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2006年8月23日 (水)

社宅の怪異(残暑に怪談はいかが?その1)

※注意:今回は怪談話なので、日頃科学的であろうと勤めているところを、若干タガを外しました。多少電波な表現があっても気にしないで下さい(笑)。

 これは、私が中学一年から大学2年くらいまで住んでいた社宅の話だ。

 その場所は今はもう当時の景観とはまったく変わってしまったが、某大手会社の社宅があった。上に4軒並び、それから土手の下に2軒向かい合わせに同じような平屋が並んでいた。最初越してきた時は小6で、上の道路側に住んでいたのだが、下の人が家を建てて引越しが決まり、子どもが多いということで、私たち家族がその後に住むこととなった。

 いつ頃からそういう現象が起こり始めたのかはわからない。最初からだったのに気がつかなかったからかも知れないし、途中から何らかの理由で何か歪みが出来たのかもしれない。とにかく最初は普通に暮らしていたし、こわいなんて思わなかった。
 しかし、いつの頃からか時折妙な気配がするようになった。
 下の社宅に降りてから迷い犬を飼うようになった。彼は犬小屋ではなく外の納屋で飼っていた。しかし特にその子が怯えたり訳も無く吼えたりすることはなかったのは不思議ではある。

 その怪異とは、どこからか箒で掃くような音が聞こえたり、母が転寝(うたたね)をしていると、枕元で他人のいびきが聞こえたり、要するに他に誰かいるような感じだった。私たちは「座敷わらし」と呼んでいたが、ある日決定的な怪異がおこる。

 その日は妹と留守番をしていた。天気は曇天だったような記憶がある。夕方になっても母は帰らず、待ちくたびれていたら、玄関の開く音がして、入り口の玉暖簾がカチャカチャ鳴って、買物をした袋を置く音がした。私たちは「帰ってきた!」とすぐに迎えに出たのだが、玄関に行くと誰もいない。ただ、玉暖簾がかすかに揺れていた。私は妹と顔を見合わせると、そのままそっともといた部屋に戻った。
「確かに帰ってきたよね。」
「暖簾の音がしたよね。」
それを確認すると、私たちはそれ以上追及をやめた。結論が恐ろしいものになりそうだったからだ。件の母は日が暮れて帰ってきた。私たちは母に知らせたが、母がどう受け取ったかは覚えていない。ただ、その話をしても、記憶がないようなので子どもの勘違いだろうと思ったのだろう。
 しかし、一人で聞いたのなら勘違いや錯覚だが、妹も同じ音を聞いていて、同時に「帰ってきた!」と出迎えに行ったので、錯覚と一蹴する訳にはいかない。

 私たちの家は土手の下にあり、上の家に比べて湿気が多い。それに丁度向かいの家(同社宅)の廊下とうちの廊下は直列に並んでいる。だから、ひょっとしたら土手下の2軒の家は霊道に建っていたのかもしれない。

 妹が見たのは老婆だった。夜寝苦しさに目を覚ますと、白い老婆がベッドの手摺りにすがりつくような形で周りを伝い、しばらくベッドの足元に佇んでいたそうだ。特に何かをされたわけではないが、とても気味が悪かったそうだ。

