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2006年7月 5日 (水)

闇鍋質問箱回答編2

■闇鍋質問箱■
  ↑質問してちょ。

********本文*********

Q.最近、しっぽ切れ猫を見なくなったのは、なぜですか?(猫だぬきさん)

Unzen_no_neko002m_2   昔は、5センチくらいしかシッポが無いニャンコとか、長くても途中で折れてるニャンコがけっこういたのに、最近はそういうのが減ったような気がします。
 ちなみに、うちの4猫、母んちの3猫、姉んちの7猫&最近死んじゃった1猫、母の友達んちの 10猫、いつも犬の散歩で行く公園の 15匹ほどの野良さん… には、みーんな立派なしっぽがついてます。

◆お答えします。

Unzen_no_neko003m_1  せっかくテーマが猫なので、猫の写真だらけでお送りします。

 猫が飼われていたらしい一番古い記録は9500年前のキプロス島の遺跡で飼い猫の化石が見つかったというものらしいです。犬が1万5千年前から家畜化されていたということで、それよりははるかに新しいですが、思ったより古くから飼われていたみたいですね。今のネコのルーツは古代エジプト人がリビアネコを飼い慣らしたものとされています。
Unzen_no_neko001m  日本に猫が入って来たのは奈良時代で、仏教の経典をネズミから守るために中国(隋)から連れてこられたそうです。日本列島は1万2千年前に大陸から離れたので、それまでは「ネコ(イエネコ)」という動物は存在しなかったらしいです。

Hagi_no_neko001m  しっぽの短い猫が現れたのは、江戸時代の西暦1700年くらいのことです。鎖国政策のせいで猫の近親婚が続き、突然変異で生まれたのが尾の短い猫です。珍しいのとネコマタ等の迷信も相まって、尾の短い猫が流行し、積極的に交配されていったようです。一般に東の猫は尾が長く、西に行くほど尾の短い猫が多く見られるとか。こちら(九州)ではまだ尾の短い猫が多いのはそのせいかもしれませんね。
 Hagi_no_neko002m 尾の短い猫は世界でも珍しいらしく、他ではイギリスのマン島が起源の、尾のほとんどないマンクス猫くらいではないかと思います(マンクスの長毛種でキムリックという種類があるそうです)。これも島という閉鎖した場所で生まれたという共通点があります。

Himeshima_no_neko001m_1  前置きが長くなりましたが、何故最近尾の短いネコが減ったのかですが、多分それは日本ネコの短い(折れ曲がった)尾は劣性遺伝子だからです。劣性遺伝というのは敢えて説明しますと、劣った遺伝子という意味ではなく、発現しにくい遺伝子と言うことです。Himeshima_no_neko002s_2すなわち両親どちらかの遺伝子から長い尾の遺伝子を引き継ぐと、短い尾のネコにならないのです。両親ともから短い尾の遺伝子を受け継いで、初めて短尾の猫になるのです。白人でも金髪碧眼は珍しいです よね。それは金髪も青い眼も劣性遺伝だからです。同じ短尾種でも、マンクスやキムリックの場合は優性遺伝するそうです。

Hita_mameda_no_neko001  戦後、一般市民も猫を飼う人が増えて、外来種の猫がどんどん入ってきました。それらが放し飼いされたり野良猫化したりして、従来の日本猫と交配し、どんどん日本猫の特徴である短い尾を持った猫が減っていきました。そんな中、あるアメリカ人が日本猫数匹を国に持ち帰り、品種を固定されました。ジャパニ-ズ・ボブテール(←ここでは日本猫の起源はもっと古いとされています)という種類です。日本で純粋な日本猫が絶滅寸前のところを、アメリカ人に救われたのです。
 おそらくこのまま交配が続くと、いずれは短尾の猫はほとんどいなくなってしまうかもしれません。しかし、短尾の猫は脊椎にも若干の奇形があるといわれます。猫にとっては長い尾のほうが良いのかもしれません。

Kitakyusyu_no_nekom  猫という字は獣へんに苗と書きます。これは昔稲作におけるネズミ退治の役割を猫がしていたという名残だそうです。そして、猫だぬきさん、中国でまだ「猫」という漢字が確立されていなかったころは、「狸」という字をあてていたそうですよ。

