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2005年7月10日 (日)

テロについて考える

 まず、ぜひともこれを読んでほしい。
 ジャーナリストの浅井久仁臣さんによる、9.11同時多発テロからこのロンドン同時多発テロにまでの考察である。若干長い文章だが、一言一句読み飛ばさずじっくり読んでほしい。

私の視点 「同時多発テロの“真犯人” 1本のヴィデオから 」 
浅井久仁臣 グラフィティ  浅井久仁臣 私の視点

 さすが、ヴェテランジャーナリスト、終始一貫した実に冷静な分析だと思う。正に世界はビン・ラディンのシナリオ通りに動いているではないか。
 彼のシナリオに乗らないこと。それは、普通の敬虔なイスラム教徒とアル・カイーダに代表されるテロ組織とは完全に区別することだ。イスラム教では自殺他殺共に厳しく禁止されているということだ。自他共に殺戮する自爆テロなどもってのほかなのだ。私たちだって、例えばオウム真理教信者が世界各地でBCテロを行い、世界中から日本人=テロリストとみなされた場合、どう思うか考えてみるといい(過去すでに有名な日本人テロリストたちを世界に放ってしまったことも忘れてはならない。日本はテロとは無縁の国どころかテロリスト輸出国なのだ。)。決してイスラム教徒たちを責めてはならないし、孤立させてはならない。彼らもテロの被害者なのである。

 先の記事で、私はロンドンのテロはもはや対岸の火事ではないと書いたが、実際はもっと前からそうだったのだ。そう、9.11が起きてしまい、日本が米国追従の立場を明確にしてしまった時から。そして、テロを100%防ぐことは不可能なのだ。
 もちろんテロを防ぐための万全な対策をすることは大事だ。しかし、日本の危機管理はこれについてまったく頼りない限りだ。常に泥縄、おまけにのど元を過ぎた熱さはすぐに忘れる。
 米国はオウム真理教のケミカルテロ(サリンテロ)を対岸の火事とせず、早急に自国のBCテロ対策を強化した(何故BCテロかというと、オウムは実際にバイオテロを実行していたからだ。幸いにもボツリヌス毒素は弱毒化したため、炭疽菌は知らずにワクチン株を使ったため失敗。もし成功していたら都心は大パニック、炭疽菌を撒かれた亀戸あたりは未だ人の住めない危険地域になったかもしれない。)が、日本はどうだったか。
 各国で深刻なテロが起こるたびに日本でもそれなりに対策が強化される。しかし、どこまで本気でテロが起こると考えているのだろう。しかし忘れてはならないのは、バイオテロ・ケミカルテロ共に実際に起こったのは日本なのだ。それも狂信者たちの手によって。
 ある程度テロ慣れしているとはいえ、ロンドンのテロに対する対応は素晴らしかった。果たして日本はどれだけ的確な対応ができるだろうか。(後々ボロが出始めたが)

 もし、日本で今実際に大規模なテロが起こった場合どうなるか考えてみた。
 現場に際しては記憶に生々しいロンドンのテロやオウムのサリンテロのことから容易に想像出来るだろう。ニュースはそれ一色に染まり、記者たちは競って被害者を捕まえマイクを向け、テレビでは同じような場面が繰り返し流される。そして特番が組まれ、専門家やジャーナリストが引っ張りだこで、彼らの玉石混交の分析が垂れ流し状態となり、冷静な分析はよりセンセーショナルな意見にかき消されるだろう。早速現場の模型も作られる。某番組で一時期「テポドンテポドン」と意味もわからず騒いでいる単細胞の元議員がいたが(今でも?)、例に漏れずそのテの輩が増殖するだろう。日本政府も警察も的確な情報が集められずに、見解は二転三転し、国民はますます混乱する。日本中が蜂の巣をつついたような状態となり、ヒステリックに騒ぎ立てるだろう。武装論者が完全に優位に立ち、憲法第九条改正も秒読み状態となるだろう(アフガンやイラクの現状を見ても、武力ではテロは拡散こそすれ、防ぐことは出来ないのだが)。テロを起こした国や宗教の人たちは徹底的に差別される可能性もある。国中が冷静さを失い、「○月○日にテロが起きる」というデマが飛びまくり、不審物に過剰反応した人たちはゴミひとつや些細な異臭でも警察に通報し、警察は本来の業務にも支障をきたすようになる。

 書いていてだんだん鬱になってきたが、これは最悪の想定である。きっともっとマシな対応が出来ると信じたい。そして何よりも、日本でテロが起こることがないように、いや、世界でテロの起こらないように、切に祈りたい。後者は本当に切ない希望でしかないのだが。

■まとめ■
※テロは簡単に一掃することは不可能。テロの芽と種を地道に失くしていかないと、最悪世界中に種を散らしてしまう。
※テロリストと一般人を明確に区別し、一緒くたにしない。特定の宗教・民族・国民などを孤立させない。
※ニセ情報などに惑わされないように、常に冷静であるように心がける。特に実際にテロが起こったときは、これが大事である。

※ここの「What's New!」も、ぜひ参考にしてください。
J-RCOM
http://www.kamiura.com/

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