 さて、私の体験だが、多分大学2年くらいの時だった。炬燵を出していたから冬だったと思う。
 その頃はよく炬燵で寝起きしていた。いちいち炬燵を片付けて布団を敷くのが面倒大変だったからだ。その時も炬燵で眠っていたのだが、なかなか寝付けない。時間は深夜1時をとおに過ぎているのに一向に眠くならないのだ。それで寝返りを何度もうっていたら、急に玄関の開く音が聞こえた。そのころ母は7-11にパートに勤めていて、都合で深夜になることもあったが、その日はとっくに帰っており既に白川夜船の状態だった。
 侵入者はそのまま家に上がりこむと、どすどすと歩いてまっすぐ私の部屋までやって来て、躊躇することなく襖をガラッと開けて部屋に入ってきたのだ。声がかなり低音だったので、多分男だと思う。そしていきなり私の襟首をつかむと、すごい罵声を浴びせながら、私の頭を炬燵の足に何度もぶつけたのだ。私はというと、既に金縛っており、その「誰か」の成すがままであった。
 しかし、そいつが怒鳴りながら何度も人の頭をばふばふするので、「何で私がアンタにそんなことされなイカンの?」と急に怒りがこみ上げてきた。その瞬間にカッとなってキレた私は、動かない身体の力を振絞って金縛りを解こうとした。すると、なんとなく左手が動いたので、そのまま右肩越しに、そいつの手をつかんで引き寄せた。正体を見ようと思ったからだが、まさか本当に手がつかめるとは思ってなかった。しかし、相手の手とセーターを着ているらしき袖口が見えた。袖口の白っぽいラインまで確認できた。その勢いで、すかさず立ち上がって電気をつけた。

 しかし・・・、部屋には私以外誰もいなかったのだった。

「夢よ。夢やったんよ。そうよ、そうよね。」私は無理やり自分を納得させ、そのまま無理やり眠ることにした。

 山岸涼子の「ゆうれい談」で読んだのだが、モーさま(萩尾望都)は寝ていて妙なものを見たときは無理やり眠るらしく、それにあやかろうとしてみたのだ。金縛りを解くのに体力を使ったからか、眠れなかったことがさっきの現象がおこる予兆だったのか、今度はちゃんと眠れた。

 そいつの罵声の内容は今やまったく覚えてないが、相当なことを言われたと思う。思わずキレちゃいまいしたから。

 実際、その社宅に何かがあったのか、それとも住んでた私たちの思い込みかはわからない。箒で掃くような音は、隣の家の音が反響て聞こえたのかもしれないし、玉暖簾の音は気のせいで、いびきの音も妹が見た老婆も私の体験も、夢だったといえばそれで説明がつく。私の場合眠れない状態からレム睡眠に入り、夢うつつで強烈な夢を見たのだと説明できる。

 以上の話が、勘違い・錯覚の類なのか、本当にその社宅に何かがあったのか、その判断は読者のあなたに任せることにしよう。

 「残暑に怪談はいかが?」シリーズその2、「学校の怪異」も読んでね。

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アンバランスゾーン」カテゴリの記事

コメント

さあ、そろそろ寝ようと思っていたのに、読んでしまった。
夜中に読んではいけないものを・・。

私も怖い体験を結構豊富にしていますが(^^)、この話は強烈
ですね~。簡単に夢で片付ける訳にはいかないかと・・。

そう言えば、私も寝ている時に怖い目にあうケースが多いので、
他人が聞いたら「夢じゃないの」ですんでしまうんですが、
実際に経験した方にとっては、意識もはっきりしていたし、
絶対に夢じゃない、と断言したいですよね。

私めのブログにも、たま~に怖い話をやっていますので、是非。
なんせ、アクセス解析の第一位が「怖い話」というキーワード
ですから・・。(^^)

投稿: wanwanmaru | 2006年8月24日 (木) 02:34

わははは、はは。流石はパンク少女(当時、失礼!)。怒りで金縛りを解き、更には逆襲に転じるとは侮れませんなー。普通そういう状態だったら怖くて身動き出来ないと思うけど、その怒りのパワーがこのブログの一番の魅力ですね。余談ですがあまり正当な怒りよりも今回のような誤爆的な怒りの方が読んでて面白いのは何故?