※写真は旅先で出会った猫たちです。クリックで拡大します。

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コメント

ひ~~ かわい~~ 写真いっぱいで嬉し~っ
記事を読む前に、写真をひとつひとつ拡大して見てしまいました。
そしたら、なんかの拍子に間違ってブラウザを閉じてしまったです。

燐さん、
とってもとっても丁寧で詳しいご回答、ありがとうございます。
予想していた以上の専門的なお答えに、感服するばかりです。

なるほど、近親婚からの突然変異が原因だったんですね。
で、そこから交配が進んだと…。

ジャパニーズ・ボブテールは、猫の写真集で見たことがありますが、
そういう経緯でアメリカに渡ったとは知りませんでした。

劣性遺伝、優性遺伝についても分かりやすかったです。
地域差についてもばっちり言及されていて、もうひたすら感激!

次の質問は、
「なぜ燐さんはそんなに物知りなのか?」にしたいくらい…

>中国でまだ「猫」という漢字が確立されていなかったころは、「狸」という字をあてていたそうですよ。

おおっ。さすが私、知らず知らずのうちに猫の本質に迫ってたんだ(ちがうっ)。てことは、もしここが昔の中国だったら、私は狸狸になってたわけですね。

投稿: 猫だぬき | 2006年7月 5日 (水) 12:10

おおっ!これはもう生協の白石さんレベルじゃないぞ。
猫博士みたいな回答ですね。

ちょっと写真の猫ちゃんの目が怖い気がするのは私だけですか。

投稿: 天そば | 2006年7月 5日 (水) 12:28

おはようございます♪
朝からこんなに可愛いもの見ちゃったら、なーんにもする気がなくなっちゃいますね~♪♪←いつもでは?
地元の田舎では、小さい頃よく見かけた気はしますが、野良猫だったので怪我や心無い人にイジワルされて、とかだと思ってました。
突然変異に、交配だったとは。。。全然知りませんでした。勉強になるなー。

じゃあ、動物繋がりの質問しちゃう♪
私は犬が苦手なので(小さい頃に追い掛け回されて噛み付かれたことがあって以来、繋がれてても怖い。少しは触れるようになったけど)自分から近寄ることは無いのですが、何故か犬の方から寄ってきて困ったことに犯されそうになったりします(笑)(T_T)足元に纏わりつかれてヘコヘコされたり、大型犬だと押し倒されてヨダレまみれにされながら犯されそうに。。。
飼い主サンは「アラアラ(汗)!普段はこんなこと無いんですけどね~」と笑って取り押さえてくれてたりはするんですが、こっちは恐怖と貞操を守るのに必死で(笑)笑顔どころじゃありません(T口T)
友人には「同じ”ケダモノ(ケモノじゃないところが悪意を感じる)”やからやで(笑)それか獲物やと思われてるんちゃうか( ̄▽)ゞ」と笑い飛ばされます。
貞操の危機回避の為にもよろしくお願いします(T_T)


あの・・・深刻なので、笑ってないでお願いしますね(笑)。

投稿: wing | 2006年7月 6日 (木) 09:17

>足元に纏わりつかれてヘコヘコされたり

本日一番の大笑い!!

しんどい…
ぜんそく出そう…

ああ。
生きるということは、
なんと楽しいものなのか…

投稿: 猫だぬき | 2006年7月 6日 (木) 11:50

猫だぬきさん、

写真の猫たちの中で、上の3枚は雲仙の観光地、地獄めぐりにいた猫です。あそは観光地な上に年中暖かいので、野良猫がかなり住み着いているようです。でも、誤って落ちて死んじゃったりしないかと心配です。
1枚目と2枚目の子猫は同じ子で、2枚目の横にいるミケさんがおかあさんでした。3枚目のミケ猫さんはすごく人になれてました。多分彼等の主食は温泉卵です(笑)。水はどうしてるんだろう。

>次の質問は、
「なぜ燐さんはそんなに物知りなのか?」にしたいくらい…

いえ、実際面と向かってイキナリ聞かれたら、こうはいかないです。それなりに調べるから。
種明かしっつーか、たとえばこの質問の場合、知っている範囲から推理して、キーワードを検索して確認してまとめただけです。

