぶら下がってブランコしてるんですよ。信じられないことに保護者は注意するどころか、その子の背中を押してぶらんぶらんさせているんです。母親というよりおばあちゃんって年の人でした。

昆虫の雌雄モザイクは、かなり珍しいものの、比較的多いみたいです。モザイクのしかたも、あしゅら男爵みたいな半々から文字通りのモザイク様などいろいろあるみたいですね。

佐川君は体格にコンプレックスがあって、その上精神的に未分化で食欲と性欲がごっちゃになってたような感じがします。彼女としっかり向き合っていたら、あのような悲劇は起こらなかったかもしれませんね。

投稿: 黒木 燐 | 2006年8月 8日 (火) 01:31

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