身近にいるトンデモさん
最近持病の貧乏性が悪化して、なかなか天神(博多に並ぶ福岡の繁華街)に出ることが無くなった。パルチケットという西鉄が出している6枚で5枚分使用期限3ヶ月という回数券があるのだが、なんと、ついにそれを一枚期限切れにしてしまった。まあ、6枚で5枚分なのだから損はしていないことになるが、やはりもったいないことをした。
そんなこんなであるが、先週の日曜日、久々に天神まで出て友人と食事をした。飲兵衛の友人は飲酒が主だが、私は下戸なので、彼女が私に声をかける時は「飲みに行かんですか?」ではなく「ご飯でも食べんですか?」になる。しかし、食事とはいえ飲兵衛と一緒であるから行くのは居酒屋になる。私は食事が美味しければ居酒屋でも一向に構わない。
で、居酒屋に行ってしばらくすると、友人がある人について話し始めた。
友人は最近、ある女性に気に入られている。いや、むしろ「取り憑かれている」と言って良いかもしれない。仮にその女性をA子さんとしよう。以下A子さんについて友人から聞いた爆笑トンデモ話を書いていこう。
A子さんはダンサーらしい。本職は聞いてないからわからない。年齢は40くらい。カナリ自己主張が強い人らしい。3月下旬あたりにヨーロッパ・アフリカあたりに旅行するらしい。
友人がA子さんから受けた迷惑話は、個人的なものだから省くが、一つだけ書くとしたらメイドカフェの話だ。
ある日友人のケイタイに「今、メイドカフェにいま~す。お嬢様って呼ばれてま~す。」てな感じのルンルン気分(死語)なメールが届いた。40歳でお嬢さん・・・orz。私だったら奥様と呼ばせるぞ。むしろ女王様と(以下略)。
その後、友人が彼女と会ったとき、彼女がケイタイに保存しているメイドのコスプレ写真を見たくないのに見せられたらしい。少し前に友近がメイドカフェで働くバラエティー番組があった。友近は意外に可愛かったが、A子さんのメイドコスプレは正直あまり見たくない。せめてメイド頭くらいなら(以下略)。
その後、友人は広島往復の宿泊付きで超格安のチケットがあるから、一緒に行かないかと誘われたが、広島に行く用事もなかったので、すみやかに断ったらしい。
で、そろそろ本題だが、彼女が広島に用があるというのは、どうやら彼女が傾倒している新興宗教だか、ニューエイジ系だかの本部あたりが広島にあるらしいのだ。何故それがわかったかというと、ある日友人がAさんから、「最近、広島で波動の勉強しよるんやけど、実はね、地球規模だと3月20日にまた地球の波動が大きく動くらしいから何かあるかもよ。だから大事なことがあるならそれ以降に予定した方がいいよ。」という「警告」をされたからだ。もちろんその話を聞いていて「波動」というトンデモ知識の基礎用語な名詞が出てきて、私が「波動キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!」と喜んだのは言うまでもない。
さらにAさんは友人に「私ね、降霊術できるようになったから誰か呼んでやろうか。」という、私が涙を流して笑いこけるような大ネタをかました。因みに彼女は生霊専門らしい。友人は「生霊なんて呼び出したら、その間本体はどうなっとるんやろうねぇ。」と笑っていた。う~む、「レギュラー」の西川君みたいに「グ~~~~~」って気絶するのだろうか?おそらく本体はそんなことなど露知らず、気絶することなく普通に生活しているだろう。
しかし、地球の波動が大きく動くってなんだろう。(地球空洞説の人たちが)北極にある(という)大穴から、波動砲でも発射されるのだろうか?目標はやはり木星の浮遊大陸か??
冗談はさておき、波動って何だろう。「波動」で検索すると158000件ヒットし、ほとんどがいわゆるトンデモさんである。波動はそもそも量子力学の用語で巷で流布している「波動」とは一線を画したものである。私はあいにく量子力学を学んでいないため上手く説明できないので、ココやココ(波動については5を参照)を読んで下さい。しかし、トンデモで「波動」という言葉を使っている人も、自分がどういう意味で「波動」という言葉を使っているかよくわかっていない人が多いのではなかろうか。私が「波動」という漢字から受けるイメージは超音波みたいなモノで放射状に広がったもの(しかも激しく波打っている(笑))って感じかな?
ところで、「波動」という言葉はオカルト系マンガではなくてはならない用語だ。そういう荒唐無稽な内容に使うのは問題ないと思う。しかし、いかにも科学を装ってインチキ商売に結びつけるのは非常に危険だ。
で、つまるところ地球の波動とは一体何ぞや?と本題に戻るけど、それは「動く」ものなのか?「動く」のなら、何が原因でまた、どのように動くのだろう(友人いわく「ベリーダンスでもするんじゃない?」(爆)。山田君座布団一枚!)。まあ、こんなことを質問したら大喜びで教祖に紹介されてエライ目にあいそうだし、どう説明されるかは想像出来るので聞こうとは思わない。
地球自体が動いている、すなわち、地球が自転公転しているのは創造論者などの一部を除いて皆知っていることだろう。地球は秒速466mで自転し、さらに秒速29.8kmで太陽の周りを公転している。そしてその太陽は惑星衛星数多の小惑星等一切合財を引き連れて秒速220km(!)で銀河系の中心を回っている(参考)。要するにすごいスピードで「動いて」いるのだが、なぜ地球上で物が静止しているかはこれまた上手く説明できないから、不思議に思った人はここを読んで下さい。
ところで、ここの読者にはそんな人はいないと思うけど、「3月20日までに地球の波動が動いて何かが起こりそう。」というところだけ抜粋して信用しないでほしい。何故3月20日なのか。簡単である。A子さんも言っていたそうだが、福岡西方沖地震のあった日だからである。逆を言えばそれ以外の根拠はないということだ。福岡地震はそのきっちり一ヵ月後の4月20日に最大余震をおこしたという律儀な地震である。まあ、1年後のまた同じ日に余震が起きる確率もないではない。いつも言うようだが、一度大地震が起きた土地はしばらく地震と縁が切れないものなのだ。新潟では未だに余震と見られる地震が起きているでしょう。
ついでにいうと「地球の波動が動く」というスケールの大きいものだから、地域確定の地震程度で当たったと思うのは間違いでしょう。おこるなら地球規模のまさしく天変地異だ。
だって地球の「波動」が「大きく」動くんですよ。
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