ところでやってきたのは、無法者のイギー・ポップか、血迷ったシド・ビシャスか?いやいや私はそうとは思えません。

>炬燵を片付けて布団を敷くのが面倒などという性根を叩きなおすために天上から遣わされた天使(プッ!書いてて笑ってしまった)だったのです。今頃神の世界のブログで『実は正しい指導をしに行ったら逆切れされて、えらいな目にあった。みんなも人を見て道を説くのだぞ』などと書いているのでは。

投稿: drac-ob | 2006年8月24日 (木) 12:53

wanwamaruさん、

恐かったですか?
私も最初深夜に書いていて恐くなり、昼休みに続き(一番恐いトコ)を書いたヘタレです。
だって、ン十年経った今でも手をつかんだ光景を覚えているんですから。

wanwanmaruさんの体験談も恐いですね。特にイヒヒの話が、昼間読んでも肌に粟なしてしまいました(栗ではない)。

旭化成の「イヒ!」ならカワイイのにwww。
他の怪奇体験談も楽しみにしています。

投稿: 黒木 燐 | 2006年8月24日 (木) 12:58

drac-obさん、

笑われたwww。
マジックカット(すぐにキレる)の称号は伊達ではありませんでした。
万一籠城件とかの被害者になったら途中で犯人にキレて暴れてあぼーんするかもしれません。嫌な末期です。

>炬燵を片付けて布団を敷くのが面倒などという性根を叩きなおすために天上から遣わされた天使(プッ!書いてて笑ってしまった)だったのです。

例え天上界からの御使いであろうと、深夜に年頃(当時www)の娘の部屋(とてもそうは見えなかったでしょうが)に押しかけての乱暴狼藉は許せません(爆)。

>今頃神の世界のブログで『実は正しい指導をしに行ったら逆切れされて、えらいな目にあった。みんなも人を見て道を説くのだぞ』などと書いているのでは。

ワロタ。
「人を見て道を説く」って、アンタ意味ないじゃん、的なツッコミコメントが殺到しそうですね。

投稿: 黒木 燐 | 2006年8月24日 (木) 13:10

drac-obさん、

↓忘れてました。

>その怒りのパワーがこのブログの一番の魅力ですね。

確かに、腹の立つことがあった時は、沢山文章が書けます。沈黙の怒りは文章で爆発だ♪

>余談ですがあまり正当な怒りよりも今回のような誤爆的な怒りの方が読んでて面白いのは何故?

それはたぶん、知性を素通りして視床下部から直接怒りが爆発しているから・・・、いわゆる素で怒ってるからかもしれません。

投稿: 黒木 燐 | 2006年8月24日 (木) 18:18

怖かったです^^
dark系のテンプレートが燐さんに似合っていると思いました。ずっと納涼版でお願いしまっす^^

投稿: ぶいっちゃん | 2006年8月24日 (木) 18:31

ぶいっちゃん、

>ずっと納涼版でお願いしまっす^^


 嫌です(笑)。

投稿: 黒木 燐 | 2006年8月24日 (木) 18:58

こんばんはー☆
・・・って、燐サンキョワイじゃないですか、このバック~~(T口T)燐サンとこきてこんな風に出迎えられると、一瞬ビビリます(笑)(;¬_¬)

これ、夢ってことで片付かない感じですよね~?
手をつかんでその感触があったんでしょ?何より、頭ガンガンされてるってのが怖い。そして、ムカつく(笑)!!私もそんなんされたら速攻で
「何なーオマエー!!人の部屋入ってきて何しょんなー!!」と方言丸出しで・・・モゴモゴ・・

エエ、急所に強打を1発は確実デス。
そして、↑の台詞ですね(笑)。霊だろうがなんだろうが関係ない。人様の部屋に勝手に入ってきておいてこの態度は許せません。鉄拳を食らっても文句は言えないはずデス!