>おおっ。さすが私、知らず知らずのうちに猫の本質に迫ってたんだ(ちがうっ)。てことは、もしここが昔の中国だったら、私は狸狸になってたわけですね。

茶色で太っている尾の長い猫は、ほんと狸みたいでカワイイですね。やっぱイヌ科もネコ科も遠い先祖が一緒だっただけのことはあります。
4枚目の写真の逃げるネコたちの後ろの子は狸そっくりですね。

投稿: 黒木 燐 | 2006年7月 6日 (木) 12:55

天そばさん、

>猫博士みたいな回答ですね。

いや、けっこうグーグルでカンニングしてますから。
ところで猫博士って猫ヒロシって読めますねえ。

>ちょっと写真の猫ちゃんの目が怖い気がするのは私だけですか。

ほとんどが野良さんたちだから警戒してるんでしょうね。
下から3枚目の子猫さんはなんか病気っぽいので特に眼が恐いです。寄生虫でもいるのかもしれません。

投稿: 黒木 燐 | 2006年7月 6日 (木) 13:00

wingさん、

犬は人を見ますからねえ。

>あの・・・深刻なので、笑ってないでお願いしますね(笑)。

はい、この質問いただきました。
でも笑わせてもらいました。

投稿: 黒木 燐 | 2006年7月 6日 (木) 13:04

猫だぬきさん、

>ああ。
生きるということは、
なんと楽しいものなのか…

早く北朝鮮の人たちにもそう思えるようになって欲しいですね。
どうにかならんのかなあ、あの豚キム。

投稿: 黒木 燐 | 2006年7月 6日 (木) 13:07

燐翁先生、質問です。
この頃「らんきーチャット」を開催してはどうかという要望がチラホラあるのですが・・だいたい何曜日の何時頃開始がいいのでしょうか?
私は八方美人なのでそういったのを決めるのが苦手です。燐先生のご意見をお聞かせください。
そしてそのチャットに本当に何人かくるでしょうか?それも心配です。
もしかしたら・・僕朕が一人ぼっちで待ってるなんて事もあるのかな~とか気に病んでます^^
宜しくお願い致します^^

投稿: ぶいっちゃん | 2006年7月 6日 (木) 23:26

ぶいっちゃん、

何じゃ、儂に質問か。
内容がぷらいべーとなので、ここで答えるが、ちゃっと参加希望者に希望日時を聞いてまとめるのが早いんじゃないかのう。儂はまいぺーすなので、参加するかどうかわからんが、するなら金曜か土曜の夜11過ぎならいつでもおおけいじゃ。

参加者がいるかどうか、じゃが、いいだしっぺがお前さんではないんじゃし、いいだしっぺも賛同者もヤル気満々な様子じゃから、必ずみんな来ると太鼓判を押してやろう。
万一待ちぼうけを食っているようなら、儂が様子を見ていて頃合で参加することにしようかのう。

まあ、案ずるより生むが易しじゃ。

投稿: 黒木 燐翁 | 2006年7月 7日 (金) 03:34

レス有難うございま~す。
>儂はまいぺーすなので
知ってます(笑)B型だし^^やぱし ですね。
>するなら金曜か土曜の夜11過ぎなら
やはり!私もそうしようと^^
>まあ、案ずるより生むが易しじゃ。
はっはぁ~。有難きお言葉~^^

投稿: ぶいっちゃん | 2006年7月 7日 (金) 09:03

>多分彼等の主食は温泉卵です(笑)。水はどうしてるんだろう。

温泉を飲んでるんですよ、きっと。
卵の黄身を食べて「ぶほっ」となったら、温泉をチョプチョプ。
その辺りの猫ちゃんたち、実はすっごい長寿かも。

>ぶいっちゃん、
>何じゃ、儂に質問か。

わー いいなー
私も、カタカナを使わない頑固な燐翁に遊んでもらいたいなー

投稿: 猫だぬき | 2006年7月 7日 (金) 09:43

ぶい殿

ちゃっとの準備ご苦労であった。
予想通り上手くいったであろう。
あのはれむ状態はなかなか壮観であった。
天晴れ天晴れ、じゃよ。

投稿: 黒木 燐翁 | 2006年7月 8日 (土) 12:52

猫だぬ殿

確かに雲仙の猫たちは、健康的で飼い猫のように毛艶も良かったのう。天災や亜硫酸瓦斯等の不意打ちなどがなければ、あの「地獄」は猫たちにとって天国かもしれんのう。

投稿: 黒木 燐翁 | 2006年7月 8日 (土) 12:58

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