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2006年1月23日 (月)

トイレに閉じ込められた話(3)

まずこちらから先にお読みください。
トイレに閉じ込められた話(1)

 

「怪我でもしたらどうするんですか!!」
 今ならここで「管理人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」というところだが、当時はまだインターネットが普及する前の話でパソ通の時代である。しかしまあ、管理人では頼りないとはいえこれで何とかなるという希望が見え始めた。
「で、カギを閉めてるから開かないんじゃないでしょうね。」
 と、管理人。またかよ。仕方がないのでまた最初から説明のしなおしをする。
「あのですねー、カギはかけてないんです、カギじゃないんですよ。2・3日前からたまにノブが回らないときがあったんですよ。まあ、なんとか開いてましたけど。ところが、今日私がトイレから出ようとしたら、まったくノブが回らなくなってしまったんです。ノブが回らないからドアが開かないんです。ほら、そっちから試しても回らないでしょ?」
「だから工具を使ってノブを分解するか、『カギの110番』あたりを呼んで欲しいんです。」
 私は説明した。ここでカギの110番なんていうから誤解されるのかも知れないが、ほかにこういったトラブルを解決する専門家が思いつかなかった。今考えるとこの場合は呼ぶならやはり119番だろうと思う。でも、やはり消防署にレスキューを依頼するのも大袈裟なので、出来るだけ避けたいと誰もが思うだろう。管理人もそう思ったに違いない。
 管理人はドアノブをガチャガチャさせて言った。
「やはり開きませんね。」
 それから少し考えて、「では、こちらからドライバーか何かで掛け金具(ラッチボルト)を引っ込められるかやってみましょう。」
しばらくすると管理人がマイナスドライバー(多分)を持って戻ってきたようだ。
「ではやってみます。ちょっと待ってくださいね。」彼は言ったが、すぐにそれが不可能ということに気がついた。ドアがトイレ側に開くようになっているということは、廊下側にはドア押さえがあり、ドライバーを突っ込む隙間などないのだ。
「そっちからしないと無理みたいです。」
 申し訳なさそうに管理人が言った。
「ええ?でもこっちには工具なんてないし、外からどうやって工具を受け取るんですか?やっとタウン誌が入るくらいのガラリの隙間しかないんですよ。」
 と、私も必死だ。1分でも早くここから出たいのに。
「困りましたねえ。」
「こうなったらやはり誰かがドアに体当たりするしかないですよ。Uさん、Uさ~~~ん!あ、Mさんでもいい・・・」
「ちょ、ちょっと待ってください。そんな危ないこと許可できません。体当たりした人もあなたも大怪我をするかもしれません。会社だってそんなことで労災なんて出したくないでしょう。」
 それならはやく専門家を呼んでくれ。私は思ったが、テキは出来るだけお金がかかるのを防ぎたいらしく、なんとか自分らで対処したいと考えているのだろう。
「工務店に電話して対処法を聞いてきますから、ちょっと待っていてください。」
 これで何度目の「ちょっと待ってください。」だろうか。ゴールデンハーフの歌じゃあるまいし。そう思ったら、ゴールデンハーフのあの歌が耳について離れなくなってしまった。「♪チョットマッテ、クダサ~イ♪」・・・うざっ。

 

 しばらくして、管理人が戻ってきた。
「黒木さん、今から道具を渡しますので受け取ってください。」
「え?え?どこから?」私はあせって聞いた。
「下の換気のところからしかありませんね。多少傷がついても仕方ありませんが、無理をすれば渡せるでしょう。」
 というと管理人はガラリの羽板部分から「千枚通し(錐)」を送り込んだ。羽板は若干歪んだが、なんとか千枚通しを受け取ることが出来た。で・・・?
「ノブを良く見てください。手で回す方じゃなくて根元の方に小さい穴が開いているはずなんですが。それを、その錐の先で押してみてください。それで簡単に開くはずなんですが。」
 と管理人は説明したが、その小さい穴とやらがどこにあるかさっぱりわからない。
「えぇ?見つからないんですけど・・・。」と私。
「よく見てください。このタイプのノブには必ずあるらしいんです。」
 小さい穴。カメラのフィルム強制巻きボタンみたいなものか。私はもう一度良く見たが、それらしきものは見つからない。
「変だなあ・・・。」私は思いながらひょっとしてと思い、ドア枠の側の方をよく見た。あった!しかし・・・。
「管理人さん、ありました。ありましたけど・・・枠側にあって間が狭くて錐で押すことができません!!無理です・・・。」
 間の悪いときは徹底して悪いものだが、このときの私は正にそうだった。(つづく)

 

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追記:改めて同タイプのノブをいくつか確認したら、だいたい内側(狭い方)についているみたいで、これに関しては、このとき特に運が悪かったわけじゃなさそうです。

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