あぁ、私も燐サンのように天上界から性根を叩き直すお使いが来てしまうんでしょうか(笑)。

投稿: wing | 2006年8月26日 (土) 02:07

こんばんは~、天そばです。

なんですかこの冥府の入り口のようなテンプレは~!。
タイトルも「Heaven or Hell?」やから怖さも倍増。知らずに訪れる人は相当怖いブログと思ってしまいそうですね。

でも燐さんっぽい雰囲気といえば燐さんっぽい(笑)

それにしてもすごい体験ですねー。
金縛りは何度もありますが、襟首つかまれて頭をゴンゴンやられるなんて、夢じゃなかったら…
怖い怖い。

投稿: 天そば | 2006年8月26日 (土) 02:29

wingさん

怖いですか?納涼版なので、今月いっぱいほど我慢してくださいね。

いわゆる心霊体験って、理不尽なことする霊って多いですよね。そんな、見ず知らずの人に祟るパワァがあるなら、あんたの恨んでいる当人に行けと。

>エエ、急所に強打を1発は確実デス。

えっと、霊の急所って・・・(笑)。
だいたい下半身はぼうっとしていたりするのが定番では(爆笑)。たとえ全身実体化していたとしても痛がるでしょうか。
wingさん、可笑しい。
(まあ、急所は眉間や人中とかいろいろありますが)

でも、霊に対して強気になるのはいいみたいですね。ただしモノによっては逆襲してくるみたいです。多分私みたいなマジックカットな霊です。

投稿: 黒木 燐 | 2006年8月26日 (土) 10:16

天そばさん

冥府の入り口・・・。
まあ、見えないこともないですね。蝶は人の魂とかいうこともあるし。
最初は自分でイラストを描こうと思ったのですが、既にまったく描けなくなっていることに気がつきました。
これでは将来老人ホームで同人活動が出来ません(笑)。

後にも先にもこんなとんでもない目にあったことはありません。でも、今は侵入者が刃物を持った生身の人間でなかったことがありがたいです。第一こうしてネタにも出来ますし(爆)。

投稿: 黒木 燐 | 2006年8月26日 (土) 10:29

こんばんは☆
>たとえ全身実体化していたとしても痛がるでしょうか。

そ・・・そうか・・・∑(゜▽゜♯)
考えもしませんでした(爆)。痛がってくれなきゃ、意味ないですもんね(汗)。
掴めるほど実体があるなら可能かと単純に思ったんですが、それ生身の人間への撃退法でしたね( ̄▽ ̄;)


こりゃ、とらチャン呼ぶっきゃないかな(笑)。

投稿: wing | 2006年8月26日 (土) 21:34

>えっと、霊の急所って・・・(笑)。
>wingさん、可笑しい。

こんな時間にマジうけです(笑)
声殺して笑うの苦しい…

「霊なんか怖くない。生きてる人間のほうがよっぽど怖い」
と、知り合いの霊能者のおばちゃんがいつも言います。
私もそう思います。

お金のためとか、居眠り運転とか、「人を殺してみたかった」なんて理由で人を殺すのは、生きてる人間だけですから。少なくとも幽霊さんは、猫を崖から落としたりしないし…

投稿: 猫だぬき | 2006年8月27日 (日) 03:21

wingさんこんにちは。

>そ・・・そうか・・・∑(゜▽゜♯)
考えもしませんでした(爆)。痛がってくれなきゃ、意味ないですもんね(汗)。

やっぱ、そっちの急所だったか(笑)。


とらがいたらいいですね。
でも、真由子にはなれないから、先に獣の槍を手に入れないといけないかも。

投稿: 黒木 燐 | 2006年8月27日 (日) 10:54

猫だぬきさん

ホント、一番怖いのは人間の所業ですね。
昨日の事故はひどいものでした。
せめて一人くらいは生きて欲しいと思ったけど無理でしたね。
元気に動くカブトムシが悲しい。
きっと被害者の家族はカブトムシを見るたびに悲しい思いをするんでしょうね。
加害者の男性も、しばらくは監視してないと。
事件はともかく、事故は、だれでも加害者になりうるもの、ちょっとの油断が落とし穴、気をつけないといけませんね。

で、あの作家はこれからも産まれた子を殺し続けるのでしょうか。因業な女・・・。

投稿: 黒木 燐 | 2006年8月27日 (日) 13:37

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